将棋コラム

将棋棋士の間で、人狼が流行っている?ニコ生でも話題になった、人狼のルールとハマってしまう理由とは?

将棋棋士の間で、人狼が流行っている?ニコ生でも話題になった、人狼のルールとハマってしまう理由とは?

更新: 2017年01月21日

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近年の将棋界でブームとなっているゲームがあります。みなさんは「人狼」をご存知でしょうか? 人狼側と市民側に分かれたプレーヤーが会話をもとに推理やだまし合いを行いながら進行していく頭脳ゲームです。TVやニコニコ生放送でも頻繁に放送されており、世間的にも認知度が上がってきています。そんな人狼に、いま多数の棋士が夢中になっているのです。今回は棋界での人狼ブームのきっかけとなったニコニコ生放送の番組『将棋棋士の人狼』の紹介と、人狼のルールについての簡単な解説をお届けいたします。

これを読めばあなたも今日から人狼を楽しめます!

だまし、だまされる快感? 人狼とは

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まずは人狼について、簡単にご説明します。人狼は多人数で行うゲームでプレーヤー同士の会話と推理によって進行します。将棋などのボードゲームと違い、基本的には盤や駒などの道具を使いません。

プレーヤーはまず、市民側と人狼側に分かれます。ゲームは半日を1ターンとして進行し、昼には会話による推理を行い、全員の投票で人狼と疑わしいプレーヤーをひとり決めて、処刑します。夜には人狼側が市民をひとり襲撃し殺害します。処刑・殺害されたプレーヤーは幽霊となり、以後はゲームに口出しができなくなります。

こうして半日ごとのターンでプレーヤーが減っていき、最終的に人狼を全員処刑できれば市民側の勝ち、生き残った人狼と市民の数が同数になれば人狼側の勝ちとなります。人狼は市民そっくりの見た目をしているので、市民側からはその正体はわかりません。人狼側は誰が人狼かはあらかじめ知っています。それだけだと、人狼側がとても有利に見えますね。そこで市民側には特殊な能力を持ったプレーヤーが存在しています。人狼では主に以下のような『役職』が存在しており、それぞれの役職ごとにできることが決まっています。

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▲市民陣営の役職

・市民(村人):プレーヤーの多数を占めます。特に特殊な能力を持っていません。
・占い師(予言者):夜の間に指定したプレーヤー1名の正体を知ることができます。
・霊媒師(霊能者):前日に処刑されたプレーヤーが人狼か人間かがわかります。
・騎士(狩人):夜の間指定したプレーヤー1名を人狼の襲撃から守ることができます。ただし、自分自身を守ることはできません。

△人狼陣営の役職

・人狼:市民に化けた狼。夜の間に市民1名を選んで襲撃して殺害できます。人狼のプレーヤー同士は誰が人狼かをあらかじめ把握できます。
・狂人(多重人格):正体は人間ですが、人狼側の役職です。嘘をついたり占い師や霊媒師のフリをしたりして、市民側を混乱させます。ただし、狂人と人狼はお互いその正体を知りません。

※人狼はさまざまなローカルルールが存在しているため、役職の呼び方はルールによって変わることがあります。またローカルルールによってはこれ以外にも何種類かの役職が存在していますが、今回はその紹介は割愛します。

ゲーム開始前に、プレーヤーはランダムに役職が割り振られます。誰がどの役職になったかは人狼同士以外には誰も分かりませんので、昼のターンでは占い師や霊媒師が名乗り出て占いや霊媒の結果を全員に話したり、狂人や人狼が市民側を混乱させるために自分こそが本物の占い師や霊媒師であるとかたったりと、さまざまな駆け引きが行われます。だまし、だまされ、矛盾を突き、推理をしながら、それぞれの陣営が勝利を目指すのが人狼の最大の醍醐味です。

そしてそんな人狼を視聴する側も、あらかじめ役職を知った上で観戦する楽しみと、役職を知らないで、自分も推理しながら観戦するという二通りの楽しみ方ができるのです。

プロ棋士の本気、将棋棋士の人狼とは

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将棋ファンにとって、人狼を知るきっかけになった最大のきっかけは、2013年2月18日にニコニコ生放送で、第2回電王戦の関連番組として放送された『将棋棋士の人狼』でしょう。1カ月後の再放送と合わせると約30万人もの視聴者がこの番組を見ており、将棋ファンの間で人狼は一躍有名になったのです。また、その人気ぶりからその後もさまざまな将棋棋士の人狼企画が放送されました。将棋棋士VS囲碁棋士、将棋棋士VS人狼スペシャリスト、将棋棋士VSゲームクリエイターなど、棋士が出演する人狼の番組は多数あり、毎回数多くの視聴者がそのプレイを見守っています。

それではなぜこんなに棋士の人狼が人気なのでしょうか。人狼ではプレーヤーには推理力、直感力、記憶力や、周りのプレーヤーの信頼を勝ち取る説得力、嘘をついても見抜かれないためのポーカーフェイスや勝負度胸などが必要とされます。普段から勝負の世界に身を置いている棋士には、これらの能力に秀でた方が多く、人狼のプレーヤーとしてとても優秀です。

そして、将棋というゲームをとことん極めている棋士はもともとがゲーム好きであり、凝り性な方が多いのも特徴でしょう。第1回の将棋棋士の人狼では、番組終了後、男性棋士の皆さんは居酒屋で朝5時まで人狼の感想戦を行っていたそうです。そうした姿勢で人狼というゲームを極めようとする棋士も多く、その卓越したプレイに観客は称賛の拍手を贈ることになるのです。そのすごさは、一度番組を視聴すればよくわかると思います。 また、将棋ファンの多くは同時に棋士のファンでもあり、棋士が会話による心理戦を繰り広げる人狼を見てその楽しさにすっかりハマってしまったという方がたくさんいらっしゃいます。棋士もハマり、将棋ファンもハマる人狼。こうして将棋界は、いま空前の人狼ブームとなっているのです。

将棋界で一大ブームとなっている人狼について紹介しました。ご紹介したニコニコ生放送の番組は、ニコニコ動画のプレミアム会員であれば現在でもタイムシフト視聴が可能です。ぜひご覧ください。今後もさまざまな番組で棋士が人狼をプレイする機会があるかと思います。村中秀史六段や香川愛生女流三段など、人狼によく出演する棋士のTwitterなどで番組出演の告知されることも多いので、棋士のアカウントをフォローすることをお勧めします。人狼での棋士の活躍にこれからもご注目ください!

◆棋士人狼番組リスト

直江雨続

ライター直江雨続

フォトグラファー/ライター。
2007年ごろよりカメラを片手に将棋イベントに参加してきた『撮る将棋ファン』。
この10年間で撮った棋士の写真は20万枚以上。
将棋を楽しみ、棋士を応援し、将棋ファンの輪を広げることが何よりの喜び。
『将棋対局 ~女流棋士の知と美~』や女子アマ団体戦『ショウギナデシコ』で公式カメラマンを務める。

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