米長邦雄先生と7年間、週刊ポスト誌の将棋指導の企画で日本全県の支部を廻りました。その頃は外国の支部は少なかったのですが、香港、アメリカ、カナダ、タイ、ヨーロッパも行きました。
先生と家が近かった事も有り、鷺ノ宮、阿佐ヶ谷で何度呑んだか解りません。早朝、自転車の籠に酒の瓶を何本も持って我が家に来られ、
「サ、呑みましょう。」
そんな日も有りました。
先崎さんが入門したのもその頃でしょうか、師匠の米長先生は、
「あの子は朝一番で新聞の株式欄を読むんですよ...。」「変わっているでしょう...。」
と言っていました。
先崎さんは小学生4年生で同門の林葉直子さんが中学1年生。新宿将棋センターに看寿、宗看の詰め将棋を解きながら二人で通っていました。