チーム中部、藤井聡太竜王・名人の驚がく"5人抜き"でチーム関西Bを圧倒杉本昌隆監督は愛弟子の大活躍に感謝「素晴らしかった」

ライター： AbemaTV将棋チャンネル編集局　　更新： 2024年02月05日

　日本全国を8つのブロックに分けた団体戦で行われる「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治」予選Bリーグ1回戦・第1試合、中部対関西Bが2月3日に放送された。チーム中部注目の藤井聡太竜王・名人（王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖、21）は、第2局から登場するやいなや怒涛の5連投5連勝と勝ち抜き戦のルールをフル活用してスピード決着。関西Bの強豪を次々と打ち破り5勝1敗で1回戦突破に大貢献した。

【映像】杉本監督の言葉に対する藤井竜王・名人の表情（6分10秒頃～）

　「天下布武！将棋の駒を持って日本一を目指す！」のスローガンの元、チーム中部は藤井竜王・名人と豊島将之九段（33）と令和のタイトル戦線をリードする二大看板の存在感が光る。監督の杉本昌隆八段（55）は、初戦の先発オーダーを服部慎一郎六段（24）、藤井竜王・名人、八代弥七段（29）に。豊島九段を温存し、抜群の安定感を誇る関西Bとの第1試合へと向かった。

　先陣を切った服部六段と言えば、公式戦での活躍はもちろん、第5回ABEMAトーナメントでチーム稲葉の一員として優勝を経験。チームの勝ち頭としての活躍から一気にその知名度を上げた。本局でも流れを引き寄せるべくリードオフマンとしての役割を任せられたが、古森悠太五段（28）との対抗形の将棋で力を出し切ることができずに敗戦。チームは黒星発進となった。

　続く第2局には、早くも藤井竜王・名人が登場。連投した古森五段得意の三間飛車の出だしから強気の攻めを繰り出し八冠王を圧倒したものの、藤井竜王・名人が圧巻の追い上げ力を発揮して粘り勝ち。すぐに星を取り戻してみせた。第3局は藤井竜王・名人VSタイトル経験者の斎藤慎太郎八段（30）の対戦に。斎藤八段が工夫を見せ力戦形へと発展した。トップ棋士が激突とあり、構想力が問われる難局は藤井竜王・名人が辛抱を実らせ勝利。「食いついていくことができた」とホッとした表情を見せた。

　藤井竜王・名人の連投は続き、第4局へ。大石直嗣七段（34）との対戦前には「そろそろ疲れてきました（笑）」と苦笑いを浮かべていたが、対局が始まれば一気に集中モードに。矢倉模様の一局は大石七段のペースで進められたものの、藤井竜王・名人が終盤で逆転。「読み切るのが難しい終盤戦でしたが、こちらに幸いした」と熱戦を制した。チーム中部の3勝1敗で迎えた第5局は、プロ入り同期の大橋貴洸七段（31）との対戦に。公式戦では藤井竜王・名人が2勝4敗と負け越しているライバルとあり、互いに意地がぶつかり合う熱戦となった。両者得意の角換わり戦となったが、藤井竜王・名人が「わからないなりに踏み込んで行ったのが勝ちにつながった」と判断力を武器に白星を手にした。

　さすがの藤井竜王・名人とはいえ、疲労が滲む。それでもチームの勝利のために向かった第6局では、再び斎藤八段との対戦となった。ここでも斎藤八段が序盤で工夫を見せたが、藤井竜王・名人が冷静さが際立つ一局に。「受けに回って、最後チャンスがつかめた。難しい将棋だった」と振り返ったが、指せば指すほどに調子を上げ全5局でその強さを見せつける結果となった。

　これまでもチーム関東Aの羽生善治九段（53）の4連勝、チーム中国・四国の菅井竜也八段（31）の3連勝と各チームで支柱となる活躍が見られたが、藤井竜王・名人が5連勝と上回る結果に。チーム監督を務める杉本八段は「藤井竜王・名人が素晴らしかった。だんだん内容が良くなっていくので、見ていて本当に安心できた」とホクホク顔。「今回は戦ったのが服部六段と藤井竜王・名人ということで、私たち（杉本八段、豊島九段、八代七段）3人はおやつを食べていただけでした」と"オチ"も完璧だった。

　藤井竜王・名人の快進撃が続くのか、本局で出場の機会が無かったチームメイトの躍進が見られるのか。優勝候補筆頭のチーム中部の今後の戦いぶりからますます目が離せない。
（ABEMA／将棋チャンネルより）

元記事URL
https://times.abema.tv/articles/-/10112952

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