弦巻勝のWeb将棋写真館

テレビ将棋

更新: 2014年12月12日

日曜日のテレビ将棋は楽しみ。持ち時間が少ないから早指しで観ている側は流れがとても良いと思います。

解説の棋士もそれぞれで、局面だけを語る人、対局者の人柄を語る人。聞き手の女性の笑顔も良いです。休日の和やかな時間に将棋を家庭に運んでくれます。

1985年、僕はニューヨークでオフ・ブロードウェイの友達の家で行われたパーティーに出席しました。ダウンタウンのマンションの上階で、エレベーターは行き先の表示ボタンを鍵で操作しないと上がれない。
「アメリカは物騒だから何処もこんな風だ。」
と友が言う。
狭い玄関に自転車が置かれていました。1階に置いていれば1時間で確実に無くなると言います。ガラス窓には鉄格子。
日本はなんて良い国だろうと、この時強く思った記憶です。障子戸やふすまの文化がまだ残っているのですから・・・。
日曜日の将棋対局の画から感じるものとは正反対だと思いました。
今から40年前はテレビ局に撮影で入る時、ガードマンこそ居ましたが「こんにちわ~。」の掛け声で、カメラをぶら下げているのを見ているから何の問題も無く入れました。愛車で行く事が多かったですが、ガードマンが空いている場所を指示してくれ、お互い笑顔で「有り難う、どうぞ宜しく。」
の会話。

安全で相手を疑う事は無かったと思います。今はテレビ局に限らず一般の会社でも受け付けを通さないと入れないですよね。
性善説と言う概念は難しいですが楽天主義と厭世主義を考えてしまいます。
フォルクスワーゲンの問題。マンションの土台の問題。そろそろ日本も鉄格子の文化かなぁ~。でも、将棋は日本昔話の絵が似合う素晴らしい文化と僕は思います。畳や障子の文化に鍵はいらないと・・・。
僕は家で窓は開けています。これ、煙草を吸うからばかりで無いんです。前の雑木林に集まる鳥の声を聴く為なんです。

掲載写真についてのミニ解説(サイト編集部記)

写真上から順に(1):
昭和53年4月3日、第28回NHK杯争奪戦、1回戦・桐山清澄八段 対 田中寅彦四段戦での一枚。116手で田中四段が勝利した。写真には、将棋観戦記者の田辺忠幸氏とおそらく解説役であろうか、花村元司九段の姿も見える。記録、読み上げは、蛸島彰子、山下カズ子の両女流が務めていた。
写真(2):
第32回全日本アマチュア名人戦決勝戦が昭和53年9月5日にNHK第113スタジオで行われた。この回より初めてアマ名人戦がテレビ放映された。決勝戦の対局は、茨城県代表・金盛吉見アマ(写真右)と埼玉県代表・塚田泰明(現九段、写真左)アマが共に初出場ながら勝ち進んだ。金盛アマは、中盤から的確な指しまわしで優位を築き、当時13歳の塚田アマを押し切り初出場で初優勝を成し遂げた。
写真(3):
昭和54年3月5日に行われた第28回NHK杯争奪戦決勝戦で対局前の両者インタビューの時のカット。対局は、米長邦雄八段と真部一男六段の対戦で真部六段がひねり飛車を採用。184手の熱戦を制し、米長八段がNHK杯での初優勝を果たした。
写真(4):
昭和56年9月8日にNHKスタジオで行われた第35回全日本アマ将棋名人戦決勝戦の模様。写真左が東京都代表・小池重明アマで右が奈良県代表・小林純夫アマ。将棋は相振飛車となり、終盤の的確な寄せで小池アマが勝ち、2年連続アマ名人の座を射止る偉業を成し遂げた。
写真(5):
昭和57年4月3日NHKスタジオで第7回小学生名人戦の準決勝、決勝戦が行われ、その時の一枚。写真は対局前の時の様子。準決勝まで駒を進めた4名は、左から羽生善治(現名人)君、斎田純一君、森内俊之(現九段)君、山下雄君であった。準決勝戦で羽生君は斎田君に勝ち、そして山下君が森内君に勝って、決勝戦は、羽生君対山下君の戦いとなった。結果は、68手で羽生君が勝ち、優勝を飾った。この時、アシスタントが中瀬(現姓・藤森)奈津子女流初段で解説をしていたのが谷川浩司八段であった。まさに将棋界を担う未来の永世名人有資格者達が、テレビの画面で一同に会したのがこの時であった。
写真(6):
昭和58年2月26日、第16回早指し選手権決勝三番勝負がテレビ東京・芝公園スタジオで行われた。決勝戦は、米長邦雄棋王と真部一男七段の間で行われた。その時のスタジオ内と収録している時の一枚。真部七段は、米長棋王に2連勝し、自身初の棋戦優勝を手にした。米長と真部は、早指し選手権だけで6局も対戦しており、真部の4勝2敗という結果を残している。
写真(7):
同じく早指し選手権収録時の時の控室での一枚。昭和59年冬頃に撮影したものと思われる。大内延介(九段)、桐山清澄(九段)、故・森安秀光(九段)、森けい二(九段)等が談笑する姿が写っている。
写真(8):
平成2年10月31、11月1日に第3期竜王戦七番勝負第2局が栃木県日光市の日光東照宮で行われた時の一枚。羽生善治竜王に谷川浩司王位が挑戦した。七番勝負はNHKの衛星中継が入り、現地から生放送を行った。写っている放送機材を見ても時代を感じさせるが、臨場感が写真から見事に伝わってくる。