あなたは何問解けますか? 伊藤果八段による詰将棋創作に役立つ5問

いよいよ最終回となりました。最終回は、創作に役立つ問題形式で楽しんで頂きたいと思います。意外なほどエキスが詰まっていますよ。

では第1問ですが、位置移動です。

【第1問 「位置移動」】

あれっ、この図、逆算式の基本図と同じだと記憶されていた方もおられたでしょう。さて、この図は3手詰ですが、盤面の駒を移動してマジックのように5手詰に変身させてください。それは1枚かも2枚かも......。所要時間は5分です。

続いて第2問は、置駒探しの1です。

【第2問 「置駒探し1」】

図は何も手を加えないと、頭金で詰みですね。そこで駒を1枚使って、7手詰に仕上げてみてください。玉方に3三銀と置いては、持駒が金銀では詰まなくなりますよ。大きなヒントを伝えますと、詰将棋創作とは面白いもので、玉方の駒を増やすこともあれば、攻駒を増やすなんて裏ワザもあるのです。所要時間は3分です。

第3問は、置駒探しの2です。

【第3問 「置駒探し2」】

図も、頭金までですね。これも駒を1枚使って、9手詰に仕上げてみてください。

玉方に2四金や、2五飛などが浮かびますが、それだと2三金、同金(または同飛)、3二飛までで3手詰となりまね。また1四銀と配置すると、持駒、飛金では詰まなくなります。そうか、わかった、攻駒2三桂を配置だ...惜しいですね。確かに2三桂と置くと、初手より3二飛、2三玉、2二飛成、同玉、2三金までなのですが、これでは5手詰となってしまい、間違いです。さあ、どうすれば9手詰にできるのでしょうか?かなりの難問です。所要時間は20分です。

不慣れな問題続きで頭の中、疲れていませんか。ちょっと休憩しましょうか......。

そうですか、大丈夫であれば続行しますね。

では続いて第4問は、持駒探しです。

【第4問 「持駒探し」】

図では持駒が無しですから、何か2枚増やして7手詰に仕上げて見てください。

えっ、金2枚でいいかって......確かに初手より2二金から清算して頭金以下の7手詰となりますね。でもこの手順では寂しすぎますよ。

やはり詰将棋らしい味が欲しいです。所要時間は10分です。

いよいよラストの第5問です。

驚かないでください。玉の配置を忘れた......いやいや、本問はその玉の位置探しなんです。

【第5問 「王様探し」】

持駒には金が2枚ありますから、もちろん使いますよ。5手詰に仕上げてみてください。

2三玉と置いて、2四金、3二玉、3三金打以下では歩が余るので不正解となります。また3二玉と置くと、4三金から3手詰ですからこれも違いますね。さてさて、玉はどこへ置きましょうか?所要時間は5分です。

いかがでしょうか?皆さん、問題を解くことができましたか?解答は、以下をご覧ください。

4回にわたり、詰将棋の魅力について書いてきました。普段、皆さんは詰将棋を解くことが多いかと思います。ですが、詰将棋を創ることでその面白さが何倍にもなります。ぜひ、トライしてみてください。

解答


【第1問 「位置移動」解答】

正解は、4二角を2二に移動。玉も1二に移動。これで初手より、1一角成、2三玉、3三馬、同玉、3四金までの5手詰。

【第2問 「置駒探し1」 解答】

正解は、攻駒2二角。詰み手順は、初手より、3二銀、同玉、3三金、2一玉、1一角成、同玉、2二歩成までの7手詰。

【第3問 「置駒探し2」 解答】

正解は、玉方1二銀。詰み手順は、初手より、2五飛、2四角、3二金、2三玉、4二金、3三玉、3二馬、4四玉、4三馬までの9手詰。

【第4問 「持駒探し」 解答】

正解は、飛金。詰み手順は、初手より、2二金、同金、2一飛、同金、同角成、同玉、2二金までの7手詰。

【第5問 「王様探し」 解答】

正解は、2一玉。詰み手順は、1一金、3二玉、4三金、2三玉、2四銀成までの5手詰。

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