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羽生善治竜王「結果が出ない時も挑戦の気持ちを持ち続けてきた」国民栄誉賞を受賞して思うこと

更新:2018年01月05日 18:47

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国民栄誉賞を受賞した羽生善治竜王が1月5日、会見を行い「これを機に、たくさんの人たちに将棋や囲碁を楽しんでもらえるような環境を作っていけたら」と今後の抱負などについて語りました。会見の主な内容は以下の通りです。

羽生竜王、国民栄誉賞記者会見の模様

ーー国民栄誉賞受賞について
国民栄誉賞という大変名誉ある賞をいただき、驚きと同時に大変うれしく思っています。これは、私個人の棋士の活動というよりも、将棋の伝統的な世界における長年にわたる歴史の積み重ねということもあわせて評価していただけたことなのではないかなと思いますし、こういった名誉ある賞をいただいて、棋士として一層精進をしていかなくてはいけないという思いです。

ーー囲碁棋士の井山裕太十段との同時受賞について
井山裕太十段とは、初めてタイトルをとられた二十歳の頃から交流があり、ずっと変わらず安定をして活躍をされており、現在進行形で囲碁の歴史を作られている棋士だと思っています。その方と同じ日にこういった賞をいただけたということは、私にとっても大きな誇りとなりました。

ーー今後の抱負について
将棋の世界も囲碁の世界も、小さいお子さんから年配の方まで、幅広い人たちが気軽に楽しめるものだと思います。これを機に、たくさんの人たちに将棋や囲碁を楽しんでもらえるような環境を作っていけたらいいなという気持ちでいます。

ーー若手棋士との対局について
私もすでに40代ということもあり、最近は強くて若い棋士の人たちとの対戦が増えています。将棋というのは、ただただたくさん経験を積み重ねればいいとか、ただただ若さがあればいいとか、そういうことではなくて、総合的なものが問われる競技だと思っていますので、自分自身が積み重ねてきたことを、これから先も棋士としてファンのみなさんに伝えていくことができればいいなという気持ちでいます。

ーー今後の目標や将来像について
具体的な目標で言うと、公式戦での1400勝が近くなっているので、そこを目標にしていきたいと考えています。これから先どうなっていくのかは想像がつかないというのが率直なところなんですけれども、1年1年息が長く活躍できるような棋士になれるように頑張っていきたいと考えています。

ーー棋士として心がけてきたことについて
将棋の世界は非常に変化が早い世界なので、過去にどんな実績があろうとも、今ある潮流に乗り遅れてしまうと取り残されてしまうということがあります。なので、負けることがあっても、結果が出ないことがあっても、自分なりに思い切ったことをやっていこうという挑戦の気持ちを極力失わないように続けてきたつもりです。ただ、時には保守的になってしまうこともあるのが実情ですが。

ーーこれからの将棋の魅力について
棋士になって30数年ですけれども、本当に将棋の世界を取り巻く環境が変わったと思っています。さまざまなかたちで将棋を取り上げていただいたり、あるいは中継があったり、あるいは将棋は指さないけれども見るファンの人が増えたり。日々の生活のその合間のちょっとした時間の中の憩いのひとときとして、将棋というものがあり続けられたらいいと個人的には思っており、そのための環境もこれからは大事になっていくのではないかなと思っています。

ーー人に夢や希望を与える棋士という存在について
私自身は一生懸命将棋を指してきて、ファンの方々がどのように受け取ってくださるのかというのは、なかなか深く知るということはないんですけど、もし、少しでも夢や希望を与えることができているのであれば、棋士冥利に尽きることだと考えていますし、そういうものがこれから先も作れるように、激励としての意味も今回の受賞にはあったのではないかと受け止めています。

ーー家族のサポートについて
棋士というのは、地道な活動が非常に多いのですが、実際はかなり長丁場で体力とかも使いますので、食事の面で気をつけてもらったり、タイトル戦などで和服を着て対局をするときもきっちりと準備をしてもらったりと、いつも万全の体制で対局に臨めるようにきめ細かく神経を使って、気を使ってもらっているので、本当にありがたいなと思っています。

ーートップを走り続ける秘訣について
例えばマラソンとかを走っていたときに、トップになる必要はないとは思うのですが、トップ集団にいるということが非常に大事なのではないかなと考えています。その集団の中で切磋琢磨して、そのときそのときの流行のものであったり、最先端のものであったり、そういうものを取り入れていきながら前に進んでいくということを心がけてやってきたつもりです。

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