第75期名人就位式レポート
更新:2017年07月24日 18:05
7月21日(金)、東京都文京区「ホテル椿山荘東京」にて第75期名人就位式が行われました。当日は、将棋ファンや関係者など約450人が集まり、和やかなパーティとなりました。
主催者あいさつ
丸山昌宏・毎日新聞社代表取締役社長
渡辺雅隆・朝日新聞社代表取締役社長
佐藤康光・日本将棋連盟会長
推戴状授与 賞金目録贈呈
協賛社あいさつ・記念品贈呈
辻朋紀・大和証券グループ本社執行役員
来賓祝辞
鈴木正文・『GQ JAPAN』編集長
花束贈呈
伊藤かりん(乃木坂46)
佐藤天彦名人謝辞
「このたび僕にとっては初めての名人位を防衛することができました。本当にうれしく思っております。
初防衛戦だけでも自分にとっては大変なものでしたが、今回は電王戦という、人ならざるものとの戦いも同時並行でありました。研究が1月中旬から始まっていました。本来であれば名人戦の準備にあてるような期間を、電王戦の研究にあてることになり、初防衛戦とは違った、より大きな戦いになったなと感じていました。
名人位を守りたいというのは当然ながらあり、しかし、新しい価値観や感覚を取り入れることにも興味がありました。僕の場合は守りに入るよりも、新しく出てきた興味、それに対するモチベーションを大切にし、名人戦では挑戦的な将棋を指していたつもりです。それが功を奏したのかはわかりませんが、結果的には名人を防衛することができました。
第3局は長崎で開催され地元のファンの方から「先生、次からどうか頑張ってください」と、応援というよりも懇願に近い声をかけていただきました。他人の勝負をこんなにも思ってもらえているのかと感じ、ありがたみや大切さを感じました。
電王戦との同時並行など、大変なことはあっても、そういった気持ちや自分自身の将棋に対する愛情などを大事にすることが、名人戦を戦い抜くためには大切だと思い直し、第4局以降、勝つことができた、戦い抜くことができたと思います。
いまは藤井聡太さんという新しいスターが出てきましたし、僕自身が相まみえたように、コンピュータ将棋が新しい可能性を示すなど、本当に新しい時代が幕を開けている時だと思います。若い世代との戦い、コンピュータ将棋との距離感、いろいろな価値観が錯綜(さくそう)する将棋界ですので、スムーズな旅とはいかず、もがきながらになるかと思いますが、皆さまには末永く将棋界を見守っていただければと思っております」
乾杯
岸川仁和・甲府市副市長