急戦矢倉の攻め方を覚えよう!△2二銀にはどう対応するべき?【矢倉の崩し方 vol.19】

前回のコラムでは、第1図より、▲4五歩△同歩▲同桂△4四銀と進んだ場合をご紹介いたしました。

【第1図】

ですが、最後に書きましたように、そうは進みません。では、後手はどう応じてくるのでしょうか? それを見ていきましょう。

▲4五歩△同歩▲同桂。ここまでは前回と同じですが、次の一手が違います。△2二銀(第2図)とこちらに引く手が仕掛けをとがめる好手です。

【第2図は△2二銀まで】

一見3一の角と3二の金もあり、4一の玉の囲いようがなくひどい壁形ですね。

ですが、よく見てください。この場合は4四に後手の駒がありませんよね。4四に銀がいれば4五の桂はなかなか死にませんが、第2図では次に△4四歩と打たれると桂が死んでしまいますので、忙しい局面です。

ゆっくりはできないので、後続の攻めを探してみましょう。第2図から、▲5五歩と突くのはどうでしょうか?△同歩▲同銀と進めば、△5四歩には▲4四銀と8八の角と協力して攻め込んでいけます。こうなれば大成功ですが、もちろんこうは進みません。△4四歩▲5四歩△同金(第3図)と進むと、4五の桂が取られてしまいます。

【第3図は△5四同金まで】

第3図から、▲5五銀とぶつけても△4五金とかわされながら桂を取りきられてしまい、これは失敗ですね。

それでは、「敵の打ちたいところへ打て」の格言通り、第2図から▲4四歩と打ってみましょう。△同金に▲4六銀と桂を支えます。次に、▲5五歩△同歩▲同銀左(▲同銀右は△4五金と桂を取られます)と進めば、一歩損しているものの、後手は壁形で、むしろ4四に金を呼んで当たりを強くしたことになりますね。これもこう進めば大成功なのですが、もちろんこちらもそうはうまく事は進みません。▲4六銀には△4三金引(第4図)が冷静な一着で、もう先手には4四へ打つ歩がありません。

【第4図は△4三金引まで】

結局△4四歩と桂を殺す手が防げず、これも失敗の図となってしまいます。それでは、もう4五の桂は諦めて、第2図から、▲4六銀はどうでしょうか? △4四歩には▲5五歩(第5図)と突いて△4五歩▲同銀と桂を犠牲に攻めていきます。

【第5図は▲5五歩まで】

これはなかなか有力で、歩切れの後手は受けきるのは大変でしょう。ですが、後手もすぐに△4五歩と取る必要はないので、別の手を指して▲5四歩のときに、△4五歩▲同銀△3三桂などと反発をしてきます。やってみると案外大変なところもありますが、やはり桂損は大きいのでオススメはできない指し方となります。

それでは、第1図からの正しい仕掛け方は?それを次回のコラムからご紹介していきましょう。

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