【今日は何の日?】11月17日は「将棋の日」。実はその由来、徳川吉宗の時代にあった。

11月17日は「将棋の日」。日本将棋連盟が1975年に制定したものだ。これは江戸時代中期から御城将棋が11月17日(旧暦)に行われていたことにちなむ。

御城将棋とは、江戸時代に江戸城の御黒書院(おんくろしょいん)で、徳川将軍の御前で年に1回行われた対局のこと。17世紀から行われていたが、しばらくの間は対局日が年によってまちまちだった。八代将軍徳川吉宗の時代(1716年)になって、御城将棋の式日が11月17日と定められた。なお、関西将棋会館5階の対局室は、御黒書院を模した造りになっている。

1975年11月17日に第1回「将棋の日」のイベントが、東京都台東区の「蔵前国技館」で開催された。芹沢博文九段が企画したこのイベントに約8,000人のファンが集まり、NHKが当日の模様を放送した。

目玉企画は第14期十段戦(竜王戦の前身棋戦)七番勝負第2局▲中原誠十段-△大山康晴棋聖戦の1日目午後の対局が土俵上で指されたこと。渋谷区「羽澤ガーデン」で指された対局を中断し、蔵前国技館に移動して指し継いだ。封じ手の模様も披露された。数十分ではあるが、タイトル戦を公開で行ったことは当時としては画期的だった。なお、対局は大山の四間飛車に中原が5筋位取りで対抗して勝った。

このイベントの成功により、「将棋の日」が定着。40年以上がたった現在も、イベントが全国各地、持ち回りで開催され、NHKで放送されている。2015年の前回は大山康晴十五世名人や大山十五世の師匠である木見金治郎九段の出身地である岡山県倉敷市、今年は1612年に将棋や囲碁の上手に俸禄を与えた徳川家康ゆかりの静岡市で開催された。

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