将棋コラム

「△5八飛成」が相手の攻めをしばる好手。藤井四段VS深浦九段、AbemaTV七番勝負第5局ふり返り(藤井四段コメントあり)

「△5八飛成」が相手の攻めをしばる好手。藤井四段VS深浦九段、AbemaTV七番勝負第5局ふり返り(藤井四段コメントあり)

更新: 2017年04月22日

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藤井聡太四段 炎の七番勝負

次代を担うであろう新鋭若手棋士との対戦が組まれていた「藤井聡太、炎の七番勝負」前半戦。藤井は第2局で永瀬拓矢六段に敗れたものの、増田康宏四段、斎藤慎太郎六段、中村太地六段という錚々たる相手を破って前半戦を3勝1敗で折り返した。

14歳2カ月という最年少プロデビュー記録を塗り替えた少年はやはり天才なのだ、と改めて感じさせられる結果である。

後半戦からはいよいよA級棋士の登場だ。それも並みのA級棋士ではなく、タイトル戦の常連というまさに棋界のトップクラス棋士が相手である。

第5局目の相手は深浦康市九段。19歳でプロデビューし、その直後から頭角を現した棋士である。デビュー2年目には全棋士参加の全日本プロ将棋トーナメントで優勝。その後も、早指し新鋭戦、早指し選手権で優勝。タイトル戦登場8回、タイトル獲得は王位3期、一般棋戦優勝9回という実績が、深浦の並外れた実力を証明している。

第4局まで振り駒ですべて先手を引き当てていた藤井だが、本局は歩が多く出て深浦が先手、藤井が後手と決まった。戦型は相矢倉の森下システム。深浦がプロデビューした当時に盛んに指されていた流行形で、藤井が生まれたころにはあまり指されなくなっていた形である。

先手の深浦が先攻し、後手の藤井が応戦しながら反撃。「ここまで形勢は二転三転していたと思います」と藤井が言う激しい中盤戦から、難解な終盤戦に入って迎えた図は109手目の局面。

【図は109手目▲1六角まで】

▲1六角と攻防に角を放たれたところで、双方の玉が危ない格好だ。この局面で「△5八飛成▲5九歩△6九竜▲1一香成△2五歩と落ち着いて指せたのが勝因になったように思います」と藤井は言う。以下▲同金△同金▲同角△6六金▲同角△7八竜▲同玉△6八桂左成と進んで122手で藤井の勝ちとなった。

図では▲3四角と切ってくる筋が怖いところだが、△5八飛成がその筋を防いだ好手。角を入手すると先手玉に△7八竜▲同玉△6八金▲7七玉△6七金打▲7六玉△8四桂▲8五玉△9六桂▲7六玉△9四角までの詰みが生じる。△5八飛成は、先手から攻めてもらって駒をもらうと、その瞬間に先手玉が詰んでしまう格好にして、先手からの駒を渡す攻めをしばっているわけである。

「最後に冷静になれたのが良かったです」と藤井。ギリギリの終盤戦を制してA級棋士の深浦に競り勝った。藤井は第5局で4勝目を挙げ、炎の七番勝負勝ち越しを早くも決めた。なんとも恐るべし14歳である。

【第5局の全棋譜はこちら】

AbemaTV将棋チャンネルの視聴はこちら

藤井聡太四段 炎の七番勝負

AbemaTV将棋チャンネル編集局

ライターAbemaTV将棋チャンネル編集局

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