「将棋電王戦FINAL」第3局はやねうら王の勝利
更新:2015年03月30日 12:05
将棋電王戦FINAL(主催・株式会社ドワンゴ、公益社団法人日本将棋連盟)五番勝負の第3局は、3月28日(土)函館市「五稜郭」で行われ、コンピュータソフト「やねうら王」(開発:磯崎元洋、岩本慎/将棋電王トーナメント第3位)がプロ棋士の稲葉陽七段に116手で勝ちました。第4局は4月4日(土)に村山慈明七段と「Ponanza」(開発者:山本一成、下山晃/将棋電王トーナメント第2位)が奈良市「薬師寺」で対局します。
対局者 稲葉陽七段
「強いソフトということは分かっていたのですが、練習を重ねていく中でソフトを貸し出すことに対する対策はしていないと感じました。今回出場している5ソフトの中では作戦がたてやすいソフトだなと思っていました。その中で1番やってくる確率の高い戦型で優勢になるパターンを何通りか用意してきました。それで楽に勝ちたいという心のスキができてしまったのかなと思います。心の弱さと相手のほうの読みが上回っていたので完全に力負けです」
「やねうら王」 開発者:磯崎元洋氏
「まだ勝ったという実感はまったくないのですが、100%負けだと思っていたので、負けたときのセリフしか用意していなかったので何をいっていいか」
立会人 森 ?二九段
「こんなにソフトが強いと思わなかったです。はっきりいってプロのほうが勝つと思っていました。対局者の稲葉さんが少し気負いすぎていたかなと思います。そこをうまくソフトに突かれて、勝ちになってからの指しかたが見事でしたね。プロが指しているようでした。今回は残念な結果ですが、次の村山さんには頑張ってもらいたいです」
中川大輔 日本将棋連盟常務理事
「やねうら王さんは大変強かったのですが、劣勢になってからの稲葉さんの粘りも大変なものがあったと思います。今回は入玉絡みの将棋になりましたが、入玉したときにどういう結果になっていたのかというのも、見たかった気がします」
第4局対局者 村山慈明七段
「夕方ぐらいに私が着いたときには、稲葉さんがかなり厳しい形勢だったのですが、そこから入玉を巡る稲葉さんの粘り、勝たなければいけないという指し回しに、心を打たれました。私も次のPonanza戦では、しっかりとした気持ちの入った将棋を指さなければいけないと思います。1週間後に控えていますが、半年間しっかり自分なりに準備してきて、勝つつもりでいますので、一生懸命頑張りたいと思います」
大盤解説会は対局現地「函館金森ホール」と東京都港区「ニコファーレ」で行われました。対局・大盤解説などの模様は、株式会社ドワンゴと株式会社ニワンゴが運営する動画サイト「niconico」内のサービス「ニコニコ生放送」で生中継されました。
「将棋電王戦FINAL」の公式ホームページはこちらです。
対局会場の五稜郭
対局会場は五稜郭内の兵糧庫で行われた
中継レポートをする観戦記の船江恒平五段、室田伊緒女流初段
検討室の様子
現地解説会場となった函館金森ホール
解説会の様子