ライターAbemaTV将棋チャンネル編集局

「ゴキゲン中飛車は予想外でした‥‥」藤井四段VS永瀬六段、AbemaTV七番勝負第2局ふり返り(両者コメントあり)
ライター: AbemaTV将棋チャンネル編集局 更新: 2017年04月09日
藤井聡太「炎の七番勝負」、第1局では関東の天才・新人王の増田康宏四段を藤井が鮮烈な端玉のしのぎで破った。
第2局の相手は永瀬拓矢六段。2012年に新人王に輝いている強敵だ。第87期棋聖戦では羽生善治棋聖に挑戦し土俵際まで羽生を追い詰めるも2勝3敗で惜敗したことも記憶に新しい。将棋に対して真摯な姿勢を崩さずない努力家で、「鬼軍曹」という異名で呼ばれることもある。初戦で増田四段に勝ち、勢いに乗る新鋭藤井に「鬼軍曹」として立ちはだかるだろうか。
「永瀬さんは居飛車党で深い読みに特徴があるという印象を持っていました」という藤井。永瀬は「藤井さんのデーターが手に入らなかったのでこちらの土俵で戦える戦型を選びました」と、後手番でゴキゲン中飛車を採用した。「ゴキゲン中飛車は予想外でした」と藤井は言う。
予想外の戦型に藤井が序盤から時間を使わせられることになった。永瀬がまだ3分しか消費していないところで、藤井は1時間の持ち時間の半分を消費する展開。永瀬の戦型選択が当たった格好である。
先手が成銀を引き付ける格好となり「指せそうかなと思ってました」という藤井だが、図から次の一手が問題だった。
【図は52手目△3四歩まで】
図から▲3六成銀△2八飛▲3九金△2七飛成▲3七飛!△2三竜▲2五歩△4四角▲2七飛と進んだ。
「▲3六成銀と寄った手が良くなく△2八飛と打たれて自信のない展開になってしまいました。図では▲2七成銀と引いて歩得を主張する展開にしなければいけなかったです」と藤井は成銀寄りを悔やんだ。
本譜は▲3七飛!と合わせる勝負手から後手の竜を抑え込む狙いで、難しい中盤となったが、永瀬が押さえ込みをうまくかいくぐり114手で藤井を投了に追い込んだ。
永瀬が先輩棋士の貫禄を示した一局となり、炎の七番勝負はこれで1勝1敗。
残り5局も目が離せないところである。
【第2局の全棋譜はこちら】
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藤井聡太四段 炎の七番勝負
