増田が開幕戦を制す 2月上旬の注目対局を格言で振り返る

 2年連続棋王戦で挑戦者となった増田康宏八段が、開幕戦を制してタイトル戦初白星をあげました。令和のゴールデンカードとなった朝日杯の決勝は、藤井聡太竜王・名人が勝って早くも5回目の優勝です。

第51期棋王戦コナミグループ杯五番勝負第1局

【第1図は▲6七玉まで】

 第1図は第51期棋王戦コナミグループ杯五番勝負第1局(▲藤井聡太棋王△増田康宏八段)。ねじり合いの中盤戦から、後手が駒をさばいて優位に立ちました。△7七歩が「要の金を狙え」の寄せ。▲同金なら守備力が弱体化するので、△3六馬と飛車を狙えば受けが難しくなります。実戦は▲7九金と辛抱しますが、平凡に△7八銀▲同金△同歩成と金をはがして後手勝勢となりました。前期は3連敗だった増田八段は、タイトル戦初勝利です。


写真:翔

ALSOK杯第75期王将戦七番勝負第3局

【第2図は△6二玉まで】

 第2図はALSOK杯第75期王将戦七番勝負第3局(▲永瀬拓矢九段△藤井聡太王将)。激しい戦いでしたが、先手がうまくリードしてそのまま終盤に入っています。▲6六馬が「馬は自陣に引け」の手堅い勝ち方。5七に利かして自玉の詰み筋を消しながら、8四桂も支えて▲8六角を狙っています。実戦は△8五金に▲8六銀△9五金▲同銀△6一金▲4五香と手堅く決めました。これで挑戦者の永瀬九段が2勝1敗とリードです。


写真:文

ユニバーサル杯第52期女流名人戦五番勝負第3局

【第3図は▲5九金寄まで】

 第3図はユニバーサル杯第52期女流名人戦五番勝負第3局(▲福間香奈女流名人△西山朋佳女流二冠)。後手は攻め駒が少ないですが、ふわっと△7五角がうるさい攻め。「玉飛接近すべからず」で7七の飛車が負担になっているため、先手も受け方が悩ましい局面です。実戦は▲6七玉△6九歩成▲同金△6六歩▲同銀△同角▲同玉△7四桂▲5七玉△6六銀で、悪形がたたる展開になり後手が抜け出しました。福間女流名人は85回目のタイトル戦で初のストレート負けとなりました。


写真:八雲

第19回朝日杯将棋オープン戦決勝

【第4図は▲7七金まで】

 第4図は第19回朝日杯将棋オープン戦決勝(▲伊藤匠二冠△藤井聡太竜王・名人)。令和のゴールデンカードが決勝となりました。直前に受けの妙手が出て、後手勝勢となっています。△6九金が「玉は下段に落とせ」の確実な寄せ。▲同玉に△7七馬で一手一手の形となり、先手の投了となりました。藤井竜王・名人は羽生善治九段と並び、最多タイとなる5回目の優勝です。


写真:武蔵

第37期女流王位戦挑戦者決定リーグ紅組

【第5図は▲5七銀まで】

 第5図は第37期女流王位戦挑戦者決定リーグ紅組(▲上田初美女流五段△大島綾華女流二段)。やや苦しい形勢から、後手が勝負形に持ち込みました。角を逃げるのは終盤の手ではありません。△3八角成▲同金△4七銀が「終盤は駒の損得より速度」の踏み込み。後手玉は穴熊で遠いため、強く戦える局面です。以下も難しい戦いが続きましたが、秒読みの中でうまくまとめた後手が競り勝ちました。紅組は奨励会経験者3人を含む激戦のリーグですが、大島女流二段は4連勝で最終戦を待たずして優勝を決めています。


写真:駒町

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