強豪チーム・マイナビ将棋部が登場!将棋世界編集長VSローソン将棋部大将の勝負の行方は?【はじめての職団戦 vol.6】

強豪チーム・マイナビ将棋部が登場!将棋世界編集長VSローソン将棋部大将の勝負の行方は?【はじめての職団戦 vol.6】

ライター: 津持大和  更新: 2019年04月12日

115回職域団体対抗将棋大会(職団戦)に向けて活動しているローソン将棋部の様子をお伝えするこのシリーズ。今回、ローソン将棋部と交流戦を行うのは、月刊誌「将棋世界」でおなじみのマイナビの方々。職団戦Aクラスでの優勝歴があり、県代表経験者も所属する強豪チームです。

職団戦開催まであとわずか。ローソン将棋部は勝利し、いい流れで職団戦に臨むことができるのでしょうか?遠山雄亮六段のレクチャーにも注目です!

将棋世界編集長や県代表経験者が所属!実力者がそろうマイナビ将棋部

今回の交流戦は、将棋世界や戦術書などさまざまな本が所狭しと並ぶマイナビ出版のオフィスで開催。対局前にはローソンのデザートを食べながら談笑する姿も見られ、和やかな雰囲気の中、交流戦が行われました。

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将棋世界や藤井聡太全局集などが展示されていました。

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ローソンスイーツで盛り上がるマイナビ出版の方々。

マイナビ将棋部は2チームあり、両チームとも職団戦では上位クラスに在籍しているそう。県代表経験者の下村さんや将棋世界編集長・田名後さんなど実力者が多く所属しています。

Eクラスのローソン将棋部にマイナビ将棋部は少し強すぎる。ということで対局前に話し合い、ローソン側が自分の指したい戦法を指定することになりました。

これには遠山六段の「格上の相手に自分の得意戦法をぶつけて、どのぐらい通用するのかを実感してもらう」という意図があったようです。

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戦法や棋力について話し合う様子。

戦法などの話し合いが終わると徐々に会場の緊張感も高まり、いよいよ対局へ。今回、持ち時間はそれぞれ20分で、切れたら一手30秒の設定に。それでは遠山六段が注目した対局を見ていきましょう。

遠山 一つ目に注目したのは、ローソン新出さんの対局です。

練習にはなかなか参加できていませんでしたが、将棋ウォーズで練習対局を重ねていたそうで、有段者相手の振り飛車戦でも引けをとらない指しまわしを見せました。

【第1図は△4六歩まで】

遠山 後手の藤井さんが△4六歩と焦点の歩を放ったところ。強い人にこういう手を指されると怖くなるのは人情ですね。

しかし怖がらずに▲4六同角と取るべきで、それなら難解な戦いが続いていました。

先手の新出さんはなにかあるのでは、と考えて違う手を指してしまい、そこに乗じて一気に攻め込まれて敗戦。中盤までは強敵相手にいい指しまわしをしていただけに残念でした。

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職団戦では2チームの参加を予定しているローソンチーム。前回も参加していた新出さんは、今回は新参加チームのリーダーとして出場します。リーダーとしてチームを率いる姿に期待ですね。

将棋世界編集長VSローソン将棋部大将。勝負の行方は?

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2つ目に取り上げるのは、将棋世界編集長の田名後さんとローソン将棋部の大将・岩崎さんの対局。本局は、お互いに終始譲らず、秒読み将棋までもつれる大熱戦になりました。

遠山 ここ最近、人生で一番将棋熱が高まっているという田名後編集長。見事な攻めを繰り出し、岩崎さんはあっという間に土俵際まで追い詰められてしまいました。

しかしそこから岩崎さんは持ち味である終盤力を発揮しました。

【第2図】

遠山 この局面で先手の岩崎さんの指した▲1四歩が好手でした。詰み筋を見せて焦りを誘っています。対する後手の田名後さんも△2四金と攻防の好手で返し、以下▲同角△同歩▲1三金と熱戦が続きます。

まだ岩崎さんが形勢不利ですが、そういうときこそ相手玉に迫る指しまわしが大切です。

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不利になっても諦めず、迫力ある指し回しを見せる大将の岩崎さん

遠山 この岩崎さんの迫力ある追い込みに田名後さんが秒読みの中で正着を逃して逆転。

最後は岩崎さんがキレイな即詰みに討ち取りました。職団戦に向けて弾みのつく、見事な終盤戦でした。

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感想戦で悔しさをにじませる田名後編集長

おわりに

対局終了後も、熱く濃密な感想戦が各所で行われていた今回の交流戦。勝敗だけで見ると1勝9敗と大きく負け越してしまったローソン将棋部ですが、遠山六段曰く、どの対局にもチャンスはあったそうです。ローソン将棋部の方々は、対局内容に手ごたえを感じたようで、遠山六段も予想以上に善戦したと健闘をたたえていました。

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「ここで培った経験を、職団戦で発揮してほしい」と語る遠山六段。

4月14日に行われる職団戦では、Eクラスで参加するローソン将棋部。Eクラスにはこれまで交流戦で対戦してきたドワンゴさんやスクウェア・エニックスさんも在籍しているので再戦があるかもしれません!

果たしてローソン将棋部は、2期連続で昇級することができるでしょうか?次回は115回職域団体対抗将棋大会(職団戦)の様子をお届けします。

はじめての職団戦

津持大和

ライター津持大和

1996年生まれの福井県出身。山本博志四段の影響を受けて居飛車党から三間飛車党に転身。ゲーム、カードゲーム、野球、カフェが好き。将棋イベントとゲーム大会によく出没します。

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遠山雄亮

監修遠山雄亮六段

東京都練馬区出身。1993年に奨励会に6級で入会。1997年に初段に昇段。2005年10月に四段に昇段。長らく、日本将棋連盟モバイルの編集長としてモバイル事業に携わり、現在は、棋士会副会長としてイベント等の企画、運営を行なっている。デビュー当初から、しばらくは振り飛車党だったが、ここ近年は居飛車中心に戦っている。

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