王座戦第3局中継こぼれ話。タイトル戦はたくさんの人に支えられていた!

王座戦第3局中継こぼれ話。タイトル戦はたくさんの人に支えられていた!

ライター: 宮本橘  更新: 2016年10月20日

山形県上山市のかみのやま温泉「葉山館」で行われた第64期王座戦五番勝負第3局の中継に行ってきました。結果は既報の通り、羽生王座が万全の勝利で3連勝防衛を果たし、5期連続、通算24期目の王座を獲得しています。

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写真はかみのやま温泉の案内板。葉山館はかみのやま温泉の湯本で、中心部に位置しています。歩いて行ける範囲に、足湯やしゃれた雑貨店などがあります。

ところで、今回のように3連勝で決着した場合、第4局や第5局はなくなってしまいますね。対局会場に予定されていたホテルや旅館では、いろいろと準備を整えていたのが無駄になってしまうわけです。

主催者の側でもそこが悩みの種で、対局がなくなってしまった場合は、翌年以降に必ず対局がある第3局までの予定地にするなどの配慮をしています。

しかし、そうした配慮があったとしても、あるかないかわからない対局会場を引き受けてくれる宿は、そう多くはありません。

今期の王座戦では、第4局が新潟県南魚沼市の「龍言」、第5局が山梨県甲府市の「常磐ホテル」で予定されていましたが、どちらもタイトル戦の常宿で、全幅の信頼がおける宿です。そして、シリーズ後半の「ないかもしれない」対局予定を引き受けてくれる宿でもあります。

このように「対局がなかったとしても構わない」と手を挙げてくれるホテルや旅館の協力があって、タイトル戦は成り立っているわけです。将棋界にとっては宝物のような宿ですね。

さて、最後にこぼれ写真を2点ほど。

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こちらは葉山館の夕食で供されたすき焼き鍋。名高い米沢牛に、大きなマツタケ入りの豪華版を堪能しました。

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こちらは午前中の控室の様子。立会人の飯塚祐紀七段と、新聞解説の鈴木大介八段、聞き手の香川愛生女流三段が並んで詰将棋の早解き競争をしていました。中継コメントにも書きましたが、1問目は飯塚七段が圧勝。2問目以降は鈴木八段が「口撃」で笑わせるという奥の手を出して、激戦になっていました。

それではまた。

宮本橘

ライター宮本橘

1990年から印刷プロダクションでライター兼デザイナーに従事。2009年に独立してフリーライターとなる。2010年、日本将棋連盟のネット中継記者(ペンネームは八雲)を担当。2016年より棋王戦の新聞観戦記を執筆。ほか、マイナビニュースで電王戦関連の記事を執筆

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