第7回将棋文化振興議員連盟総会・日本将棋連盟との意見交換会、将棋を楽しむ会開催報告

更新:2018年05月29日 16:53

超党派の国会議員で組織される将棋文化の支援団体「将棋文化振興議員連盟」(山東昭子会長)の第7回総会が、平成30年5月7日に参議院議員会館講堂(東京都千代田区)で、衆・参の国会議員(秘書等代理含む)53名が出席し開催されました。

冒頭、山東昭子会長から「将棋を子供たちが指す事によって脳が活性化し、将棋だけでなく他の様々な面でも伸びて行くことが期待できます。それを皆様の力をお借りして広めてゆきたい。」というご挨拶がありました。
また佐藤康光将棋連盟会長から「今年は羽生竜王の国民栄誉賞、藤井聡太六段の活躍など、将棋が国民の皆様に広く注目されるようになりました。本日は意見交換会等を通して、より将棋に対する理解を深めていただきたい。」との話がありました。
その後、役員の承認、文部科学省、日本将棋連盟によるこれまでの取り組みについての発表がありました。
第一部の後半は将棋連盟との意見交換会で、はじめに名人戦第三局のため出席できなかった羽生竜王のビデオレターの紹介がありました。その後各議員から活発な意見が出されました。
第二部(将棋を楽しむ会)は田中寅彦九段による将棋のマナーや歴史についての講演にはじまり、佐藤康光九段の「目かくし対局」、及川拓馬六段による「にぎり詰め」が披露され、将棋の魅力を味わっていただきました。
(文中記載の段位、内容は開催日のもの)

第一部 将棋文化振興議員連盟総会・日本将棋連盟との意見交換会

第7回将棋文化振興議員連盟総会_01 第7回将棋文化振興議員連盟総会_02
写真左:将棋文化振興議員連盟会長 山東昭子 参議院議員の挨拶
写真右:日本将棋連盟会長 佐藤康光九段の挨拶

第7回将棋文化振興議員連盟総会_03
第一部「将棋文化振興議員連盟総会・日本将棋連盟との意見交換会」は石井浩郎参議院議員の司会で開催されました。

第7回将棋文化振興議員連盟総会_04
文化庁地域文化創生本部 松坂浩史 事務局長より、これまでの取組みが報告されました。
「生活文化は、新しい基本教科の柱であると考えます。」「昨年より生活文化を担当する専門の調査官を置くことにしました」等の発言がありました。

第7回将棋文化振興議員連盟総会_05
日本将棋連盟専務理事 森内俊之九段のこれまでの取組みについての報告
平成18年から普及指導員制度を導入。学校への講師派遣や盤駒の貸与等行っているが、ほぼ大都市圏が中心となっている。また継続した授業が行われていない事や、講師料の大部分を将棋連盟が負担している事等問題点も挙げられた。

第7回将棋文化振興議員連盟総会_06 日本将棋連盟との意見交換会
佐藤康光会長の発言
「近年AIの進歩が著しい中、将棋は未だ結論が出ていません。逆に将棋の奥深さが証明されることになりました。
また羽生竜王や藤井六段の影響もあり、将棋に対する関心が非常に高まっています。特に子供の大会「テーブルマーク子供大会」は昨年、全国で過去最高の約12,000名の参加者がありました。
将棋の魅力は、構想力、計算力、想像力、決断力、記憶力、精神力、挨拶による礼儀作法などを養う事ができることです。一局指すとさまざまな経験が出来る総合体験学習であり、青少年の健全育成には非常に良いと考えています。
現状、教育現場での将棋は東京を中心に行われていますが、全国的に幅を広げてゆきたいと考えています。これには将棋文化振興議員連盟の皆様の協力が不可欠であり、ぜひご協力をお願いしたいと思います。」

(以下ご発言順に意見抜粋を紹介)

第7回将棋文化振興議員連盟総会_07 第7回将棋文化振興議員連盟総会_08
写真左:古賀友一郎 参議院議員
「将棋は羽生竜王の国民栄誉賞により、単なる娯楽ではない事が実証されました。タイトル戦を様々な場所で開催する事により、それを地方創生に活かせないかと思います。」
写真右:塩谷 立 衆議院議員
「学習指導要領も"日本の伝統文化に触れるべき"となっていますし、文科省の初等教育局にも話を聞くなど、学校教育と積極的に連携していく必要があると思います。」

第7回将棋文化振興議員連盟総会_09 第7回将棋文化振興議員連盟総会_10
写真左:河村建夫 衆議院議員
「囲碁将棋どちらも国民栄誉賞受賞の今がチャンス。囲碁は中国韓国を含め世界大会をやっていますが、将棋ももっと世界に広まってよいのではないかと思います。
毎年日中韓の小学生100名を集め、童話交流会を行っていますが、今年は会場が天童市の予定です。その中で将棋を紹介してもらったらよいのではないかと思います。」
写真右:井上一徳 衆議院議員
「私は将棋を、学校で友達から教わりました。
将棋盤駒を学校の中で備品として備え付けることも御検討いただきたい。」

第7回将棋文化振興議員連盟総会_11
村上誠一郎 衆議院議員
「昔の議員会館には議員サロンがあり、将棋盤が置いてありました。そこで意見交換などをやっていましたが、もう一度復活してほしい。
将棋の一番良いところは、"自分の頭で考え抜く力"をつけられるところで、それによってケアレスミスが少なくなる等、色々な面で相乗効果を生みます。"将棋を指しながらコミュニケーションを図ること"が大事です。」

第一部は、各議員や文化庁の方から様々なご意見、ご提案、ご報告をいただきました。ありがとうございました。

第二部 将棋を楽しむ会

第二部では田中寅彦九段による将棋文化に関するミニ講演、及川拓馬六段の「にぎり詰め」、佐藤康光九段の「目かくし将棋」が披露され、将棋の奥深さと棋士の技をご覧いただきました。

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第二部の司会はお馴染み清水市代女流六段(日本将棋連盟常務理事)

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田中寅彦九段のミニ講演
「将棋に似たゲームは数あるが、駒が再利用できるのは日本の将棋だけ。
日本が世界に誇れる素晴らしいゲームです。」 

及川拓馬六段による「にぎり詰め」
第7回将棋文化振興議員連盟総会_14
山東会長が無作為に駒を袋から取り出します。その駒を全て使って、短時間のうちに詰め将棋の問題をつくらなければなりません!
山東会長の掴んだ駒は・・・飛1 角1 金1 銀2 香1 歩4 の合計10枚でした。
これに玉を入れて、創作開始です。うまく出来るでしょうか?制限時間は佐藤九段の目かくし対局が終わるまでです。

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目かくし対局の間、大盤を前に頭の中で創作をする及川六段そして・・・

第7回将棋文化振興議員連盟総会_16 第7回将棋文化振興議員連盟総会_17
開始から10分もたたないうちに出来てしまいました!このあと及川六段は終局までに4問もつくってしまいました!

第二部のメイン イベント
佐藤康光九段による「目かくし対局」
第7回将棋文化振興議員連盟総会_18
お相手は国会議員の中でも強豪の村上誠一郎衆議院議員。
目かくしの佐藤九段に飛車落ちで対戦します!
佐藤九段の代わりに駒を動かしているのは石田直裕五段。秒読みは鈴木大介九段、記録は山根ことみ女流初段という豪華な顔ぶれです。
(目かくしに使われている手ぬぐいは大山十五世名人の揮毫入)

将棋盤が見えていなくても、全く変わらぬ様子で対局を続ける佐藤九段。プロの技が光りました。
(対局は村上議員が実力を発揮され、120手で勝利しました。)

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解説の田中寅彦九段と聞き手の山田久美女流四段(女流棋士会会長)

第7回将棋文化振興議員連盟総会_20

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第7回将棋文化振興議員連盟総会・日本将棋連盟との意見交換会、は終始和やかな雰囲気で開催され、無事お開きとなりました。

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