「▲4五桂を発見できたのが大きかった」藤井四段VS佐藤九段、AbemaTV七番勝負第6局ふり返り(藤井四段コメントあり)

「▲4五桂を発見できたのが大きかった」藤井四段VS佐藤九段、AbemaTV七番勝負第6局ふり返り(藤井四段コメントあり)

ライター: AbemaTV将棋チャンネル編集局  更新: 2017年04月23日

14歳の最年少棋士が名立たる猛者達を相手にここまで4勝1敗。藤井聡太炎の七番勝負は、恐るべき天才が現れたことを証明する企画となってきている。残り2戦。果たして藤井はどこまで勝数を伸ばせるか、あるいは先輩棋士が意地を見せるのか。

第6戦の対戦相手は、読みの精度の高さから「緻密流」と呼ばれている佐藤康光九段。タイトル戦登場は37回、タイトル獲得数13回の大棋士だ。タイトル獲得13は歴代6位の記録であり、棋聖5期獲得により永世棋聖の称号も獲得している。

棋士会会長を長年に渡って務めて棋士間からの信頼も厚く、今年の2月からは将棋連盟会長に就任した。

「佐藤九段は深い読みに裏付けられた独創的な指し回しに特徴がある印象です」と藤井は言う。

後手番になった佐藤の作戦はダイレクト向かい飛車。独創的な序盤作戦を見せることが多い佐藤の得意戦法のひとつである。力戦模様の序盤から持久戦調の駒組となった。藤井は飛車を8筋に転換し、後手玉に狙いを定める。図は48手目の局面で佐藤が6二に角を打ち、2六の歩を狙いながら自玉周辺の守りにも利かせたところ。ここで先手はどう指すか......。

【図は48手目▲6二角まで】

「図の局面では少し指しやすいように感じていました。最初は▲2九飛や▲4八角などの手を考えていたのですが、ここで▲4五桂を発見できたのが大きかったです」と藤井は振り返る。図から▲4五桂△同桂▲同歩△2六角▲8五歩△同桂▲同桂△3七角成▲9三桂成△同香▲8五歩。「右辺の駒が捌け、玉頭攻めに専念できる形になりました」と藤井。この後は藤井が一方的に攻める展開となり、95手で佐藤を投了に追い込んだ。

なんとなんと、藤井は6戦を終えて5勝1敗と先輩棋士達を圧倒。炎の七番勝負最終第7局は棋界の絶対王者とも言える羽生善治三冠との対戦だ。果たして「まさか」は起きるのか?

【第6局の全棋譜はこちら】

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藤井聡太四段 炎の七番勝負

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