△2四同角は有利?不利?矢倉における4六銀、3七桂型の攻め方とは【第88回 矢倉の崩し方】

今回のコラムも、矢倉で1筋の端歩を突き合っている形で4六銀、3七桂型から攻めていく指し方を解説していきます。それでは第1図です。

【第1図は▲2四同角まで】

いま、▲3五銀△同銀▲同角と3五の地点で銀交換になったあと、△2四銀と打った手に対し、▲同角と強攻したところです。前回のコラムでは、△2四同歩と取った手を見ていきました。▲4一銀が厳しそうに見えますが、△3三歩で大した効果がありませんでした。▲4一銀に代え、▲3三歩と打つのが堅いところを攻めているようでもうるさく、攻めがつながっていきました。

今回は、第1図から△2四同角としてくる手を見ていきます。ところで、第1図を見てあれ? 図面がいままでと違うじゃない。と思われるでしょう。これまでは、先手方の駒は攻撃陣だけの配置でしたが、△2四同角のところは5七や7九に成る手も見えますので、わかりやすいように今回は配置しておきました。

さて、2四の駒が角なので、桂を取られる心配はありません。ただし、△2七角、△2九角、△4九角などの反撃手段があって、先手にとって忙しい局面です。さて、2四にいる角を目標に、▲3五銀(第2図)と打ってみましょうか。

【第2図は▲3五銀まで】

△5一角なら重く▲3四銀打とかぶせていこうということですが、△3五同角▲同飛△3四歩とされると、銀と角の交換にはなりますが、そもそも▲2四同角△同角と角銀交換をしていますので、駒の損得がなくなるだけです。先手は▲3八飛と逃げるしかなく、そこで△4九角などの反撃を受けてしまいます。

また、第2図から強く△2九角と打たれても、▲2四銀は△3八角成、▲3九飛は△4七角成▲2四銀△同歩で、4七馬の存在が大きく、受け止められてしまいそうですね。

次に、△2四同角に▲1二歩の攻めも見えると思います。△同香に▲1一銀と打つ狙いですが、△3一玉▲2二銀打△4一玉▲2一銀不成△3四歩(第3図)とされると、1一の銀が取り残されてしまいそうです。

【第3図は△3四歩まで】

また、後手の飛車が8二などにいて、横利きが利いている場合はそもそもこの攻めが成立しません。では、前回同様に▲3三歩(第4図)と打ってみましょう。

【第4図は▲3三歩まで】

△4二金寄や△3一金は、▲3二銀が厳しい打ち込みですね。よって、△3三同桂▲同桂成と進みますが、△同金寄、△同金上のいずれも▲2五歩と突き出されると、△1三角には▲1五香があって後手は角を取られてしまいます。よって、△3三同角ですが、やはり今回も▲3五桂(第5図)が厳しそうな一着に見えます。

【第5図は▲3五桂まで】

ただし、前回は後手の2筋の歩が2四でしたが、今回は2三です。△4二金引と逃げ、▲3四銀△3一桂と受けられてももうひと押しが難しいです。

よって、第1図からは△2四同角で、先手不利とまでは言えないものの、どうも攻めきるのは難しいようです。

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