羽生、広瀬、豊島、混戦の名人挑戦権争い 一つ抜け出たのは? 藤井聡太七段が10連勝、勝率0.860をマーク。【今週の注目対局結果】
更新:2019年02月02日 09:00
1月26日(土)~2月1日(金)に行われた注目対局の結果をご紹介します。
豊島将之二冠、羽生善治九段、広瀬章人竜王が6勝1敗で並んで迎えたA級順位戦では、豊島二冠が7勝1敗で三つ巴の激戦から一つ抜け出しました。羽生九段、広瀬竜王が6勝2敗で続いており、最終局で豊島二冠が勝利すれば8勝1敗で名人挑戦が決定、豊島二冠が敗れた場合は羽生九段VS広瀬竜王の勝者と7勝2敗同士のプレーオフとなります。
棋王戦予選では、藤井聡太七段が中村亮介六段を破り10連勝。今年度成績を37勝6敗(0.860)とし、中原誠十六世名人が達成した歴代最高勝率47勝8敗(0.855)をわずかに上回る好成績をマークしています。
※段位・成績は対局当時のもの
第77期順位戦
【A級 8回戦】豊島が7勝1敗で首位に、羽生、広瀬が6勝2敗で追いかける
第77期A級順位戦で、5対局が1月31日(木)に行われました。
リーグ成績は以下のとおりです。
[A級成績]( )内は順位
【7勝1敗】豊島将之二冠(6)
【6勝2敗】羽生善治九段(1)、広瀬章人竜王(3)
【5勝3敗】糸谷哲郎八段(9)
【4勝4敗】佐藤康光九段(4)、久保利明王将(5)
【3勝5敗】稲葉陽八段(2)、三浦弘行九段(8)
【2勝6敗】深浦康市九段
【0勝8敗】阿久津主税八段
名人挑戦権争いは羽生九段、広瀬竜王、豊島二冠に絞られており、挑戦権を獲得する条件は以下のとおりです。
パターン | 9回戦の結果 | 名人挑戦 |
---|---|---|
A | ●久保王将(4勝5敗)VS ○豊島二冠(8勝1敗) | 豊島二冠 |
B | ○羽生九段(7勝2敗)VS ●広瀬竜王(6勝3敗) ○久保王将(5勝4敗)VS ●豊島二冠(7勝2敗) |
羽生九段VS豊島二冠のプレーオフ |
C | ●羽生九段(6勝3敗)VS ○広瀬竜王(7勝2敗) ○久保王将(5勝4敗)VS ●豊島二冠(7勝2敗) |
広瀬竜王VS豊島二冠のプレーオフ |
これまでの成績の詳細は、以下の対戦表をご覧ください。
第77期名人戦・順位戦A級 対戦表
写真左:羽生善治九段/写真右:豊島将之二冠[名人戦棋譜速報より]
写真左:広瀬章人竜王/写真右:深浦康市九段[名人戦棋譜速報より]
【B級2組】飯島栄治七段が中村太地七段に勝ち1勝7敗に
●中村太地七段-○飯島栄治七段
第77期B級2組順位戦で、中村太地七段VS飯島栄治七段の対局が1月31日に行われ、飯島七段が105手で中村七段に勝ち、1勝7敗としました。
飯島七段は第59期より本棋戦に参加しており、本棋戦の通算成績は121勝69敗(0.637)です。
次戦は、飯島七段は佐々木慎六段と、中村七段は飯塚祐紀七段と対局します。
上位のリーグ成績は以下のとおりです。
[B級2組成績]( )内は順位
【8勝0敗】永瀬拓矢七段(21)
【7勝1敗】千田翔太六段(20)
【6勝2敗】横山泰明六段(3)、中村太地七段(6)、窪田義行七段(10)、大石直嗣七段(17)
これまでの成績の詳細は、以下の対戦表をご覧ください。
第77期名人戦・順位戦B級2組 対戦表
写真左:中村太地七段/写真右:飯島栄治七段[名人戦棋譜速報より]
【C級2組 10回戦】及川拓馬六段が全勝で昇級を決める
第77期C級2組順位戦で、10回戦の10対局が2月1日(金)に行われました。
上位のリーグ成績は以下のとおりです。
[C級2組成績]( )内は順位
【9勝0敗】及川拓馬六段(25)
【8勝1敗】佐藤和俊六段(14)
【8勝2敗】西田拓也四段(12)
【7勝2敗】石井健太郎五段(2)、佐々木大地四段(6)、高見泰地叡王(13)、三枚堂達也六段(20)
及川六段は9戦全勝でC級1組への昇級を決めました。
これまでの成績の詳細は、以下の対戦表をご覧ください。
第77期名人戦・順位戦C級2組 対戦表
写真左:中田功八段/写真右:及川拓馬六段[名人戦棋譜速報より]
第4期叡王戦
【本戦トーナメント】永瀬拓矢七段が郷田真隆九段を破り挑戦者決定三番勝負進出を決める
●郷田真隆九段-○永瀬拓矢七段
現在進行中の第4期叡王戦本戦トーナメント、郷田真隆九段VS永瀬拓矢七段の対局が1月28日に行われ、永瀬七段が96手で郷田九段を破り、勝ち進みました。
永瀬七段は第1期より参加しており、本棋戦の通算成績は13勝3敗(0.813)、今回初の本戦出場です。
次戦は、渡辺明棋王VS菅井竜也七段 戦の勝者と挑戦者決定三番勝負を戦います。
【本戦トーナメント】菅井竜也七段が渡辺明棋王を破り、叡王戦挑戦者決定三番勝負進出を決める
●渡辺明棋王-○菅井竜也七段
現在進行中の第4期叡王戦本戦トーナメント準決勝、渡辺明棋王VS菅井竜也七段の対局が1月29日に行われ、菅井七段が69手で渡辺棋王を破り、勝ち進みました。
菅井七段は第1期より参加しており、本棋戦の通算成績は8勝3敗(0.727)です。
次戦は、永瀬拓矢七段 と挑戦者決定三番勝負を戦います。
第45期棋王戦
【予選】藤井聡太七段が中村亮介六段を破り10連勝
○藤井聡太七段-●中村亮介六段
第45期棋王戦予選、藤井聡太七段VS中村亮介六段の対局が1月30日に行われ、藤井七段が82手で中村六段を破り、勝ち進みました。
この対局に勝ち、藤井七段は10連勝、今年度成績を37勝6敗(0.860)としました。
藤井七段は第43期より本棋戦に参加しており、本棋戦の通算成績は10勝2敗(0.833)です。
第68期王将戦
【七番勝負第2局】渡辺明棋王が久保利明王将を破り2連勝
●久保利明王将-○渡辺明棋王
久保利明王将に渡辺明棋王が挑戦する第68期王将戦七番勝負の第2局が1月26・27日(土・日)に大阪府高槻市「山水館」で行われ、渡辺棋王が久保王将を126手で破り2連勝となりました。
渡辺棋王は、この王将戦を制すると5期ぶりに復位、通算3期目の王将獲得となります。
第3局は2月6・7日(水・木)に栃木県大田原市「ホテル花月」で行われます。
第12回朝日杯将棋オープン戦
【本戦トーナメント】千田翔太六段が勝ち進む
●羽生善治九段-○千田翔太六段
○千田翔太六段-●渡辺大夢五段
第12回朝日杯将棋オープン戦 本戦トーナメントで、羽生善治九段VS千田翔太六段の対局が1月28日に行われ、千田六段が116手で羽生九段に勝ちました。
千田六段は同日に渡辺大夢五段と対局し、108手で渡辺五段に勝ち、準決勝進出を決めました。
千田六段は第7期より参加しており、本棋戦の通算成績は17勝5敗(0.773)、今期が初の本戦トーナメント出場です。
次戦は決勝進出を懸けて、渡辺明棋王と対局します。
第45期岡田美術館杯女流名人戦
【五番勝負第2局】里見香奈女流名人が2連勝で防衛に王手
○里見香奈女流四冠-●伊藤沙恵女流二段
里見香奈女流名人に伊藤沙恵女流二段が挑戦する第45期岡田美術館杯女流名人戦五番勝負の第2局が1月27日(日)に島根県出雲市「出雲文化伝承館 松籟亭」で行われ、里見女流名人が伊藤女流二段を121手で破り2勝目をあげ、防衛に王手としました。
里見女流名人は、この女流名人戦を防衛すると、10連覇となります。
第3局は2月10日(日)に千葉県野田市「関根名人記念館」で行われます。
写真左:里見香奈女流四冠-/写真右:伊藤沙恵女流二段