流行型や相手の研究に左右されず戦える「右玉」を青嶋五段が解説します!【将棋世界2018年9月号のご紹介】

流行型や相手の研究に左右されず戦える「右玉」を青嶋五段が解説します!【将棋世界2018年9月号のご紹介】

ライター: 将棋情報局(マイナビ出版)  更新: 2018年08月03日

将棋世界2018年9月号(8/3発売)の戦術特集は、「究極の寝技 右玉で勝つ!」。

①青嶋未来五段による基本講座

②中村修九段による実戦解説

③高野智史四段「最新型はサトシにお任せ」

の3部構成で、流行型や相手の研究にも左右されず自分の形で戦える「右玉」の戦い方をレクチャーします。

さらに、付録「次の一手 地下鉄飛車で右玉退治」では、北島忠雄七段が右玉に対する奥の手を伝授。右玉を指してみたい方にも、右玉に悩まされている方にも役に立つ特集となっています。

本ページでは青嶋五段による基本講座の一部を紹介いたします。右玉に関する著書もある青嶋五段のわかりやすい解説から、右玉で戦う際の呼吸をかぎ取ってください。

※ウェブ掲載用に本誌の内容を一部変更しています。

いま、右玉は攻める時代

右玉はアマチュア間で人気があり、バランスのよい陣形と高い攻撃力が持ち味の戦法です。また決まった形があるわけではなく、さまざまなパターンがあることが特徴です。千日手狙いの戦法と思われがちですが、本講座では積極的な「攻める右玉」をテーマに解説していきます。

左辺から

まずは角交換をしない右玉の指し方について解説します。

古くから指されている戦法で、右玉の中でも駒組みの自由度は、特に高いと思います。

他の戦法ではまずは玉の囲いを作ることを優先しますが、右玉は囲いよりも左辺の△4三銀~△3二金の形を、先に作るのがポイントです。これは先手の急戦を警戒するためです。

初手からの指し手
▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △4四歩
▲4八銀 △4二銀 ▲5六歩 △4三銀
▲3六歩 △3二金 ▲2五歩 △3三角(第1図)

【第1図は△3三角まで】

骨格を作る

左辺の形を決めた第1図から、今度は右辺の右玉の囲いを築いていくのです。駒組みの順番は前後しても問題ありません。

第1図以下の指し手
▲6八銀 △6二銀 ▲7八金 △8四歩
▲6九玉 △6四歩 ▲7七銀 △7四歩
▲7九角 △7三桂 ▲5八金 △6三銀(第2図)

【第2図は△6三銀まで】

8四歩型

第2図から先手が穏やかに矢倉に組んできた場合を見ていきます。自著(『変幻自在!現代右玉のすべて』マイナビ出版)では、△8五歩型の解説をしておりますが、今回は△8四歩型を紹介します。ちなみに角換わりの出だしから角道を止めた場合は、△8五歩型になりますので注意が必要です。

△9四歩▲9六歩と端歩を突き合いますが、右玉では玉側の端歩は必ず突きましょう。終盤で駒を持たれて▲9五桂~▲8三香などの筋で攻められると、すぐに崩壊してしまうからです。

第2図以下の指し手

▲6六歩 △8一飛 ▲6七金右 △5二金
▲6八角 △6二玉 ▲7九玉 △9四歩
▲9六歩 (第3図)

【第3図は▲9六歩まで】

駒は中央に

第3からは△4五歩~△5四銀左と構える手がおススメです。先手は3筋の歩を交換し、▲3六銀~▲3七桂と好形を作るのが狙いです。△3五同歩▲同角にすぐに反撃する手もありますが、いったん△4三金左とためるのが好手です。▲2四歩には△同歩▲同角△同角▲同飛に、△3五角の王手飛車があります。

右玉の左金は玉頭戦になると取り残されやすい駒ですので、攻める前に中央に寄せておくのが、右玉のコツです。

第3図以下の指し手

△4五歩▲3七銀 △5四銀左 ▲3五歩
△同 歩 ▲同 角 △4三金左 ▲3六銀(第4図)

【第4図は▲3六銀まで】

好調な攻め

第4図の▲3六銀は、次に▲3七桂~▲4五銀とするのが狙いですので、相手が攻めの形を作る前に△8五桂から攻め込みます。△8五歩を保留した効果がここで現れます。飛車を縦に使えない代わりに、△8五桂を可能にしているのです。

△6五歩に▲5七角は仕方ない受けですが、△9五歩が継続の手段です。対して▲8六歩と桂を取りにくれば、△9七桂成(参考1図)が好手で、▲同香と▲同桂は△9六歩、▲同銀は△6五歩▲5五金△同銀▲同歩△同角が、飛車香両取りで攻めが続きます。

△9七歩と垂らした第5図も、香が手に入れば△6四香で、金を取れる形ですので後手優勢です。

【参考1図は△9七桂成まで】

第4図以下の指し手
△8五桂▲8八銀 △6五歩▲5七角
△6六歩▲同 金 △9五歩▲同 歩
△9七歩(第5図)

【第5図は△9七歩まで】

本誌には先手のさまざまな指し方別に、右玉の対応策が紹介されています。全文は将棋世界2018年9月号にてお読みいただけます。

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