出版
将棋世界
昭和12年(1937年)創刊と、月刊誌としても古い歴史を持つ、日本将棋連盟発行の機関誌です。グラビアページや旬の将棋界の話題や特集記事、そしてタイトル戦をはじめとするプロ棋戦の情報、アマ棋界の情報なども掲載しております。また、別冊の付録や段位認定、懸賞問題なども毎号掲載。将棋界の「今」を俯瞰できる月刊誌です。
最新号ご案内
圧巻勝率！ 藤井聡太、７年連続８割超え
●特別インタビュー
・藤井聡太の将棋観―八冠の頭脳がリードする定跡最前線
前編 ２手目△８四歩の現在
・特集 第82期順位戦最終局 全クラスレポート
【Ａ級】すばらしき10人 記／田名後健吾
【Ｂ級１組】粘りの将棋で増田がＡ級へ 記／渡部壮大
【Ｂ級２組】髙見、石井が昇級 記／相崎修司
【Ｃ級１組】古賀・伊藤が自力勝利で昇級 記／相崎修司
【Ｃ級２組】昇級は関西勢の３人 記／藤本裕行
昇級者喜びの声
・公式戦800勝達成 青野照市九段「棋士人生50年と引退を語る」 構成／田名後健吾
●連載インタビュー
特典で取材動画が付いてくる！
・私の戦い方 vol.3後編 佐藤天彦九段
「自分の居場所」 インタビュー／島田修二
●公式戦ほか
・第49期棋王戦コナミグループ杯五番勝負 藤井聡太棋王vs伊藤匠七段
【第３局】見えないものが見える棋士 解説／藤井猛九段 構成／大川慎太郎
・岡田美術館杯第50期女流名人戦五番勝負 西山朋佳女流名人vs福間香奈女流四冠
【第４局】復位決めた 躍動！二枚角 記／本誌
・第17期マイナビ女子オープン挑戦者決定戦 北村桂香女流二段vs大島綾華女流初段
まっすぐに、ひたむきに 大島綾華の進む道 記／會場健大
●戦術特集
サバキと堅さの融合！ 三間飛車穴熊の復権
―現代流の考え方で再流行の兆し― 総合監修／杉本和陽五段
Chapter１ ミニインタビュー「三間飛車穴熊の魅力を語る」
Chapter２ 講座「三間飛車穴熊 ９つのテーマ」―流行形と押さえておくべきポイント―
Chapter３ 好局鑑賞「三間飛車穴熊の熱戦から手筋を学ぶ」
Chapter４ 次の一手「押さえておくべき必須手筋」
●講座＆読み物ほか
・角換わり水匠定跡の深層
第１回▲４五桂△４四銀型② 記／谷合廣紀四段、杉村達也（将棋ＡＩ「水匠」開発者）
・プロ棋界の最新定跡 記／あらきっぺ
・現代四間飛車新論 第６回「対△８四飛・△７三桂型金無双急戦」 講師／森本才跳四段
・不定期連載 プロも驚く仰天妙技
第７回 中合いの考え方 記／勝又清和七段
・それも一局 vol.05 武富礼衣女流初段
・リレーエッセイvol.41 「木のつながり」【文】相川春香女流初段
●付録 次の一手集「棋士たちの小学生大会」
創刊の背景
【戦前】
創刊号の発行所である博文館は、明治大正出版史に"博文館時代"という一時代を画した老舗で、棋界不振の明治初期から、定跡本や詰将棋の袖珍本を多く出版して、棋界振興に力がありました。
第1期名人戦を契機として、昭和12年に「将棋大成会公認」として創刊したのが、今日の「将棋世界」の始まりで、同15年に博文館から大成会に出版権が移って、名実ともに棋士団体の直営雑誌となりました。
表紙にしばしば掲載された『龍虎』の絵は、画壇の巨匠で将棋愛好家の梅原龍三郎のものです。洋画研究で渡米した山口愚仙画伯の描く、関西の「将棋雑誌」(明治44年)の表紙とともに、表紙絵の双へきといってよいでしょう。
【戦後】
「将棋世界」の復刊を担当したのは、加藤治郎・北楯修哉の両八段と奥野基芳五段・山川次彦四段(段位は当時)です。
検閲のためGHQ当局に出掛けて交渉したり、用紙不足で製紙会社や出版社を走りまわったりして、やっと再刊第一号(A5判・34ページ・２円50銭)を出したのは、昭和21年6月でした。
再刊第３号の8・9月合併号には、6月末までの順位戦73局について、「向飛車中飛車四間飛車などの古型が筆頭で十八局、次が相掛りで十六局、角換り角不換の腰掛銀が十三局、横歩取り十二局、其他十四局」と報じていますが、大きく揺れ動く敗戦後の世相さながらに、将棋戦法も戦前のものから、大きい質的な変革が始まりつつあることを物語っていました。
(参考文献：『[写真でつづる]将棋昭和史』)
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