将棋コラム

電王戦第2局こぼれ話。プロ棋士対コンピュータソフトの最終対決で起こったドラマとは?

電王戦第2局こぼれ話。プロ棋士対コンピュータソフトの最終対決で起こったドラマとは?

更新: 2017年06月11日

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佐藤天彦名人とコンピュータソフトPONANZA(開発者:山本一成さん、下山晃さん)の間で争われた第2期電王戦二番勝負。第2局は兵庫県姫路市にある「姫路城」で行われました。

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姫路城は日本で初めて世界文化遺産に登録された建造物で、2009年から約5年間、「平成の大修理」と呼ばれる大天守の保全修理が行われていました。今はその工事も終わり、白く美しい姿を鑑賞することができます。対局当日は晴天で、土曜ということもあり、現地には日本人だけでなく海外の観光客もたくさん訪れていました。

今回の対局場となった部屋は、姫路城内の「リの一渡櫓」。前日には検分が行われ、佐藤名人や山本さんのインタビューほか、各出演棋士たちが打ち合わせを行っていました。その中でも特に存在感が際立っていたのは現地大盤解説を担当した福崎文吾九段。関西ではマイペースなトークでお馴染みの明るい先生ですが、ニコニコ生放送で初めてご覧になった方もその雰囲気は伝わったと思います。写真は前日打ち合わせのあと、斎藤慎太郎七段と永瀬拓矢六段を捕まえて「ちょっとツーショット写真撮らせて」と携帯を構えている1枚。その後の夕食会も楽しく盛り上げてくださり、翌日に対局を控える佐藤名人も終始リラックスした様子でした。

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対局当日の控室には、コンピュータソフトに詳しい千田翔太六段や名人戦で挑戦中の稲葉陽八段、そして東京から遠山雄亮五段も来訪していました。対局の進行を継ぎ盤で並べつつ、その横でパソコンを広げて評価値を検討するのも、電王戦独特の光景と言えます。

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今回、戦前から「厳しい戦いになる」と話していた佐藤名人でしたが、結果はPONANZAが勝って2連勝。PONANZAは第2回電王戦から数えてプロ棋士相手に7連勝という圧倒的な強さを見せつけ、有終の美を飾りました。

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今期で電王戦は終了し、プロ棋士対コンピュータソフトの対決はひと区切りとなります。5年前に行われた第1回電王戦▲ボンクラーズ-△(故)米長邦雄永世棋聖戦は、米長永世棋聖の「2手目△6二玉」が話題になりましたが、本局は佐藤名人の初手▲2六歩に対し、PONANZAの2手目は△4二玉。指し手は異なりますが、同じ玉上がりで最後を締めくくったところに何かドラマを感じます。

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第1期叡王戦から、この棋戦の出場に意欲を燃やしていた千田六段は「電王戦は出たかったですね」と残念がるコメントを述べました。いずれまた別の形でプロ棋士とコンピュータソフトが相まみえる機会を期待したいところです。

※写真撮影:夏芽

夏芽

ライター夏芽

2011年から関西を拠点にインターネット中継記者として活動。将棋は指すより見て楽しむタイプ。暇さえあれば書店の将棋コーナーに足を運んでいます。

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