「トーヨーカネツ杯第2回関西女流新鋭戦」見どころ対談

対 談
久保利明九段、冨田誠也五段

左:久保利明九段 右:冨田誠也五段

久保利明九段、冨田誠也五段

左:久保利明九段 右:冨田誠也五段

「トーヨーカネツ杯第2回関西女流新鋭戦」の開催を前に、久保利明九段と冨田誠也五段に、棋戦立ち上げの経緯や今年の見どころについて語っていただきました。

――トーヨーカネツ杯関西女流新鋭戦の立ち上げの経緯についてお伺いしてよろしいでしょうか。

久保「私とトーヨーカネツ社の方と共通の知人を介して知り合いまして、将棋を好きな方ということで、いろいろ話をしているうちに、何かできないかという話になって。当時役員の脇九段と井上九段に紹介しまして、女流棋戦の立ち上げということになりました。」

――この棋戦に対してどのような棋戦にしたいか等の希望はありましたか。

久保「東京には白瀧あゆみ杯という若手の女流棋戦がありますので、関西でもできないかなというのはずっと考えていました。相当前になりますが、『きしろ杯(※)』のきっかけが内藤先生で、新しいスポンサーを見つけてこられたという経緯もうちの師匠(淡路九段)から聞いていたので、自分もそういう立ち位置に来た時に、棋戦を立ち上げることができたらという思いは持っていました。そういう意味では関西の若手の女流棋士に、新たな大会というか、そういうものが用意できたらなという思いはありました。」

(※)きしろ杯争奪関西女流メイショウ戦 2005年~2008年開催

――本棋戦の今後についての思いはいかがでしょうか。

久保「せっかく始まった大会なのもありますが、去年の橘家での準決勝・決勝を現地で見まして、女流棋士の4人が生き生きと将棋を指されていたのを見て、これが続いていったらいいなっていう思いは強くなりました。」

――去年の決勝の様子や会場の橘家のお話を伺えれば。

久保「タイトル戦では旅館で対局するっていうのはありますけど、若手の女流棋士でそういう経験をすることは中々ないので、一つの棋戦での決勝を、大きな舞台で指せるというのは、励みにもなると思います。去年優勝した木村朱里さんとかはこの優勝をステップにタイトル戦とかにも出ていけるような女流棋士になってほしいなとは思います。」

冨田「私は人づてに聞いただけなのですが、前夜祭もすごい豪華ですよね。」

久保「タイトル戦並みの豪華さでした。何から何までタイトル戦並みの舞台を用意されている中での対戦だったと思うので、良い経験になったんじゃないかなと思います。」

――それでは、今回の優勝予想をお願いできますでしょうか。

久保「うちの弟子とかもいるからちょっと言いづらいのですが、去年優勝した木村さんはやっぱり今回も優勝候補だと思いますね。あとは実績で言うと松下さんあたりですか。よく勝っているイメージです。」

冨田「この棋戦はベスト4に残るのが大きいですよね。ですので、ベスト4を予想したいところですが、関西の女流棋士は突き抜けているというよりみんな強い。最近の関西の若手の女流棋士ってすごい研究熱心で勉強熱心ですよね。自分は妹弟子の木村さんを優勝予想で久保先生の娘さんを対抗馬にします。」

久保「それはちょっと言い過ぎじゃない。実績が足りていないし去年1回戦で負けているから。あとは今井さんが強いですよね。」

冨田「去年は初めてっていうこともあって、出場者の人もどれぐらいの規模かって多分わかってないじゃないですか。でも去年の様子を見て、佐々木さんとかも燃えてるんじゃないですかね。」

久保「確かに決勝がどんなものかっていうのは、去年出てない人もなんとなく記事等ではわかると思うので、そういう意味ではやっぱりモチベーションの一つになるのかなっていう気がしますね。」

――今年の決勝・準決勝では和装を予定しています。

久保「それはなかなかない経験。旅館に合うからすごく映えますし。」

冨田「対局者には言っているんですか?」

――対局者にはまだ通知していません。

冨田「知っているかどうかはモチベーションかわるでしょ。関東は白瀧あゆみ杯があるけど、関西はないですし。例えば棋士も若手棋戦でそういうのができたら、みんな燃えると思いますよ。和服を着させてもらえる機会ってないので。それはすごいですね。」

――予選の注目カードはいかがでしょうか。

久保「アマチュアのところは興味がありますね。研修会B2ですから結構強いですけど、アマチュアの二人は成績の良い松下・佐々木とあたっています。」

冨田「大会に強い人っていますよね。お祭りとか。あと持ち時間ちょっと短めが好きな人とか。そういう意味でもやっぱり久保―八木戦が注目なんじゃないですか。ここ勝った方は大きいと思いますよ。八木さんの急戦に、どこに振って挑むか、ですかね。八木さんは木村さんと同い年できっとライバル心があるから、狙っていると思う。みんな二段にあがるまでに1回優勝しておきたい、はあるんじゃないですか。」

――久保先生は佐々木女流初段-吉川アマ、松下女流初段-壽アマ。冨田先生は木村女流初段-山口仁女流1級、久保女流1級-八木女流1級。のカードというところでしょうか。

冨田「私が気になっているのは優勝賞金ですけど教えてもらえない。」

――では、最後に冨田先生に1回戦の戦型予想をお願いします。

〈木村朱里女流初段-山口仁子梨女流1級〉

先後問わず木村さんの四間飛車に山口仁さんがなにで挑むのか。木村さんは対穴熊が強いですが、持久戦にはなりそうです。

〈佐々木海法女流初段-吉川惠アマ〉

佐々木さんは振り飛車党ですが、相手が振った場合は居飛車を持つので、対抗系ですかね。吉川さんは振り飛車党だったと思いますが、佐々木さんに居飛車をさせてそこをどうするかですか。

〈今井絢女流初段-榊菜吟女流1級〉

榊さんがどこに振るかはありますが、角道を止める三間飛車になると思います。今井さんは穴熊か左美濃で持久戦になると思います。

〈山口稀良莉女流初段-崎原知宙女流1級〉

ここはお互い振り飛車党で相振り飛車を避けない傾向ですので、ここは相振り飛車ですね。

〈松下舞琳女流初段-壽希乃香アマ〉

松下舞琳さんは本格居飛車党で壽さんはデータが少ないですが居飛車党だったと思うので、相居飛車にはなると思いますが、何をするか難しいですね。

〈久保翔子女流1級-八木日和女流1級〉

久保さんの振り飛車に八木さんの急戦は間違いないと思います。八木さんはパンチ力があるので久保さんが序盤を乗り切れるかどうかがカギですね。

〈藤井奈々女流初段-森本理子女流1級〉

藤井さんは中飛車と予想します。森本さんは前に右玉もやっていたので、森本さんの戦型選択が楽しみですね。

〈水町みゆ女流初段-岩佐美帆子女流初段〉

二人とも居飛車党ですが、戦型はおそらく相掛かりになるのではないでしょうか。

こう見ると色々な戦型になりそうで戦型から楽しめるのではないでしょうか。

――ありがとうございました。お二人には決勝大会にお越しいただけるとのことですので、どうぞよろしくお願いします。

久保利明九段と冨田誠也五段