6四に角が出てきたときは1筋に飛車を回そう!矢倉における4六銀、3七桂型の攻め方とは?【第69回 矢倉の崩し方】

今回のコラムも、矢倉における4六銀、3七桂型から攻めていく指し方を解説していきます。それでは第1図です。

【第1図は▲6八角まで】

いま3五で銀交換が行われ、△3四歩に▲6八角と引き揚げた局面です。前回までのコラムでは、ここで△2四歩と突いてくる手を見ていきました。

今回のコラムでは、△6四角と出てくる手を見ていきましょう。1九の香取りですが、▲4六歩と受けるのでは、6八の角筋が止まってしまいます。そこで△2四歩と突かれると、前回まで解説した形と違い、2四の歩を6八の角で取ることができなくなっていますので、攻め続けることが大変になっていきます。

では、▲4六角とぶつけるのはどうでしょうか? △同角▲同歩となれば、▲6一角と打って▲4一銀を狙うなどの攻めができるようにはなります。ですが、あいにく手番は後手。△4七角(第2図)と打たれると、▲2八飛は△3七銀、▲3七飛は△2九角成、▲3九飛は△4八銀と、飛車を目標にされてしまい、どうも先手が芳しくありません。

【第2図は△4七角まで】

では、△6四角に▲1八飛はどうでしょうか? △3七角成なら、▲3三歩(第3図)と打ってなかなかうるさい攻めが続きそうです。

【第3図は▲3三歩まで】

△3三同金寄は▲同桂成としておけば、馬は作られているものの金桂交換の駒得となって、先手が指しやすいでしょう。具体的には、▲3三同桂成に△同金は▲2五銀と打って▲1四歩△同歩▲同銀の攻めを狙うのもよいですし、もし後手の飛車が8二にいる形なら▲4六角とぶつければ、△同馬▲同歩と後手の馬を消すことができます。

第3図から、△3三同桂には▲4六角とぶつけたり、▲1四歩△同歩に▲1三銀! (第4図)という攻めも生じています。

【第4図は▲1三銀まで】

△1三同香は▲同角成△同玉▲1四飛△2二玉▲1一飛成まで、後手玉を詰ますことができますし、△3一玉も▲1四飛と走っておけば、▲2二銀成△同金▲1一飛成や、▲1二歩の攻めも残っていてこれも切れることはありません。

また、第3図で△4二金寄と辛抱する手も考えられます。これには、▲1三桂成と突っ込めば、△同香や△同桂は▲1四歩が厳しい突き出しですし、△3一玉と逃げるのも、▲3三歩を利かせた効果で▲2三成桂としてこれも先手よしです。

では、▲1八飛で先手がよいのかというと、そうでもありません。△2七銀(第5図)と打たれると、▲5八飛は△1九角成と根元の香を取られてしまいますし、▲1七飛も△2八銀不成▲1六飛△1九銀不成とされて結局香を取られてしまいます。

【第5図は△2七銀まで】

以下、▲4六角とぶつける手がありますが、△同角▲同歩△2八銀成で△3八角から飛車を攻める手が残っていますので、先手が成功とは言いにくいところでしょう。次回は、一気に攻めていく順を見ていきましょう。

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