銀河戦は豊島将之九段が6年ぶりの優勝を飾りました。棋王戦では増田康宏八段が2年連続の挑戦権を獲得しています。
第33期銀河戦決勝
【第1図は△3八竜まで】
第1図は第33期銀河戦決勝(▲豊島将之九段△藤井聡太竜王・名人)。豊島九段の猛攻をうまく受け止めて後手ペースの戦いでしたが、秒読みの中で先手がチャンスをつかんで局面は逆転模様です。▲4八歩が「大駒は近付けて受けよ」の手筋。△同竜なら▲5八金打で弾くことができます。実戦は△7四歩▲同金△6七銀に、金を温存した効果で▲8三金打と攻め合いました。以下△同飛▲同金に△7五桂と迫りますが、▲6六馬が堅い受けで先手玉はわずかに寄りません。この後も後手の勝負手をかいくぐり、豊島九段が6年ぶり2回目の優勝を果たしました。
写真:常盤秀樹
第51期棋王戦コナミグループ杯挑戦者決定二番勝負第1局
【第2図は▲6三とまで】
第2図は第51期棋王戦コナミグループ杯挑戦者決定二番勝負第1局(▲斎藤明日斗六段△増田康宏八段)。棋王戦は2期連続で挑戦者決定二番勝負が同じ顔合わせになりました。形勢は後手が勝勢で、あとはどう決めるか。△7五桂が「要の金を狙え」のセオリー通りの寄せ。自然と挟撃形も築ける厳しい攻めになっています。実戦は▲5三と△同角▲6四銀と迫りますが、△同角▲同歩で後手玉は安全な状況。△5六歩と攻めて一手一手に。勝者組の増田八段が第1局を勝ったことで、2年連続で挑戦権を獲得しました。
写真:紋蛇
第39期竜王戦ランキング戦4組
【第3図は▲5五銀まで】
第3図は第39期竜王戦ランキング戦4組(▲村田顕弘六段△山下数毅四段)。竜王戦で活躍して四段昇段を決めた山下四段は、異例の4組でデビュー戦となりました。後手ペースの終盤ですが、玉が露出しており技が掛かる危険もあります。△4二玉が「玉の早逃げ八手の得あり」の落ち着いた一手。この後も△3一玉~△3三銀と戦いの中で自玉を安全にしていき、秒読みの競り合いを制しました。
写真:飛龍
第39期竜王戦ランキング戦6組
【第4図は▲6一飛まで】
第4図は竜王戦ランキング戦6組(▲福間香奈女流六冠△生垣寛人四段)。生垣四段のデビュー戦で、棋士編入試験で対局することも決まっています。△1五歩が「三歩持ったら端に手あり」の習いある端攻め。▲同歩なら△1八歩▲同香△1七歩▲同香△2四桂の筋があります。実戦は▲4二歩△同金寄▲6五飛成でまぎれを求めましたが、△7七角成▲1五歩△1七歩▲同香△5五飛が好手で後手勝勢となりました。
写真:武蔵
伊藤園お~いお茶杯第67期王位戦予選
【第5図は△6六歩まで】
第5図は伊藤園お~いお茶杯第67期王位戦予選(▲伊藤沙恵女流四段△齊藤優希四段)。史上初の女流棋士のリーグ入りが掛かった予選決勝です。後手優勢の終盤でしたが、もつれて混戦になっています。▲2二歩△同玉▲4六桂が「桂は控えて打て」の反撃です。ただ、後手も△3三金右▲3五歩△7六銀▲3四歩△2四金が崩れない受けで、難解な形勢です。以下も際どい寄せ合いが続きましたが、最後は後手が抜け出しました。齊藤四段は予選初参加で嬉しいリーグ入りです。
写真:胡桃