第27期竜王就位式レポート

糸谷哲郎新竜王の就位式が1月19日（月）、東京の帝国ホテルで約200人が集い行われました。合わせて竜王戦ランキング戦の優勝者へのメダル授与も行われました。式には師匠の森七段他関西からも大勢の関係者がお祝いに駆けつけ、式後はなごやかなパーティーも行われました。

　

谷川浩司　日本将棋連盟会長の主催者挨拶（上写真左）
これまで８人が竜王に就いているが、そのうち６人が初タイトル獲得が竜王です。竜王戦はスター誕生の棋戦とも言える。昨年6月に森一門の会に出席したときにハッパをかけたが、まさかこんな大活躍をするとは思いませんでした。ただし、今期の第4、5局は課題の残る対局だっただけに、これを克服して更なる活躍を期待しています。

老川祥一　読売新聞グループ本社取締役最高顧問の挨拶（上写真右）
今期竜王戦は世代対決、東西対決という二重構造の図式で興味深かった。糸谷新竜王は異色の棋士として有名だが、一方で将棋普及にも先頭に立っていると聞いています。若い世代の代表として今後の健闘を祈っております。

中村征樹　大阪大学准教授の祝辞
将棋が忙しく学校内では話すより良き飲み友達という感じです。回りからの生意気との噂とは打って変わり、面倒見の良い学生です。好奇心が旺盛で幅広い分野に興味を持っており、「将棋の世界」から見えている景色を聞いています。これからは一般の人にその景色を伝えていける架け橋となって活躍してほしい。

糸谷哲郎　新竜王の謝辞
（初のタイトル戦、第1局は初の海外、ということで、少しは英会話を勉強しなおしたのですが、ホテルの方も支部の方もすべて日本語、ちょっと拍子抜けしました。
シリーズは第4局がポイントでした。苦しい将棋を粘って逆転勝ちできたのが大きかったと思います。第5局も同様に苦しいところを粘ることができました。
結果、竜王位を奪取できて本当に嬉しく思います。
今後は竜王位の名に恥じない将棋を指していきたいと思います。

森信雄七段（師匠）の乾杯挨拶
初めて弟子がタイトル戦に出ただけでも嬉しく思っていたのに、こんな大きなタイトルを取ってくれ、本当に嬉しく思っています。
今後は大きな舞台で永く活躍してくれることを期待しています。

　
左写真：竜王推挙状授与。右写真：竜王杯授与。

　
左写真：1組優勝の羽生善治名人。右写真：2組優勝の行方尚史八段。

　
左写真：3組優勝の糸谷哲郎竜王。右写真：4組優勝の中村太地六段。

　
左写真：5組優勝の髙見泰地五段。右写真：6組優勝の藤森哲也四段。

　
左写真：第27期竜王戦各組優勝者。右写真：森信雄七段一門。

「妻（室田伊緒女流二段）の代理でまいりました」と、棋聖戦防衛戦の多忙の中、囲碁の井山裕太四冠もお祝いにかけつけてくれた。

また第27期竜王戦第2局、第3局でのチャリティーイベントの収益金104万6329円を社会福祉法人読売光と愛の事業団に寄付いたしました。