将棋文化振興議員連盟第3回総会 将棋を学校教育に

更新:2012年05月08日 17:05

将棋文化振興議員連盟第3回総会

 将棋文化振興議員連盟(会長・渡部恒三衆議院議員)の第3回総会は5月7日、東京都千代田区の衆議院第一議員会館で行われ、30名を超える参加者がありました。
 席上、日本将棋連盟の米長会長から「今年は『将棋名人400年』の年であり、公益社団法人としてもちょうど1年がたちました。この機会に日本将棋連盟では、将棋を部活動というような形ではなく、学校教育に正課として採り入れてもらえるように運動したい。つきましては、その応援をする決議をしていただきたい」との強い決意表明がありました。
 文部科学省初等中等教育局審議官の尾﨑春樹氏からは「授業として採り入れることは可能です。指導要領のカリキュラムの種類は(1)教科(2)道徳・外国語活動(3)総合的な学習(総合学習)に分けられます。このうちの総合学習では、すでに将棋を採り入れている小学校があります。山梨県の私立駿台甲府小学校や神奈川県の海老名市内にある公立小学校などがそうです。こうした事業をさらに多くの学校で具現化するには、将棋に理解のある先生の養成と、歴史や文化を教える副教材(テキスト、DVD)が必要です」と有効なアドバイスをいただきました。
 国会議員からの質疑応答のあと、司会の米長晴信参議院議員が、こうした運動をこの議連でしっかり後押しするという決議を諮り、満場一致で採択されました。

我が国固有の伝統文化「将棋」について

 将棋は、古代インドを発祥とするチャトランガから派生した頭脳スポーツで、取った駒を再使用するという、世界で日本だけのルールにより我が国固有の文化に発展しました。
「礼に始まり、礼に終わる」というように、将棋は開始の「お願いします」、敗れたときの「負けました」、勝因、敗因を検討し合った最後に交わす「ありがとうございました」、この三つのあいさつを基本の礼儀とします。
 また、将棋をする(「指す」という)ことで、相手の陣地を攻めたり、相手の攻めを受けたりすることによって、勝負に勝つ喜びや楽しさ、反対に負ける悔しさを感じ取ることができます。
 さらに、「棋は対話なり」という言葉があるように、自分の考えを押し付けるのではなく、相手の考えを尊重しながら進めることが将棋を指す意義で、そのことにより必然的に相手とのコミュニケーションをとることにもつながります。

 中学校の新学習要領が今年度から本格的に実施され、1、2年生の体育で、武道とダンスが必修化されました。
 武道必修化のきっかけは、「伝統と文化の尊重」を盛り込んだ平成18年の安倍晋三政権による教育基本法の改正でした。文部科学省は同20年3月28日に中学校学習指導要領の改訂を告示し、新学習指導要領で武道とダンスは必修になりました。
 この機会に我が国固有の伝統文化「将棋」を学校教育の正課に組み入れることを強く望むものです。

総会の様子

米長晴信議員01 米長晴信議員02

司会進行は米長晴信議員

渡部恒三・将棋文化振興議員連盟会長01 米長会長01

写真左:渡部恒三・将棋文化振興議員連盟会長のあいさつ、左は会長代行の山東昭子参議院議員
写真右:米長邦雄・日本将棋連盟会長

船橋徹・文化庁文化部芸術文化課長01

船橋徹・文化庁文化部芸術文化課長から文化庁の将棋に関連する取り組みについてのヒアリング

尾﨑春樹・文部科学省初等中等教育局審議官01

尾﨑春樹・文部科学省初等中等教育局審議官

田中寅彦理事01

田中寅彦・常務理事

谷川治惠理事01

谷川治惠・理事

橋本勉・衆議院議員01

橋本勉・衆議院議員

北島忠雄理事01

北島忠雄・理事

穀田恵二・衆議院議員01

穀田恵二・衆議院議員

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