三浦弘行九段と日本将棋連盟の間で和解成立のご報告
更新:2017年05月24日 18:27
三浦九段が公式戦の対局中に電子機器を使用して、不正行為に及んだのではないかという疑惑があり、これに対して出場停止処分を行ったことに関しまして、両者の間で、平成29年5月23日(火)、第三者調査委員会作成の調査報告書における「三浦九段が不正行為に及んでいたと認めるに足りる証拠はない」旨及び「日本将棋連盟による本件処分対応は許容される範囲内の措置であり、やむを得ないものと評価されるべきである」旨の結果を相互に受け入れ、日本将棋連盟が慰謝料として三浦九段に一定の補償を行うことをもって円満解決とする内容の和解が成立しましたのでご報告します。
今回の和解をもって、一連の騒動に関し、終結といたします。
日本将棋連盟は、タイトル戦において、金属探知機による荷物検査を実施したり、対局規定における電子機器の取り扱いについての不備を補完して対策を強化し、二度とこのような問題が起こらないように努めます。
三浦九段に対する疑惑は晴れているので、今後も周知徹底に努めたいと思います。
棋士・女流棋士一同、今回の件を真摯に受け止め、将棋界発展のために邁進しますので、皆さまからのご支援ご声援を賜りたく、よろしくお願いいたします。
公益社団法人 日本将棋連盟 常務会
本件に関する経緯説明
・平成28年7月下旬
三浦九段が離席を繰り返し、電子機器を不正使用している疑いが浮上する。
・8月8日
将棋連盟が全棋士に向け、将棋ソフトの使用はもちろん、使用したとの疑惑をもたれないよう長時間の離席、宿泊室やホテルへの立ち寄りを控えるよう要請する旨の通知書を送る。
・10月11日
三浦九段が勝局した4局に関し、電子機器を不正使用した疑惑が浮上している旨を伝え、事情を聴取する。その席上で、三浦九段から公式戦を休場する申し出を受ける。
・10月12日
休場届が提出されなかったが、竜王戦及びその前夜祭が迫っており、疑惑の解消の目途が立たない中で、三浦九段をそのまま出場させると関係者への影響が甚大なこと等から、三浦九段に対し、平成28年12月31日までの出場停止処分を行った。
・10月27日
但木敬一弁護士を委員長とする「第三者調査委員会」の設置を決定。三浦九段が不正行為を行ったか否か、出場停止処分が妥当であったか否かについて、第三者に客観的かつ中立的な立場から調査を依頼する必要があると判断した。
・12月14日
電子機器は対局前にロッカーに預ける、対局中は外出禁止等の新たな規定を施行した。
・12月26日
第三者調査委員会が「三浦九段が不正行為に及んでいたと認めるに足りる証拠はない」旨、及び「日本将棋連盟による本件対応は許容される範囲内の措置であり、やむを得ないものと評価されるべきである」旨などの調査結果を公表した。
・12月27日
将棋連盟が記者会見を開いて、三浦九段に対する謝罪と、役員8名に対する減給処分を発表。
三浦九段には平成29年1月から対局に復帰して頂くこと、報告書の結果を受けてA級順位戦は特別措置として、今期は降級1名とし、三浦九段は来期A級の地位保全を行う等について発表した。
・平成29年1月16日
「第三者調査委員会」の調査報告書(概要版)をHP上で公表する。
【調査報告書】
・1月19日
谷川浩司会長と島朗常務理事が辞任する。
・2月6日
臨時棋士総会を開催し、佐藤康光九段が将棋連盟新会長に就任する。
・2月13日
竜王戦1組ランキング戦(羽生三冠戦)で、三浦九段が対局に復帰する。
・5月23日
将棋連盟と三浦九段の間で、和解の合意が成立する。
- 佐藤康光会長のコメント
- 三浦弘行九段との和解が成立いたしましたので、本日ご報告申し上げます。
三浦九段の疑惑は晴れております。これからもよりその周知に努めたいと思います。
今後二度とこのような疑義が生じないよう、3月に対局規定委員会を発足し、対局規定、環境作りを現在整備しております。
また、プロ棋士としての対局者の意識徹底に努めます。
将棋に関わる多くの皆様、三浦九段とご家族の皆様には長きにわたりご心配、ご迷惑をお掛けいたしました。深くお詫び申し上げます。
今後とも将棋界をよろしくお願い致します。 - 公益社団法人 日本将棋連盟
会長 佐藤康光