加藤一二三九段や香川愛生女流三段も参加!将棋ウォーズ棋神戦とはどんなイベント?

加藤一二三九段や香川愛生女流三段も参加!将棋ウォーズ棋神戦とはどんなイベント?

ライター: 将棋ウォーズ編集局  更新: 2019年04月19日

「レオス・キャピタルワークス杯第7期将棋ウォーズ棋神戦」が3月17日、六本木・テレビ朝日にて開催されました。 会員数500万人・日々25万局以上が対戦されている日本最大級の将棋のゲームアプリ「将棋ウォーズ」。その「将棋ウォーズ」を使用してアマチュア将棋界に定着しつつあるアマチュアNo.1を決める戦いを加藤一二三九段、香川愛生女流三段、根岸愛、鎌田菜月(SKE48)、岡本信彦、加藤歩(ザブングル)、電脳少女シロ、進行・美馬怜子の豪華ゲスト陣で大会を盛り上げました。

美馬怜子さんは先日妊娠を発表されて今日が出産前最後の仕事となり、出演者からも祝福を受けていました。

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芸能人と棋士の将棋対決・エキシビションマッチ

番組では大会を盛り上げるエキシビションマッチを開催。

まず第1試合は香川女流三段への挑戦権を掛けた対決として岡本信彦さん、ザブングル加藤歩さんが登場。 どちらも将棋への情熱・棋力共に芸能界でもトップクラス、加藤さんが笑いを一切取らない真剣勝負となりました。

エキシビションマッチ 第1試合

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対局は相振り飛車からお互いノーガードでの打ち合いとなりましたが、やや不利な局面で加藤さんが棋神を降臨させると△3一香と着手。龍の横利きを止めながら先手陣に迫る勝負手でした。ここから生まれた岡本さんの一瞬のスキを逃さずに加藤さんが一気に押し切り勝利。香川女流三段への挑戦権を獲得しました。

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多数の女性岡本ファンの前で勝利の雄叫び

エキシビションマッチ 第2試合

続いて第2試合ではコンビを組んで1手交代で指すペア将棋対決。

登場したのは鎌田さん&加藤九段ペアと根岸さん&香川女流三段ペア。加藤鎌田ペアは前回に引き続いてのタッグ、根岸さんと香川さんはプライベートでも交流がありチームワークはどちらのペアもバッチリです。

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戦型はそれぞれのペアの棋風通りの対抗形で進行、プロがエスコートして穏やかな序盤戦を迎えていましたが、波乱の一手を鎌田さんが指してしまいます。

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慌てて口に手をあてる加藤九段

銀が▲3七銀から▲2六銀に上がったことでこの瞬間形勢バーが後手勝勢の真っ青に。スタジオが騒然となりましたが根岸さんが大人の(?)スルーで事なきを得ました。

その後の対局は一進一退の攻防が続きましたが、根岸さんのセンスある指し回しが光って香川・根岸ペアの勝利となりました。

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鎌田さんは次の対局でのリベンジを誓った

賞金総額123万円!アマチュアの頂点に立つのは!?

エキシビションマッチが終了し、ここからは将棋ウォーズNo1を決める戦いです。6877人が参加した予選を勝ち抜き、選ばれし4名がこの舞台に勝ち上がってきました。

準決勝第1局

まず準決勝第1局目は棋神戦過去2回優勝の超強豪中川慧悟さんと、HEROZ社長の林隆弘さんの1局。実力は知られるところでしたが運営側からまさかのベスト4進出。

忖度なし、将棋はガチンコ勝負なのです。

3手目に中川さんが1分の長考をして戦型は相矢倉に。この1分を惜しみなく使えるのが読みの速さの表れです。

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ハイライトは△6五桂から△5七桂不成とタダ捨てをした局面。一見タダのようですが、1五角を飛車で取る狙いのある鋭い一手でした。

終盤は中川さんが猛追しましたが序盤のリードが大きく林さんが勝利しました。

※対局棋譜を見たい方はこちら

準決勝第2局

準決勝第2局は準アマ名人小林知直さんと銀河戦で7連勝の活躍が記憶に新しい折田翔吾さんが激突。

小林さんの十八番レグスペに対して折田さんが現代調の構えで対抗。これが絶品の対策でした。

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盤面全体の位を取って制圧し先手から仕掛けのスキを与えません。

図の局面では駒の損得はありませんが、相手の飛車を閉じ込めて穴熊に3枚の垂れ歩を垂らして優勢を築きました。以下も小林さんに実力を出させず制勝となりました。

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※棋譜はこちら

決勝戦の対戦カードも決まり再びエキシビションマッチに移ります。

エキシビションマッチ 第3試合

第3試合は先ほど見事な勝利を収めた加藤さんと香川女流三段の対局です。

この対局ではハンデとして加藤さんに1個棋神を使う権利が与えられました。

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両者気合十分

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対局は加藤さん得意の四間飛車を香川女流三段が受けて立ち、加藤さんが▲5一角と馬作りの両取りを掛けた局面。一見困っているようですが、次の△8四角が覚えておきたい絶好手でした。

仕方のない▲2四角成に△6五桂と跳ねると後手の角が5一まで利きが通って先手は次に馬が取られてしまうのが防げません。

お手本とも言えるプロの芸を見せた香川女流三段が強さを見せつけました。

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▲6六銀には△2三金で馬が捕まる鋭い狙い

※棋譜はこちら

エキシビションマッチ 第4試合

続いて第4試合は本日最も注目の一局、電脳少女シロちゃん対加藤九段の対局です!シロちゃんはこの対局に備えて加藤九段得意の「棒銀」の対策をしてきたとのこと。棋神戦史上初のバーチャルユーチューバーとの一局に注目が集まります。シロちゃんにはハンデとして棋神降臨3回を使うことができます。

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対局は予想通り加藤九段の居飛車対シロちゃんの四間飛車で展開、シロちゃんが勉強を活かした序盤戦を進めます。

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シロちゃんはこの局面で棋神を降臨。すると棋神は△3一角という驚愕の受けを着手。香川女流三段に「加藤先生ほどの対局数でもこの受けは初めて見たのでは」と語るAIらしい受け方でシロちゃんを後押しします。

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その後シロちゃんに錯覚があり最後は大差となりましたが序盤の指し手はこの対局への準備を伺い知るには十分な内容でした。

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対局後にシロちゃんに優しく語りかける加藤九段。©Siro Channel

※棋譜はこちら

決勝戦

エキシビションマッチも終わりいよいよ棋神戦の決勝戦です。

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折田さんと林さんの決勝戦は後手の雁木囲いに先手が急戦を仕掛けるプロでも流行の戦形になりました。図は折田さんが▲6五歩と突いた局面で、△同銀に▲5五角が非常に厳しい狙いです。実戦は△2三歩と辛抱しましたが、▲3三銀成、△同角、▲6四歩と進んで先手が桂得となり優位に立ちました。

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しかしここから林さんが不屈の粘りで形勢を混沌とさせていきます。

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折田さんが▲9五角と飛び出した局面。後手が平凡に受けるなら△6三金ですが、▲5四銀の鬼手があり、△同金に▲7三角成で王手飛車が掛かり一気の寄せが決まります。

ここで△8四銀と受けたのが一見指しづらい好手でした。▲7七角に△6五桂▲6六角△7三銀と立て直し、銀を手放したものの急所に△6五桂が残り先手を楽にさせません。

一進一退の攻防は終盤まで続き、最後は折田さんが残り時間1秒で詰ませて勝利。最後の最後までどちらが勝っても不思議の無い大熱戦でした。

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是非この対局の内容は棋譜をご覧ください!

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レオス・キャピタルワークス藤野社長より優勝賞金の授与


まだ将棋ウォーズを遊んだことがない方はこちらからプレイ可能です!

次回、夏に予定している第8期棋神戦で皆様またお会いしましょう!

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将棋ウォーズ編集局

ライター将棋ウォーズ編集局

将棋ウォーズは最強AI・Ponanzaを搭載した利用者360万人の世界最大の将棋対局アプリです。アマチュアNo1を決める大会「棋神戦」などリアルと連動した大会も開催しています。

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