第71期名人就位式・祝賀会

　木村義雄十四世名人と並ぶ通算８期の名人位を獲得した森内俊之名人を囲む「第71期名人就位式・祝賀会」は７月26日（金）、東京都文京区｢椿山荘｣で将棋ファン、関係者の約400人が出席して開かれました。式では、主催者の毎日新聞社・朝比奈豊代表取締役社長、朝日新聞社・木村伊量（ただかず）代表取締役社長、日本将棋連盟・谷川浩司会長からのあいさつがあり、推戴状、賞金目録、協賛社の大和証券グループ本社・松下浩一常務執行役から記念品の贈呈、下村博文・文部科学大臣からの祝辞、花束贈呈、森内名人からの謝辞へと進みました。

朝比奈代表取締役社長
「それにしても、今期は強かったですね。作戦の幅が広がって森内名人の強さは磐石でした」

木村代表取締役社長
「津波の被害の大きかった岩手県宮古市で第３局を行いましたが、その際、地元に寄贈した将棋盤に森内名人は『日々新（ひびあらた）』と揮毫しました。今期、森内名人は柔軟な発想で新境地を開かれました」

谷川会長
「今期の森内名人は自由自在な指し回しで、羽生三冠に粘る余地を与えなかった。これほど完ぺきな勝ち方は、森内名人にしても初めてではなかったでしょうか」

推戴状授与

協賛社・大和証券グループ本社から記念品（天体望遠鏡）の贈呈

下村文部科学大臣の祝辞
「通算８期目の獲得は、史上３位タイと聞いています。今後、ますますのご活躍をお祈りします。関係者の皆様には、わが国固有の将棋文化の発展に今後もご尽力をお願いいたします」

安部義三・神奈川県小中学校将棋連盟副会長（横浜市立もえぎ野中学校将棋顧問）の祝辞
「森内名人宅と私の勤務している中学校の所在地が近いことから指導対局をお願いすることがあります。穏やかで真摯に指導されている姿は"鉄板流"ではなく、子供たちを包み込むような柔らかさがあります。このご縁を大切にしたいと思います」

花束贈呈。小泉一成・成田市長と成田市観光キャラクターの「うなりくん」
「平成７年に成田で森内名人の後援会を作り、現在は40人が参加しています。来年は市政60周年になるので、ぜひ名人戦を開催したい」

将棋文化振興議員連盟会長の山東昭子・参議院議員から花束贈呈
「おめでとうございます。参議院選挙がありましたので、将棋文化振興議員連盟は新しいメンバーを決めて活動いたします」

森内名人の謝辞
「今期の結果は望外のものでした。第４局では３手目に評判の良くない手を指したり、第５局にコンピュータソフトが指してインターネットで話題になった手を試してみたりしました。インターネットの影響やコンピュータ将棋の進化で新たな価値観が生まれています。これからも悔いの残らないように力を尽くして頑張りたい。対局以外でも名人の責務をしっかり果たしていきたいです」

就位式に引き続き、師匠の勝浦修九段から乾杯の発声があり、祝賀会が始まりました。

師匠の勝浦九段
「今期の名人戦は、一局一局厳しい勝負の連続でした。森内将棋をさらに磨きをかけ、高みを目指してほしいと思います」

山本正徳・宮古市長に谷川会長から義援金目録を贈呈
「名人戦の第３局を開催させていただき、ありがとうございます。宮古市民は復興に向けて頑張っています。また、将棋の大会を宮古市で開催したい」

森内名人直筆色紙の抽選会

瀬川章・藤田観光代表取締役社長
「椿山荘で行われる第１局の勝者は、第67期からずっと名人位を獲得しています。また、来年も再会できますように願っています」

今後の将棋界の発展と森内名人の活躍を祈念して、一本締めで盛会のうちに終了いたしました。