棋譜利用に関する公開質問状への回答

更新:2020年04月17日 16:00

 公益社団法人日本将棋連盟は、2020年3月2日に弊社団に送付された棋譜利用に関する公開質問状の件について以下の通り回答いたします。

2020 年 4 月 17 日

質問者代理人弁護士 杉村 達也 殿

公益社団法人日本将棋連盟
会 長 佐 藤 康 光

公開質問状の件(回答)

前略 2020年3月2日付の貴信にてご質問頂きました件について、弊社団より下記のとおり回答致します。

1. はじめに

 貴殿から弊社団Web サイトを通じ、YouTube やブログ等での解説、将棋界の復興目的等を利用趣旨としまして、数多くの棋譜申請を頂いていたことを確認致しました。
 こうしたご要望に対して、当初無回答といった対応が多くなされ、また、将棋愛好家の皆様にもご心配をおかけしましたことをお詫び致します。
 本質問状を拝受した後に確認しましたところ、現在は多くの棋戦にて、棋譜申請に対して回答を行っているとの返答を得ております。

2. 回答
【質問事項】
(1) 貴連盟及び各棋戦主催者が,主催棋戦の棋譜に関して持つとされる「共通の財産」とはいかなる法的権利に基づくものですか。

【回答】
 棋譜の著作権の有無に関しまして、様々な議論があることは承知しておりますが、日本将棋連盟と各棋戦共催社及び主催社(以下「主催社」)間では棋戦運営するにあたり、主に棋譜の優先掲載に関する契約を結んでおります。
 弊社団は日本の文化たる将棋の発展を目的としている団体であり、棋戦運営は事業の根幹を成すものです。棋戦を運営する前提として、弊社団及び主催社等には、棋譜の利用も含む営業上の利益を有しており、これは法的に保護される利益であると認識しております。

【質問事項】
(2) 大多数の棋戦に関して棋譜の使用の許可・不許可に関する返答が全くない現状, 及び 棋譜使用について逐一申請をして許可を得なければならない手続的煩雑さ等を改善するため, 貴連盟において各棋戦主催者と調整した上で, 棋譜使用に関するガイドライン等を作成し, 一定の条件を満たせば一律に棋譜の使用を許可するという運用を行う意向はありますか。
 また, もしそのような意向がある場合, いつまでに運用を開始するか, 期限をご教示ください。

【回答】
 棋戦の棋譜利用に関しましては、2019 年 9 月 13 日に弊社団Web サイトにてリリースしました「棋譜利用に関するお願い」以前より、弊社団及び主催社間にて協議を進めております。当協議において、棋譜利用に関するガイドライン作成の話も出ておりますが、棋戦ごとに契約内容が異なることから、各々調整が必要であり、まだ多くの時間を要しますことをご理解頂ければと存じます。

3. おわりに
 貴殿が運営されている YouTube チャンネルを拝見したところ、2020 年 3 月 22 日に投稿されました動画にて、「棋譜利用でお金を稼ぐつもりはなく、(本件に関する)裁判を通じて再生回数を増やし、広告料で稼ぎたい」といった趣旨のご発言がありました。
 棋譜利用に関しましては、弊社団にとって非常に大事なトピックであり、貴チャンネルの1コンテンツになることは将棋界発展の観点から適切ではありませんので、本質問状を回答するにあたり、このような公開という形を取らせて頂きました。

 今後も貴殿が将棋文化発展に寄与いただけることを祈念しております。
 また、引き続き将棋界へのご声援賜りますようお願い申し上げます。

以上

質問状回答はこちら

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