中学生棋士・藤井聡太四段、羽生善治三冠に挑む。AbemaTV七番勝負第7局ふり返り(藤井四段コメントあり)

中学生棋士・藤井聡太四段、羽生善治三冠に挑む。AbemaTV七番勝負第7局ふり返り(藤井四段コメントあり)

ライター: AbemaTV将棋チャンネル編集局  更新: 2017年04月24日

炎の七番勝負もいよいよ最終局。将棋界の絶対王者とも言える羽生善治三冠が最後の対戦相手だ。羽生は15歳3カ月でプロデビュー。19歳で初タイトルの竜王位を獲得し、25歳の時に前人未踏の七冠制覇の偉業を達成。100の大台も目前となっているタイトル獲得数97はもちろん史上第1位の記録である。自分と同じく中学生棋士となった藤井の現在の気持ちは、羽生自身が一番わかっているかもしれない。

炎の七番勝負の最終局、まさに「ラスボス」とでも呼びたくなる羽生に対し、14歳の天才少年・藤井がどういう戦いを見せるのか。

注目の大一番は両者の得意戦法とも言える角換わりに進み、現代角換わりの課題局面ともなっている▲4五桂ポン早仕掛けに進んだ。

「この形は先手が指せるという印象を持っていたので、羽生三冠がそう進められたのはちょっと意外でした」と藤井は言う。

図は63手目。藤井が▲7七歩と打って自玉付近の傷を消したところだが、この手はあまり良くなかったという。

【図は63手目▲7七歩まで】

「図から△3四歩▲2五金△6五歩▲5五銀左△6四桂と進められていたら大変だったように思います。対局中は△6四桂が見えておらず、▲5五銀左に△同銀▲同銀△6三桂▲6四銀打という順を本線で考えていました」と藤井は振り返る。

本譜は図から△8三飛だったので藤井は事なきを得、▲4五歩と突いて先手の攻めが続く形となり、111手で藤井四段が羽生三冠を投了に追い込んだ。

なんとなんと14歳の藤井は絶対王者の羽生も破ってしまった。

炎の七番勝負は猛者ぞろいの相手に対し、藤井が6勝1敗という堂々たる勝ちっぷりで幕を閉じた。シリーズ開始前に藤井の師匠・杉本昌隆七段が「藤井が7戦全勝しても私は驚きません」と言っていたが、その言葉を裏切らない大型新人が登場してきたことを証明した格好だ。藤井がタイトル戦のひのき舞台に立つ日もそう遠くないのではないだろう。

【第7局の全棋譜はこちら】

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藤井聡太四段 炎の七番勝負

AbemaTV将棋チャンネル編集局

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