ユニバーサル杯第40期女流名人位戦就位式の模様

更新:2014年03月26日 12:12

女流名人位通算5期を獲得し、「クイーン名人」称号の資格を最年少で獲得した里見香奈女流名人を囲む「ユニバーサル杯第40期女流名人位戦就位式」が3月24日(月)、東京都港区「明治記念館」で、関係者ら約100名が出席して執り行われました。

40期女流名人戦就位式01

式では、報知新聞社・早川正代表取締役社長、日本将棋連盟・谷川浩司会長から挨拶があり、就位状・クイーン名人就位状・賞金目録・名人位盾が授与され、ユニバーサルエンターテインメント・小笠原明子広報・IR室課長から副賞の授与がありました。

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主催者挨拶:報知新聞社・早川代表取締役社長
「40年の節目にふさわしいニュースが2つあった。1つは里見女流名人が5期連続で女流名人位獲得、クイーン名人の称号資格を獲得されたこと。もう1つは、女流名人位戦の名称変更。第40期を最後に名人位から位の一文字を無くして名人に変わる。これは女流の地位が確固たるものになった証明。女流棋士の方々が長年尽力されてきたことも大きいが、近年、里見女流名人の目覚ましい活躍も極めて大きい。今期も体調不良の中、3連勝して見事な防衛を果たされた。 これからのフィールドは果てしなく広い。里見女流名人は休養に入るが、大きい川に身を横たえるつもりで心身を休めて、また女流名人戦で活躍してもらいたい」

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主催者挨拶:日本将棋連盟・谷川会長
「里見女流名人は3月から半年休場させていただく。新しい道を切り開く重圧があったと思う。本人にとっても大きな決断だった。ゆっくり休養することが大きな夢を実現させる近道だと思っている」

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副賞授与:ユニバーサルエンターテインメント・小笠原広報・IR室課長
「日本では女性であることを意識して生きていかざるを得ない状況だが、里見女流名人には女流というものを無くす存在になってほしい。花を添えるのではなく、大輪の花を咲かせる存在になってほしい」

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クイーン名人就位状

その後、里見女流名人を囲んでの祝賀パーティーが日本将棋連盟・青野照市専務理事の乾杯の発声で始まりました。
パーティーでは、第1局開催地から出雲市・曽田俊彦文化環境部部長、第2局開催地から野田市・根本崇市長、第3局開催地からトラベルシリウス・池田博昭代表取締役から挨拶、お祝いに駆けつけた羽生善治三冠から祝辞、日本将棋連盟関根金次郎支部・須賀忠副支部長から花束贈呈があり、里見女流名人から謝辞、報知新聞社・丸山伸一取締役編集局長から閉会の挨拶があり、盛会のうちに終了しました。

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乾杯:日本将棋連盟・青野専務理事
「40年前、自分が棋士になった年に女流名人位戦が始まった。その頃より女流の実力が『名人』で十分なほどに上がった。今期第2局でも、自分の解説もネットの解説者も指し手が全く当たらず、レベルが違ってきたと思った。これからは堂々と『女流名人』でやっていってもらいたい」

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開催地挨拶:出雲市・曽田文化環境部部長
「里見女流名人と自分の娘が高校3年生のときに同じクラスだったこともあり、5期連続女流名人位を獲得した里見さんを我が子のように思い、本当に喜んでいる。 出雲市は第37期から4年連続、女流名人位戦の番勝負を開催していて、後援会を結成している。後援会では里見女流名人を温かく見守っていくこととしている。皆様にも温かく見守っていただきたい」

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開催地挨拶:野田市・根本市長
「自分は現在、日本で一番長く市長を務めている。取り柄は健康。里見女流名人にもまずは健康で頑張ってもらいたい」

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開催地挨拶:トラベルシリウス・池田代表取締役
「将棋を通じて地域活性化に繋げている。今後も地域とともに将棋を普及していきたい」

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祝辞:羽生三冠
「第2局でほんの短い時間だったが対局者の2人とご一緒した。熱戦で素晴らしく、舞台にふさわしい内容の将棋だった。
10年前に出雲で行われたタイトル戦の控室で将棋の強い子がいると聞いた。それが里見女流名人だった。わずか10年間で女流棋士になり、タイトルを獲得され、たくさんのことを成し遂げられた。もう少し先が正念場。ゆっくり静養して、万全な状態で素晴らしい将棋を見せてもらいたい。大山十五世名人の夢という盾をいただいていたが、夢に向かって精進して頑張ってほしい」

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花束贈呈:日本将棋連盟関根金次郎支部・須賀副支部長

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お祝いに駆けつけた女流棋士と

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謝辞:里見女流名人
「半年間休場することになり、大変お騒がせ、ご心配、ご迷惑をお掛けして申し訳ございません。それにもかかわらず、皆様には応援していただいて、温かい言葉をかけられて嬉しかったですし、感謝しています。
今期番勝負は、何とか自分を奮い立たせてやってきました。実力は未熟だが、自分の力を発揮できました。
また今期女流名人位獲得でクイーン名人の称号資格を得ることができました。女流名人位を高校3年生のときに獲得してから時間としてはあっと言う間でしたが、年を取るごとに皆様への感謝の気持ちが身にしみるようになりました。この気持ちを忘れずにいたい」

40期女流名人戦就位式14
閉会の挨拶:報知新聞社・丸山取締役編集局長
「里見女流名人には、今は外部のことは忘れて、ゆっくり休養して、勝負の世界に戻ってきたら6連覇、7連覇とレジェンド(伝説)の称号も乗っかるような強い棋士になってもらいたい。また里見女流名人を脅かすニューフェースが出てくることを期待したい」

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