ライバルは菅井七段と澤田六段。刺激だらけの世代でトップを目指す【斎藤七段インタビュー vol.4】

今回で最終回となる斎藤慎太郎七段のインタビューです。最終回は、ライバルやプライベートなことについても話していただきました。


撮影:池田将之

 ーー同世代のライバルについて教えてください。

「やはり菅井竜也七段と澤田真吾六段でしょうか。奨励会入会は同じ年でしたが、彼らはすごい早さで昇級昇段を重ねました。三段リーグは同時に入ることができ、やっと追付いたのですが、先に四段になられて実績を残されています。いまも追いかける存在。まだライバルではないですね」

 ーー斎藤さんも負けていないと思うのですが。

「100番指して五分の関係ならライバルだと思うのですが、いまは負け越すのではないかなと思います」
「特に菅井君とは小学生の頃からの知り合いで、意識していました。菅井君とはJT杯の子供大会で会ったのが初めてでした。ぼくは低学年、菅井君は高学年でクラスが違い、対戦はありませんでした。その後、小学生名人戦でテレビに出ていたので名前はハッキリ覚えていました」

 ーー同世代の棋士はやはり意識されますか?

「関東ではタイトル戦にも出た永瀬拓矢六段ですとか、佐々木勇気五段、千田翔太六段、青嶋未来五段など、ほかにも戦いたい棋士は多いですね。刺激だらけなのでいい世代です。いまは同じ世代の人たちが上位棋士をどんどん負かしています。大変な戦いですが、その中で一番になることが、トップに近づくことと同じで間違いないと思います」


第28期竜王戦ランキング戦5組で優勝した斎藤六段(当時)は、決勝トーナメントに出場。1回戦で千田翔太五段(当時)を下し、永瀬拓矢六段と対戦した。写真は、昼休後、再開の時のもの。撮影:常盤秀樹

 ーーほかの世界からの刺激はありますか?

「よく目にするのはスポーツですね。例えばプロ野球選手から出る言葉には、勝負の世界に身を置く人間としての迫力があります。年齢が近い人だと、大谷翔平選手の記事を見るのは楽しみです。あまりにすごすぎて刺激とはちょっと違うのですが。阪神タイガースでは藤浪晋太郎選手の記事は見たいですし、登板する日は試合も見ようかなという気になります。刺激を受けるとかではなくても、自分も将棋界という場所でトップを目指そうという気持ちがより強くなりますね」

 ーー健康面で気をつけていることはありますか?

「対局や仕事の打ち上げで遅くなるときを除けば、午前0時までには布団に入るようにしています。午前6時には起きています。棋士は夜型の人が多そうなんですけど、自分は朝が強いほうで寝坊をした経験は一度あるかないかくらいです」


イベントでの斎藤六段。撮影:池田将之

 ーー気分転換にはどのようなことをしていますか?

「食べることは好きですね。自分で調べたり、友人が教えてくれたりした店の情報がスマートフォンのメモに入っています。休日に一件ずつチェックしていくのが一つの楽しみです。健康は食事からだと思っていまして、できるときは自分で作っています。外で好きな物を食べるために、家では野菜中心にしています」

 ーーほかにはありますか?

「休みたいときは旅行や温泉ですね。遠出したこともありますけど、近くのスーパー銭湯で半日くらいノンビリすることもあります。癒やしは食べて温泉に入るとオーケーです。アクティブなことはまだ分かりませんが、この前参加したマラソンは好みだったので続けたいですね。ただ、寒くなってくるのでその勇気があるかどうか(笑)。あとは登山にも興味があります。自分をいじめ抜くのが好きな性分のようです。球技はプレーするよりも見るほうがいまは好きですね」

 ーーラーメン好きだと伺ったのですが、関西将棋会館の近辺でオススメの店はありますか?

「大阪だと90数件は回りました。最近よく行くのはJR福島駅から徒歩2分くらいの『燃えよ 麺助』。そこと関西会館の近くにある『ラーメン人生JET』がいいと思います。僕は醤油や塩系が好きでして、JETは醤油、麺助はかも醤油というのが新しくてよいなと思いました。福島は人気店が増えてしまったので、気軽に入れる店が少なくなったのが少し寂しいところです。昔は1時間以上並ぶのも平気でしたが、最近は20分くらいが限界です」

機会があれば、ラーメン党の斎藤七段がお勧めのお店に行き、そのラーメンぜひ味わってみてはいかがでしょうか? ソフトな語り口で今時の好青年を感じさせる斎藤七段の活躍に期待したいと思います。

取材協力斎藤慎太郎七段

2004年に6級で畠山鎮七段に入門。2012年に四段。2017年に七段。第43回将棋大賞で勝率一位賞・新人賞を受賞。

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