将棋ウォーズ、つめつめロード、i羽生将棋。初心者に薦めたい「将棋アプリ3選」

将棋ウォーズ、つめつめロード、i羽生将棋。初心者に薦めたい「将棋アプリ3選」

ライター: 直江雨続  更新: 2016年09月29日

近年、さまざまな将棋アプリが開発されてきました。タッチパネルで直感的に駒を操作できるため、スマホとの相性も抜群。通勤・通学中やちょっとした隙間時間にも気軽に楽しめて、さらに将棋も強くなれる、一石二鳥の将棋アプリ。

ここではそんな将棋アプリの中で初心者におすすめの3つ

  • 将棋ウォーズ
  • 将棋RPGつめつめロード
  • i羽生将棋をご紹介します。

*ご紹介するアプリは記事を書いた2016/09時点での価格・情報となります。価格の変動やバージョンアップ等による機能の追加・変更などの可能性がありますので最新の情報はApp Store、Google playでお確かめください。

多様な演出!ガンガン指して強くなろう! 将棋ウォーズ!

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気軽にオンライン対局を楽しめる【日本将棋連盟公認】の将棋アプリです。将棋ファンの間での認知度や人気もトップクラス。自分の棋力と比較的近い相手と自動的にマッチングしてくれるので、勝ったり負けたりの勝負のスリルと楽しさを味わえます。

対局ルールは10分切れ負け、3分切れ負け、10秒将棋の3種類。将棋の対局では自分が使える持ち時間というものが決まっており、10分切れ負けの場合、対局中に考えることができる時間は自分も相手も10分で、それを使い切ってしまうと負けになります。どれも短時間で決着がつく対局ルールなので将棋ウォーズでは迷って時間を使うよりは決断よく指すことが求められます。1日3局までは無料で指すことができますが、利用料金を支払って30日間指し放題のプレミアム会員になれば、対局回数無制限で遊べます。

対局では、囲いや戦法ごとに派手なエフェクトが出たり、形勢に差がつくとBGMが変わったりと、様々な演出で盛り上げてくれます。『棋神召喚』といって自分の代わりに将棋ソフト『ponanza』が自動的に5手指してくれる機能もあります。また、マイページではこれまでの自分の戦績やこれまでに使った「囲い」「戦法」「手筋」などのコレクションを見ることもできます。

2016年8月には新機能の『棋神解析』がリリースされました。自分が過去に対局した時の棋譜を『GOLD棋神』が解析してくれるというもので、自分が指定した局面での最善手を教えてくれる機能と、その1局の将棋の評価値のグラフを表示してくれる機能の2種類があります。自分が迷った局面での最善手は何だったのか、序盤中盤終盤、どのあたりで形勢が傾いたのかが『棋神解析』でバッチリわかります。評価値グラフを使えばどこで悪くなったかが客観的に判明するので、その局面をじっくり考えなおし、一人感想戦をすることで、さらに強くなれるはずです。

将棋ウォーズはとにかくたくさん指して遊びたい人向けです。大会での上位入賞を目指したり、「囲い」や「戦法」のコレクションを増やしたり、お目当ての棋士のアバターをゲットしたりと、楽しみ方は人それぞれ。自分の段級位で正式な免状・認定状を取得できるのも、大きなメリットです。

詰まして攻撃の爽快感! 将棋RPG つめつめロード

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2016年7月に満を持してリリースされた「将棋RPG」という新ジャンルアプリ。次々に出題される1手詰や3手詰を解くことでバトルが進行。早く解けばダメージアップ! 不正解でも王手をすれば攻撃できるので、初心者でも安心。物語を進め、どんどんバトルすることで、自然と詰将棋をたくさん解き、棋力向上に役立ちます。

プレイヤーはこの物語の中で『つめつめ士』となって、『みたま』と呼ばれる精霊たちを呼びだして戦います。クエストを進めることで、新しい『みたま』をゲットでき、その『みたま』を育て、パーティを自由に編成・強化していきます。『みたま』は日本の昔話や文学作品に登場するキャラクターがモチーフになっています。どれも可愛らしいイラストで、『みたま』集めにもついつい夢中になってしまいます。なお、『みたま』の中には実在のプロ棋士をモデルにしたものも!

そして肝心のバトルシステムは1手詰を解くことで、パーティの『みたま』が敵に攻撃!爽快なエフェクトとともに大ダメージを与えると、スマホを操作する指がしなりますね!ゲーム音楽制作会社ノイジークロークの手によるゲーム内の楽曲もかっこいいですよ。特に、メインテーマとバトルのBGMを担当している作曲家の坂本英城氏はアマチュア四段の免状を持っている大の将棋ファンだそうです。

パズルゲーム等で慣れ親しんだゲームシステムに、詰将棋をさくさく解いていく爽快感が合わさって毎日遊びたくなる、とても楽しいゲームになっています。しかも、棋力アップにもつながるというのが素晴らしいですね。

羽生ファンのあなたに 『i羽生将棋』シリーズ

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i羽生将棋シリーズは【羽生善治三冠監修】【日本将棋連盟推薦】の将棋入門用アプリです。将棋を始めたばかりの方におすすめの、基礎から将棋を学べるアプリとなっています。

まずはこれ!『i羽生将棋』でセイカイデス!

『i羽生将棋』シリーズの第一弾。「入門」モードで基本的な将棋のルールを学べます。将棋の入門書がなくても、このアプリだけで大丈夫!

「対局」モードではレベル1から3までのコンピュータとの対局ができます。ちなみにレベル1のコンピューターは相当弱いので、初めての方でもたぶん勝てるでしょう。安心して挑んでみてください。「対局」モードには「2人で対局」というモードもありますが、こちらを選ぶとアプリを盤駒の代わりに使って対局ができます。

そして終盤力強化のために「逃げ将棋」と「詰め将棋」の2つのモードが用意されています。特に、このアプリの特色といえるのが「逃げ将棋」です。通常の詰将棋の逆で、自分が詰まされそうな王様を操作し、詰まないように逃げたり受けたりする問題となります。

さらにこのアプリの一番の目玉ともいえる「着手予想」モードは羽生善治三冠の実戦棋譜を1局最後まで、1手ずつ全部当てるというゲームになっています。自分が羽生三冠になったつもりで、1手ごとに何を指すか考えて着手。正解すると羽生三冠の声で「正解です」、間違うと「不正解です」と言ってくれます。この「セイカイデス」という若干棒読み風の羽生ボイスが、もうたまらずクセになります。局面のポイントごとに羽生三冠の解説コメントが表示されるのもうれしいですね。

入門用アプリと言いつつも、「着手予想」や「逃げ将棋」「詰め将棋」には難問も収録されていますので、上級者、有段者の方でも十分楽しめるアプリになっていますよ。

序盤の駒組みと定跡の教科書 『羽生善治の将棋のお手本~初心者からの定跡講座』

『i羽生将棋』で将棋の基礎を学んだら、次は序盤の定跡を覚えるのがよいでしょう。定跡とは長い将棋の歴史の中で、昔から研究されてきて最善とされる、序盤の決まった指し方のことです。『羽生善治の将棋のお手本~初心者からの定跡講座』では、「居飛車のお手本」「振り飛車のお手本」の二本立てで、序盤の定跡を学ぶことができます。入門者向けには定跡を学ぶ前の「対局の基本」モードで一通りの説明を読んでおくことをお勧めします。

将棋の定跡の基本中の基本はすべて収録されています。(※一部は追加料金を払って購入することで見ることができるようになります)アプリ上の将棋盤で実際に駒を動かしながら定跡を学べるので、「本を見ながら、実際の盤駒に並べて勉強する」という、初心者には敷居が高い勉強法と同等の効果を、このアプリで実感できると思います。

駒を上手に使うには 『羽生善治の将棋のお手本~上達する初心者からの手筋講座』

定跡を覚えたら、次は駒を上手に使うための基本的なテクニックである『手筋』を見につけることが勝率アップに効果的です。「手筋講座」では歩、香、桂、銀、金、角、飛、玉の8種類の駒を使った代表的な手筋を学ぶことができます。

また「手筋の合わせ技」では実戦で良く現れるような局面からどのように駒を使えば有利になるか、実際に盤上の駒を自分で動かして体感できます。「そうか、こういう手が良い手なのか!」という驚きとともに良い手をしっかり覚えられます。そして実戦で似た局面になったらその「手筋」を使ってみましょう。

将棋の入門本の代わりに『i羽生将棋』シリーズの3つのアプリで勉強し、一通りの問題を解くことで、初心者脱出は間違いなしです。特に、入門本を読むよりも、自分の手を動かして短時間で将棋を学びたい大人にこそ、このアプリはぴったりだと思います。もう一度繰り返しますが、『羽生善治三冠監修』で『日本将棋連盟推薦』のアプリですから、安心しておすすめできますよ。

以上、初心者におすすめの将棋のアプリを3本紹介しました。とことん対局を楽しみたい方も、詰将棋を楽しみながら解きたい方、将棋入門本の代わりにアプリを活用したい方、ぜひお試しください。

近年はIT技術の進化や、タッチパネル方式のデバイスの登場で、将棋の学び方に「アプリを使う」ことが当たり前になってきました。アプリで将棋をおぼえ、アプリで将棋が強くなったという未来の名人がいずれ誕生するかもしれませんね。

直江雨続

ライター直江雨続

フォトグラファー/ライター。
2007年ごろよりカメラを片手に将棋イベントに参加してきた『撮る将棋ファン』。
この10年間で撮った棋士の写真は20万枚以上。
将棋を楽しみ、棋士を応援し、将棋ファンの輪を広げることが何よりの喜び。
『将棋対局 ~女流棋士の知と美~』や女子アマ団体戦『ショウギナデシコ』で公式カメラマンを務める。

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