初心者がはじめに覚えるべきこと。玉を守るための「囲い」とは?

将棋で、いちばん大切な駒はもちろん玉です。対局に勝利をするためには、敵陣を攻め、そして相手玉を詰ますのですが、自分だけ一方的に攻めて勝つというのは難しいことです。もちろん、攻めるということは大切なのですが、自玉をまったく見ずに、猪突猛進に攻め入ると、思わぬ流れ弾に当たったり、いつの間にか自玉が詰まされていたり、ということにもなりかねません。一例として第1図をご覧ください。

【第1図】

これは極端な例ですが、先手が自玉を囲わずに2筋からいきなり攻め込みましたが、カウンターで王手飛車を掛けられてしまったところです。こうなると、開始早々飛車損となってしまい、いきなりの必敗形となってしまいます。

また、駒落ちの将棋では第2図のようなトン死を食らって負ける、ということがあります。

【第2図】

こちらは部分図ですが、玉頭の5七にと金を作られ、取られた桂で王手されたら一発で詰んでしまった、という局面です。これも居玉の代表的な失敗例としてよく挙げられます。どちらも、自玉を見ずに攻めの手だけを指していった結果の失敗図でした。

では、反撃で流れ弾を食らったり、トン死をしないためにはどうすればよいのでしょうか? それは自分の玉をしっかり守るということです。例えば、いまの時代が戦国時代だったとしましょう。総大将が先頭に立ち、全軍を挙げて敵を見かけたらむやみやたらと突撃していく軍と、堅固なお城に入り、しっかりとした布陣を敷く戦い方をする軍とではどちらが勝つと思いますか?

答えは考えるまでもないと思います。そうはいってもどう守るの?と、思われる方もいらっしゃると思います。そこで、こちらのコラムでは、自玉を守るのにはどのような指し方があるかをご紹介していきます。

が、その前に、将棋には大きく分けて二つの戦法に分類されますので、そちらをご紹介しましょう。まずは第3図です。

【第3図】

これは「振り飛車」と呼ばれる戦法で、飛車を左辺に移動させて戦う指し方です。一般的に、飛車を5筋から左に移動させる指し方を振り飛車と言います。飛車が5筋なら「中飛車」、第3図のような6筋なら「四間飛車」、7筋なら「三間飛車」、第4図のように8筋なら「向かい飛車」と呼びます。

【第4図】

「六間飛車」や、「七間飛車」とは言わず、盤の左側から飛車の位置を数えます。振り飛車の特徴としては、玉の守り方が簡単ということです。そして、第5図のような指し方が「居飛車」と呼ばれる戦法です。

【第5図】

2筋に飛車が居たまま戦うので、そう呼ばれています。こちらの戦法は、振り飛車と比較すると、玉の守り方が難しくなるのですが、攻めが好きな方に向いている戦法です。

それでは、次回のコラムでは、どんな守り方があるのかをご紹介していきましょう。

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