3筋から合わせて行く手が好手!しかし相手の応手を読まないと...?【第34回 矢倉の崩し方】

今回のコラムも、矢倉に対して4七銀、3七桂型から攻めていく指し方を見ていきます。それでは第1図です。

【第1図は△3五歩まで】

いま先手が仕掛け、△4四銀と上がった手に対し、3五の角をいったん▲6八角と引き揚げて、△3五歩と打たれたところです。前回は第1図から、▲2四歩△同歩▲1五歩△同歩▲2五歩△同歩▲同桂と玉頭から攻める指し方と、▲4六歩と合わせる手を見ていきましたが、いずれもうまくいきませんでした。

第1図から、ほかに手段があるのかを、前回の宿題とさせていただきましたが、考えていただけましたか? それでは答え合わせといきましょう。正解は▲3六歩(第2図)と3筋から合わせて行く手です。

【第2図は▲3六歩まで】

△3六同歩▲同銀となれば、△3四金なら▲3五歩△3三金引▲4五銀と調子よく攻めていけます。▲3六同銀に△3五歩ともう一回打ってくる手には、▲3五同銀なら△同銀▲同角△4四銀で角取りと△3六歩が残って芳しくありませんが、▲4五銀△同銀▲同桂(第3図)となればどうでしょう。

【第3図は▲4五同桂まで】

第1図の局面から、先手は一手で4七の銀を4五に出て、守りの銀と交換できたことになります。第3図から、△4四歩には▲3三歩△同桂▲同桂成△同金寄に▲1五歩△同歩▲3五角として、次に▲1三歩から端を絡めて攻める手も残っていて、先手十分です。

以上、これにて先手十分、と答えられた方は、残念ながらまだ60点といったところです。この変化を読まれたうえで、第2図から後手の別の応手を考えられ、やっぱりうまくいかないんじゃないの? と読まれた方は70点の解答です。

では、70点までいかれた方の変化を見ていきましょう。第2図から、△3四金(第4図)と上がられる手がなかなかやっかいです。

【第4図は△3四金まで】

こうされると、4七の銀がうまく進出することができず、持ち歩もないから手がないじゃん。と、思われた方もおられるはずです。確かに▲3五歩としても△同銀(第5図)で次に△3六歩と打たれる手があります。

【第5図は△3五同銀まで】

第5図から、▲3五同角としても△同金でうまい後続手段がありません。△3五同金の次に指すとすれば▲4四歩でしょうが、やはり△3六歩と打たれる手が厳しいですし、一本△4六歩と突かれる手も生じています。ここまで読まれた方が、70点の解答です。

では、100点満点の解答はどう指し進めていくのか? こちらを次回のコラムで見ていきましょう。

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