将棋ファン必見アイテム「将棋手帳」。局面図や成績もメモできる便利機能アリ 

将棋ファン必見アイテム「将棋手帳」。局面図や成績もメモできる便利機能アリ 

ライター: 直江雨続  更新: 2017年01月22日

日本将棋連盟の支部会員になると特典としてもれなく送られてくる将棋手帳。将棋会館の売店でも売っているので、存在を知っているという方もいらっしゃるかもしれません。しかし、最近将棋ファンになった方にはそもそも「将棋手帳」なるものがあることをご存知ない方も多いかもしれません。今回は、将棋手帳の秘密に迫ります。

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将棋手帳を手に入れるには?

将棋手帳を手に入れる方法はいくつかあります。いちばんシンプルなのは将棋会館の売店で買うことでしょう。お値段は600円。将棋連盟のネットショップでも購入できます。詳しくは各ショップの商品ページを参照ください。
・日本将棋連盟Yahoo Shop
・日本将棋連盟 Digital Shop

そしてもう一つ、将棋手帳を手に入れる方法としては、日本将棋連盟の支部会員になる、というものがあります。日本将棋連盟の支部は北海道から沖縄までの全国各地、さらには世界各国にも設置されており『将棋を健全に愛好される方ならどなたでも入会』できるのです。
詳しいことはこちらを参照ください。
・日本将棋連盟 支部規定

支部会員になると、毎年12月には支部会員特典として来年分の将棋手帳が送られてきます。支部会員は郵便受けに届いた将棋手帳を見て、年越しが近いことを実感するという、冬の風物詩ともなっています。

将棋手帳の中身拝見

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さて、それでは将棋手帳とはいったいどんな手帳なんでしょうか? 普通の手帳との違いは? 気になる中身をご紹介しましょう。

2017年の将棋手帳を開くと、まずは2017年と2018年の年間カレンダーが見開きで掲載されています。 そして日本将棋連盟創立日が9月8日、将棋の日が11月17日であると大きく記載があります。将棋の日の由来もバッチリ書いていますので、どうして11月17日が将棋の日なのかを理解するにはこのページを見ておけば大丈夫です。

年間カレンダーの次は見開きで1月から翌年3月までの月間カレンダー、そしてその次は見開きで2週間分の予定を書き入れられるスケジュール表となっています。1日に何十件も予定がある人でなければ、コンパクトで使い勝手のいいスケジュール表ですので、主に将棋の予定を記入するなどの用途にぴったりです。さらに30ページ分ほどはメモ帳となっています。このあたりまでは通常の手帳と機能的に違いはありません。

そしてそこからが将棋手帳の本領発揮。まず、将棋の局面を記入できるまっさらな局面図が用意されています。誰かとの対局が指しかけになったときなど、ここにサラッと指しかけの局面図をメモしておけば、いつでも対局を再開できますね。

その次は成績表の欄。何月何日にどんな相手とどの手合いで対局して、結果がどうだったかをメモするための専用のページがあるのです。局面図と合わせて活用したいですね。

そして手帳の後半3分の1ほどは『日本将棋連盟関係のご案内』として、以下のような内容がびっしりと掲載されています。

  • 日本将棋連盟の沿革と概要
  • 日本将棋連盟の事業案内
  • 将棋用具・記念品、将棋会館・貸室のご案内
  • 日本将棋連盟支部規定(抜粋)
  • 日本将棋連盟支部名簿
  • 日本将棋連盟支部連合会名簿
  • 日本将棋連盟公認『将棋普及指導員』のご案内
  • 主要アマ棋戦の記録
  • プロ棋戦の記録
  • 歴代名人・永世称号・贈位・将棋栄誉賞受賞者
  • 棋士系統図
  • 棋士名簿<現役>
  • 棋士名簿<引退>
  • 棋士名簿<女流>
  • 指導棋士名簿
  • 将棋のおもな規約

この将棋連盟に関する情報量の多さこそが、将棋手帳の将棋手帳たる理由なのです。

将棋手帳の有効活用方法

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さて、最近は将棋界の七大タイトルの歴代タイトルホルダーや、アマチュア棋戦の優勝者などはインターネットで検索することでいつでも調べたい情報が手に入るようになりました。

しかし、将棋手帳の『プロ棋戦の記録』ページには歴代タイトルホルダーと挑戦者、その時の番勝負の成績が一覧で掲載されており、そのページをめくっていくだけでも楽しいものです。つまり、調べたい情報だけでなく、付随するさまざまな情報やタイトルホルダーの変遷する流れのようなものも自然と頭に入ってくるのです。

例えばですが、将棋好きの友達と話していて「加藤一二三九段が王位を取ったのって何年だったっけ?」なんて疑問が出てきた時に、すかさず将棋手帳で調べれば、ネットで検索するよりも早く疑問が解決するかもしれません。さらにその隣のページを見ると名人戦の記録も載っているので、「加藤名人誕生の2年後に加藤王位だったんだ」というようなプラスアルファの情報も分かるので、将棋トークが盛り上がること請け合いです。

また『主要アマ棋戦の記録』ページには現在活躍中のアマ強豪のお名前のほか、現在プロ棋士になった人の名前も載っていますので、それを見つける楽しみがあります。ファンならきっと『小学生将棋名人戦』のページに羽生善治の名前を探したくなるでしょう。

そして将棋手帳で一番の見どころといえば、『棋士系統図』です。棋士には必ず師弟関係があり、どの棋士にも師匠がいます。そんな師弟関係の系統図が将棋手帳には必ず載っています。これをじっくりと眺めていると、意外な棋士と棋士が同門だったことに気付いたり、伯父弟子、甥弟子、孫弟子といった関係性も見えてきます。歴史好きにとって王朝の系図を見るような感覚といえば良いのでしょうか、棋士系統図は見ていて飽きない貴重な資料なのです。

系統図の次には棋士名簿も載っていますので、段位ごとに全棋士の名前と出身地を一覧で見ることができます。棋士の出身地や段位を忘れてしまった時などにすかさずチェックできますよ。そして最後には『将棋の主な規約』が明記されています。一番重宝するのは段級差と『駒割り』の表ですね。対局の時に「何級差があったときに二枚落ちになるんだっけ?」という疑問はよく出てきますが、これを見ておけば安心です。

将棋手帳についてご紹介しました。将棋好きなら常にカバンに入れて持ち歩いておきたい必携アイテムです。ぜひ入手してご活用ください!

直江雨続

ライター直江雨続

フォトグラファー/ライター。
2007年ごろよりカメラを片手に将棋イベントに参加してきた『撮る将棋ファン』。
この10年間で撮った棋士の写真は20万枚以上。
将棋を楽しみ、棋士を応援し、将棋ファンの輪を広げることが何よりの喜び。
『将棋対局 ~女流棋士の知と美~』や女子アマ団体戦『ショウギナデシコ』で公式カメラマンを務める。

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