将棋コラム

扇子は実はアクセサリーだった?意外と知らない扇子の歴史・正しい使い方をご紹介

扇子は実はアクセサリーだった?意外と知らない扇子の歴史・正しい使い方をご紹介

更新: 2017年06月13日

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「おっ、プロ棋士が扇子を持ちながら指している姿って凛としていてカッコいいなぁ」

TVで観戦しながら、ふとそう思ったことがある。

扇子は、一般的にはエコブームの象徴であり、現代日本においても暑い日のマストアイテムでもある。プレゼントや外国土産としても人気を集めている。 さまざまな理由で、扇子を手に入れたならば、普段から所作を美しく「粋」に扱いたいものだ。

さて、この扇子。そもそもどんな歴史があるのだろうか。そこで東京・日本橋にある創業天正18年(西暦1590年)の扇子を扱う老舗『伊場仙』に伺った。同店では1,500円からなんと80,000円もする超高級鉄扇まで、40種150点の扇子が並ぶ。圧倒される数だ。平日にもかかわらず、多くのお客がさまざまな扇子を手に品選びしていた。

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店内の様子

同店の14代目にして代表取締役社長の吉田誠男さんによれば、

「扇子の起源は平安時代初期といわれ、本来仰ぐ道具としてではなく、位の高い人が面長な自身の顔を隠すためのアクセサリーとして使われていたのが始まり。ちなみに棋士が持つようになったのは戦国時代の武将が進軍の際に家来に指揮する時に持っていた軍配の名残といわれています」

そう言われれば、確かに戦っている雰囲気が出る気がする。

扇子の正しい持ち方もうかがった。

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扇子の構造

「扇子の中で直に触れて良い場所は親骨や要と言われる丈夫な部分だけ。扇面となる紙の部分は破損や痛みを招く恐れがあるので、触らないように気をつけます」これは間違っても他の人の扇子を『綺麗な柄ですね』などと扇面を触るのはやめた方がいいかも。

また、仰ぎ方は、「胸元より低い位置から自分の顔に向けて静かに扇ぐのが基本。横からバタバタ仰ぐのは、風が周りの人にかかるのでマナー違反にあたるそうなので注意」

扇子を持つ、使うということにはこれら周囲への配慮も大切。これがいわゆる「粋」への第一歩かもしれない。

 ーーところで良い扇子の見分け方は?

「閉じた扇子を正面から見て、全体に左右対称であること、綴られた扇の紙を折ったところが平らかどうか確認してください。ここがまっすぐなものは熟練した職人の技である証拠です。」

また、同店では素材である竹にもこだわっている。扱っている物のほとんどが滋賀や岐阜といった琵琶湖周辺。冬寒くて夏暑い気候が、扇子の骨に最適な丈夫で弾力あるしなやかな竹を生むのだそうだ。

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東京・日本橋 創業天正18年(西暦1590年)の扇子と団扇を扱う老舗『伊場仙』14代目・代表取締役社長の吉田誠男さん

 ーーちなみに、吉田社長は扇子を何本ぐらい持っているのですか?

「私は3本ほど所有しています。スーツの色味に合わせて持つ扇子を変えています。しかもそんなに高価ではないんです。高価なものでも5000円ほど。年配の方だけでなく若い世代の人もファッションアクセサリーとして気軽に嗜んで、日常的に持ち歩いていただきたいですね」

 ーー最後に棋士にお勧めしたい扇子は?

「棋士が持っているのはだいたい八寸五分から九寸の白扇なのですが、しきたり等がある冠婚葬祭ではなく将棋は対局なので無地である必要はない。色や柄が入ったものでも良いのではないかなと個人的には思います。」

そうかもしれない、皆がカラフルでオリジナリティあふれる扇子を持ち合って指せば、将棋は更に楽しく華やかになると思う! 

『伊場仙』では希望すればオリジナル品は40日、名入れ商品も2週間ほどで作成できる。世界でひとつの扇子を作ってみてはいかがだろうか?

高山こうすけ

ライター高山こうすけ

大の本好きが高じて、アウトドア雑誌からやビジネス情報誌、女性ファッション誌などで執筆中のライター。好奇心を抱くことはライターの基本と、取材・執筆のテーマは日本古来の伝統文化から、AIといった最先端技術まで幅広くカバー。将棋については小学校低学年に父から習い、学校の将棋クラブに在籍経験あり。対局歴は豊富ながら腕前は、からきし弱い。

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