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真部師匠との年齢差10歳、お酒が入ってヒートアップすることも・・・【師匠との思い出・小林宏七段インタビュー vol.2】

真部師匠との年齢差10歳、お酒が入ってヒートアップすることも・・・【師匠との思い出・小林宏七段インタビュー vol.2】

更新: 2017年03月08日

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小林宏七段インタビュー

さほど年齢が離れていない師弟関係だった真部一男九段と小林宏七段ですが、師匠として敬意を払いながらも小林七段にとっては兄貴分みたいな存在でもあったようです。今回は、真部九段の気さくな一面について語っていただきました。

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 ――今回はお2人の師弟関係についていろいろお聞きしたいと思います。小林七段と真部九段の年齢は10歳差ですが、師弟関係としては近い年齢ですね。

「歴代の師弟関係の中でもかなり年が近いでしょう。前回の森下さん(卓九段)とは対照的ですね」

 ――年が近いということで、友達関係のような、というと変ですが、気軽いというか、そういう雰囲気があったのでしょうか。

「四段になってからは、言いたいことをかなりずばずば言いましたね。破門されても仕方がないこともぶつけていました。2人とも酒が好きですから、酒が入るとヒートアップします。師匠から『お前は俺の弟子か』と言われたこともありますね(笑)

 ――印象に残った言葉などはありますか。

「師匠からよく言われたのは『君は物の見方が偏り過ぎる。絶対にこうでなければいけないという思い込みが強過ぎる。ものにはいろいろな見方があるのだから、もっと頭を柔軟に』ということでしたね」

 ――真部九段と小林七段はそれぞれ奨励会幹事の経験がありますが、幹事の仕事について師匠からアドバイスなどは受けましたか。

「仕事の内容というより、心構えとして『将棋界は幹事が一番大事なんだ。理事よりも』とよく言われました。将棋界の将来を背負う少年たちを預かることの重さを言いたかったのでしょう」

 ――真部―小林の公式戦は1局ありますが、実際に盤を挟んでみて、いかがでしたか。

「やはりうれしかったですね。師匠がA級在位中のころで、どれだけ力を入れてくれたかはわかりませんが、当時の師匠に勝てたのはうれしかったです。師匠には研究会でもたくさん教わりました。僕が30歳になってからは1対1の研究会でしたが、それ以前は5~6人の研究会でしたね。当時の若手棋士と話をするのが好きだったんです」

 ――真部九段は多趣味だったとうかがいましたが、師匠から影響を受けて始めたことなどはありますか。

「百人一首は師匠から本を借りて覚えようとしましたけど、それ以外は特にないですね。囲碁やバックギャモンなどは、本当はやらなきゃいけなかったんだろうなとは思います。特に囲碁はよく言われました。師匠は囲碁が大好きで、こちらのプロ棋士にもなりたかったくらいです。『お前は俺の弟子なのになんで打てないのか』とよく言われました。師匠は頭を使うのが好きだったんです。僕は頭を使うのは将棋だけで十分だと思っていましたが、もったいなかったかもしれません。師匠には昔から『将棋を強くなるには将棋以外の世界にもヒントがある、自分の将棋にプラスになる』という考え方があったのではないかと思います」

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真部九段の囲碁の腕前は、将棋界でもトップクラスで、それ以外でも多趣味なことで有名でした。また、端麗な容姿もあいまってテレビなどのマスメディアへの出演も多く、将棋の棋士という存在を広く世に知らしめた先駆け的な存在でもありました。次回は、真部九段の師匠である加藤治郎名誉九段と真部九段の将棋観について話していただきます。

小林宏七段インタビュー

相崎修司

ライター相崎修司

2000年から将棋専門誌・近代将棋の編集業務に従事、07年に独立しフリーライターとなる。2016年現在は竜王戦、王位戦・女流王位戦、叡王戦、女流名人戦で観戦記を執筆。将棋世界などにも寄稿。

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