桂馬を歩で攻められたときの対処法を学ぼう!矢倉における4六銀、3七桂型の攻め方とは?【第65回 矢倉の崩し方】

今回のコラムも、矢倉における4六銀、3七桂型から攻めていく指し方を解説していきます。それでは第1図です。

【第1図は▲6八角まで】

いま先手が銀交換をして▲6八角と引いたところです。前回までのコラムでは、ここで後手がなにも受けなかった場合について見てきました。△3四歩と打ってはいる形ですが、やはりここでも▲3三歩が厳しい攻めになりました。後手がもう少し手を入れてくる場合を考えてみましょう。候補は△2四歩、△3五銀、△2四銀です。それぞれ順番に見ていきましょう。

まずは、△2四歩と桂を殺そうとしてくる手です。対して、ぱっと思い浮かぶのは▲1三桂成でしょうか。△同桂なら▲1四歩で、△1二歩と受ける歩が後手にはないのでこれはあっさり先手よしですね。△1三同香は▲1四歩△同香▲同香△1三歩▲同香成△同玉▲1八飛(第2図)と進み、これも△1四歩と受ける歩がないので先手が指しやすいでしょう。

【第2図は▲1八飛まで】

第2図から歩の代わりに△1四香としても、▲1五歩△同香▲同飛△1四歩▲1八飛で▲2五歩や▲1七香の攻めが残っています。では、▲1三桂成に△同玉だとどうでしょうか? ▲1四歩△2二玉▲1三歩成△同香▲1四歩△同香▲同香△1三歩▲同香成△同玉(第3図)と、先ほど同様に攻め続けてみます。

【第3図は△1三同玉まで】

ここで、▲1八飛と回れば第2図と同じ形に見えますが、よく局面を見てください。後手の駒台に一枚歩が乗っていますね。△1四歩と受けられてたいしたことはありません。第3図から、▲2五歩と突いても△3五桂と角筋を止められると、どうもうまくいきません。

よって、△2四歩に▲1三桂成は△同玉で後手玉は露出してきますが、受け止められてしまいそうです。ほかの手を考えてみましょう。▲3三歩(第4図)はどうでしょうか?

【第4図は▲3三歩まで】

△3一金なら、4二にいる角の利きがなくなりますので、▲2四角と歩を取りながら桂を助けられますね。△2三金は▲3二銀の打ち込みが厳しいです。よって、この歩は取るしかありませんね。△3三同金寄は▲同桂成△同金に▲2五歩△同歩▲3六銀(第5図)くらいで金桂交換の駒得の先手がはっきりよいです。

【第5図は▲3六銀まで】

第5図から、△2六歩には▲2八飛ですし、△2四銀と打つのは▲同角△同金に▲4三銀の打ち込みが強烈です。△3三同角も、▲同桂成△同金寄▲2五歩△同歩▲2八飛(または▲3六銀)くらいでよいでしょう。いったんは攻めを受け止められる形になっても、角桂交換ではあまりにも駒損がひどいので、△3三同角と取られるケースはほぼないでしょう。よって、第4図では△3三同桂と後手は取る一手です。

次回のコラムでは、プロの実戦も見ながら桂で取ってきた場合について見ていきましょう。

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