△2四歩と突く手にもガンガン攻めよう!矢倉における4六銀、3七桂型の攻め方とは【第86回 矢倉の崩し方】

今回のコラムも、矢倉で1筋の端歩を突き合っている形で4六銀、3七桂型から攻めていく指し方を解説していきます。それでは第1図です。

【第1図は▲3五同角まで】

いま3五の地点で銀交換が行われたところです。前回のコラムまでは、ここで△6四角と出てくる手を見ていきました。復習をすると、有力な攻め方は二つあり、▲1五香△同香▲3三歩と、単に▲3三歩と打っていくのが有力ということでした。

今回は、△2四歩(第2図)と突いてくる手はどうなるのかを見ていきましょう。

【第2図は△2四歩まで】

もちろん、このまま△2五歩と桂を取られてはいけません。ガンガン攻め続けていきましょう。第2図からはなにはともあれ▲3三歩と打つ一手です。対して△3一金は▲2四角と歩を取れますし、△2三金も▲3二銀の打ち込みが強烈です。よって、▲3三歩に金をかわす手は簡単に先手がよくなります。

また、△3三同金上(寄)と△3三同角は▲同桂成とすれば先手の駒得となってこれも先手よしですね。よって、後手は△3三同桂と取ってきます。ここで▲3三同桂成とするのは、△同金寄(第3図)で続く攻めがありません。

【第3図は△3三同金寄】

これは先手が歩切れになりますし、第3図から▲4六角として▲3四桂を狙うのも、△3四歩とキズを消されると後手陣の攻略が困難になってしまいます。しかし、△3三同桂と取らせたことで、4二にいる角の利きが止まりましたね。そこで、▲2四角(第4図)と桂取りになっていた歩を払うことができます。

【第4図は▲2四角まで】

第4図でもし後手がなにも対処をしてこなければ、平凡に▲3三桂成と取る手が厳しいです。△3三同金寄は▲同角成△同角▲3四歩△5一角▲3三銀とガリガリ攻めてもよいですし、▲3四桂△同金▲4二角成△同金▲3四飛でも十分です。また、△3三同角は▲同角成△同金上に▲2五桂が厳しいです。

第4図から△2三歩でも、▲3三桂成から突っ込んでいく攻めが厳しく、①△3三同金寄は▲同角成△同角▲3四歩、②△3三同金上も▲同角成△同角▲3四歩といずれも以下3三に金駒を打ち込んでいけば後手陣は崩壊します。③△3三同角も▲同角成△同金上▲2五桂で、△3四金直は▲6一角が厳しい(▲3四同飛△同金▲4三角でも決まる)ですし、△3二金は▲3三歩△4二金寄▲3二銀でこれも攻めきれます。△3四歩には平凡に▲3三桂成と金をはがして十分ですね。

また、第4図で△3四歩には、▲1二歩が好手で、△同香に▲1五香と走れば△同香は▲1三角成以下詰みですし、△2五桂は▲1二香成△同玉▲2五歩で先手よしです。第4図から△2五桂は、▲4二角成△同金引▲2五歩△3三歩▲2四歩(第5図)と2筋を伸ばしてこれも先手よしです。

【第5図は▲2四歩まで】

第5図からは、次にいきなり▲2三銀△同金▲同歩成△同玉▲3五桂とすれば後手玉は寄り筋となります。よって、第1図から△2四歩には、▲3三歩△同桂▲2四角で先手よしです。

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