今回は、2月19日に行われた第43期棋王戦予選の▲船江恒平六段ー△西川和宏六段戦を取り上げます。
二人は関西の同世代。普段から仲がよく、何をするにしても張り合うライバルです。と言うと互いに「いやいや、ライバルでもなんでもないですよ」と口を揃えます。公式戦の初手合では負けたほうが坊主になるという約束をして、西川六段が実行しました。本コラムの監修・畠山鎮七段は両者の間柄について「奨励会入会は船江君が1年先輩ですが、四段昇段は西川君が早かった。四段になったのが23、4歳。他人の人生がかかった勝負を負かすなど、血みどろの戦いをしてきています。共に『よく奨励会を抜けたなぁ』という思いがあるでしょうね」と話します。棋風も正反対です。船江六段は詰将棋作家としても有名な芸術肌ですが、西川六段は実戦で鍛えた将棋です。これまでの対戦成績は西川六段の3勝2敗です。6度目の対決は西川六段がゴキゲン中飛車に振ります。急戦を仕掛けた船江六段がリードを奪いました。第1図は▲6二竜と角を取ったところです。
【第1図は▲6二竜まで】
【第2図は△9七竜まで】
【第3図は△6二金まで】