6八角の利きを生かす!▲3四歩と突いてどんどん攻めよう!【矢倉の崩し方】

今回のコラムも、矢倉での4七銀、3七桂型から攻めていく指し方を見ていきます。それでは第1図です。

【第1図】

これまでのコラムでは、▲4五歩△同歩に▲同桂として、△4四銀に▲2四歩と突いて飛車先と角交換をしていく指し方、▲4六銀と力を溜めて▲3五歩と突いていく指し方を見ていきました。

では、この攻め方以外にも手段はあるでしょうか? 以前のコラムで、△4五同歩のときに二つの攻め方があると書いてあったことを覚えていらっしゃいますか? これまでは、もっとも自然に見えます▲4五同桂を調べてきました。さて、この攻め方以外は? となりますとどういう攻めが思いつきますでしょう?

4六の歩がいなくなりましたので、6八角の利きが通りましたね。それを生かすには? そうです。▲3五歩(第2図)と突くのが第二の攻め方です。

【第2図は▲3五歩まで】

これにはさまざまな対応がありますが、まずは後手がなにもしなかった場合を見ていきましょう。まっさきに、平凡に▲3四歩と取り込む手が見えますね。こちらはどうなるでしょうか? △3四同銀が形ですが、▲3五歩(第3図)と打たれると?

【第3図は▲3五歩まで】

3四銀の行き場所がありませんね。苦し紛れに△4六歩と突いてくる手は、▲同銀なら△3六歩▲3四歩△3七歩成となんとか銀桂交換に持ち込めますが(それでも▲3七同銀としておいて先手よしです)▲4六同角と角で取れば相変わらず桂頭は4七の銀が守っているので、後手の銀損はまぬがれません。よって、▲3四歩には△同金と取り返してきます。ここでは▲2四歩、▲3六銀など、先手にいろいろ手段がありますが、いちばんわかりやすい攻め方は▲3五歩と打ってしまう手でしょう。△4四金に▲3六銀(第4図)と上がれば、次の▲4五桂が厳しい狙いとして残ります。

【第4図は▲3六銀まで】

第4図から△4三金引には、▲4五桂△4四銀▲2四歩△同歩▲2五歩などと一気に攻める順も有力ですが、じっと▲4五銀△4四歩▲3六銀と一歩を手に入れておけば、次の▲3四歩がとても厳しい狙いになります。△同銀、△同金にいずれも▲3五歩と打ち直せば後手に逃げるスペースはなく、駒得しながら攻めていくことができます。

また、第2図からは、▲4五桂とする手もあります。△4四銀に▲4六銀(第5図)と出た局面はどこかで見ませんでしたか?

【第5図は▲4六銀まで】

第1図から▲4五歩△同歩▲同桂△4四銀▲4六銀のあと、後手がなにもせずに▲3五歩と突いて攻めていった前回のコラムに合流しますね。第2図で後手がなにもしなかった場合は▲3四歩でも、▲4五桂でも先手が指せます。どちらがオススメかというと、すぐに▲3四歩と取り込んでしまったほうがどんどん攻めていけますので、第2図で手番が先手のときは▲3四歩をオススメします。

では、次回のコラムでは第2図で後手が対応してきた場合を見ていきましょう。

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