棋聖戦は豊島八段が羽生棋聖を破り初タイトル獲得。竜王戦は久保王将、深浦九段が準決勝へ【7月14日~7月20日の注目対局結果】

更新:2018年07月21日 12:00

7月7日(土)~7月13日(金)に行われた注目対局の結果をご紹介します。今週は注目対局が盛りだくさんの一週間でした。

最終局までもつれたヒューリック杯棋聖戦は、豊島将之八段が羽生善治棋聖を破り、3勝2敗で自身初のタイトル獲得。31年ぶりに複数のタイトル保持者が不在となり、八大タイトルを1つずつ分け合う群雄割拠の状態となりました(近年のタイトル保持者一覧など詳しくはこちら)。

竜王戦は決勝トーナメント2対局が行われ、久保利明王将が増田康宏六段を、深浦康市九段が豊島棋聖を破り準決勝へ進出。ベテラン棋士の貫録を見せました。

※段位・成績は対局当時のもの

第31期竜王戦

【決勝トーナメント】久保利明王将が増田康宏六段に勝ちベスト4進出

○久保利明王将-●増田康宏六段

第31期竜王戦決勝トーナメントで、久保利明王将(1組4位)VS増田康宏六段(4組優勝)の対局が7月19日に行われ、久保王将が85手で増田六段を破り、ベスト4に勝ち進みました。

次戦は、1組優勝の広瀬章人八段と対局します。

久保王将は第7期より本棋戦に参加。1組在籍は12期目です。挑戦者決定三番勝負進出は2回で、第23期に羽生善治竜王に、第24期には丸山忠久九段に敗れています。

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写真左:久保利明王将/写真右:増田康宏六段

【決勝トーナメント】深浦康市九段が豊島将之棋聖に勝利し、準決勝進出

●豊島将之棋聖-○深浦康市九段

第31期竜王戦決勝トーナメントで、豊島将之棋聖VS深浦康市九段の対局が7月20日に行われ、深浦九段が179手で豊島棋聖を破り、準決勝へ勝ち進みました。

次戦は、三浦弘行九段と対局します。

深浦九段は第5期より本棋戦に参加しており、対戦成績は82勝47敗(0.636)、決勝トーナメント進出は10回です。

前期自身初の降級となり、今期は第20期以来の2組出場となりました。

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写真左:豊島将之棋聖/写真右:深浦康市九段

第31期竜王戦決勝トーナメント対戦表
第31期竜王戦決勝トーナメント対戦表

第77期順位戦

【B級1組】行方尚史八段が屋敷伸之九段に勝ち3勝0敗に

○行方尚史八段-●屋敷伸之九段

第77期B級1組順位戦で、行方尚史八段VS屋敷伸之九段の対局が7月19日に行われ、行方八段が102手で屋敷九段に勝ち、3勝0敗としました。

次戦は、行方八段は山崎隆之八段と、屋敷九段は畠山鎮七段と対局します。

行方八段は第53期より本棋戦に参加しており、A級在籍は6期。前期A級で降級したため、今期は第71期以来のB級1組です。

また、行方八段は4連勝となりました。

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写真左:行方尚史八段/写真右:屋敷伸之九段[名人戦棋譜速報より]

【B級1組】谷川浩司九段が斎藤慎太郎七段に勝ち2勝1敗に

○谷川浩司九段-●斎藤慎太郎七段

第77期B級1組順位戦で、谷川浩司九段VS斎藤慎太郎七段の対局が7月19日に行われ、谷川九段が203手で斎藤七段に勝ち、2勝1敗としました。

次戦は、谷川九段は木村一基九段と、斎藤七段は松尾歩八段と対局します。

谷川九段は第44期より本棋戦に参加しており、A級以上在籍は32期。名人戦登場回数は11回、タイトル獲得は5期で、永世称号の十七世名人の資格を持っています。

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写真左:谷川浩司九段/写真右:斎藤慎太郎七段[名人戦棋譜速報より]

【B級2組】中村太地王座が先崎学九段に勝ち2勝0敗に

○中村太地王座-●先崎学九段

第77期B級2組順位戦で、中村太地王座VS先崎学九段の対局が7月18日に行われ、中村王座が108手で先崎九段に勝ち、2勝0敗としました。

次戦は、中村王座は藤井猛九段と、先崎九段は飯塚祐紀七段と対局します。

中村王座は第65期より本棋戦に参加。B級2組は今期で3期目です。

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写真左:中村太地王座/写真右:先崎学九段[名人戦棋譜速報より]

【B級2組】永瀬拓矢七段が藤井猛九段に勝ち2勝0敗に

●藤井猛九段-○永瀬拓矢七段

第77期B級2組順位戦で、藤井猛九段VS永瀬拓矢七段の対局が7月18日に行われ、永瀬七段が93手で藤井九段に勝ち、2勝0敗としました。

次戦は、永瀬七段は大石直嗣七段と、藤井九段は中村太地王座と対局します。

永瀬七段は第69期より本棋戦に参加。前期C級1組で9勝1敗の好成績をおさめ、昇級しました。

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写真左:藤井猛九段/写真右:永瀬拓矢七段[名人戦棋譜速報より]

【C級1組】都成竜馬五段が堀口一史座七段に勝ち1勝1敗に

●堀口一史座七段-○都成竜馬五段

第77期C級1組順位戦で、堀口一史座七段VS都成竜馬五段の対局が7月17日に行われ、都成五段が54手で堀口七段に勝ち、1勝1敗としました。

次戦は、都成五段は近藤誠也五段と、堀口七段は杉本昌隆七段と対局します。

都成五段の今年度成績は11勝5敗(0.6875)。対局数ランキング、勝数ランキング、連勝ランキングでベスト5にランクインしています。

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写真左:堀口一史座七段/写真右:都成竜馬五段[名人戦棋譜速報より]

【C級1組】村田顕弘六段が日浦市郎八段に勝ち2勝0敗に

○村田顕弘六段-●日浦市郎八段

第77期C級1組順位戦で、村田顕弘六段VS日浦市郎八段の対局が7月17日に行われ、村田六段が108手で日浦八段に勝ち、2勝0敗としました。

次戦は、村田六段は阿部健治郎七段と、日浦八段は森下卓九段と対局します。

村田六段は今期がC級1組4期目で、前期は5勝5敗でした。今年度成績は9勝1敗(0.9000)と好調で、勝数ランキング、勝率ランキング、連勝ランキングでトップ20にランクインしています。

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写真左:村田顕弘六段/写真右:日浦市郎八段[名人戦棋譜速報より]

【C級1組】佐々木勇気六段が安用寺孝功六段に勝ち1勝1敗に

●安用寺孝功六段-○佐々木勇気六段

第77期C級1組順位戦で、佐々木勇気六段VS安用寺孝功六段の対局が7月20日に行われ、佐々木六段が163手で安用寺六段に勝ち、1勝1敗としました。

次戦は、佐々木六段は高橋道雄九段と、安用寺六段は真田圭一八段と対局します。

佐々木勇六段の本棋戦成績は49勝22敗(0.690)。第76期順位戦C級1組において9勝1敗の好成績を挙げましたが、順位差で惜しくも昇級を逃しています。


写真左:佐々木勇気六段/写真右:安用寺孝功六段[名人戦棋譜速報より]

【C級1組】藤井聡太七段が森下卓九段に勝ち2勝0敗に

●森下卓九段-○藤井聡太七段

第77期C級1組順位戦で、森下卓九段VS藤井聡太七段の対局が7月20日に行われ、藤井七段が104手で森下九段に勝ち、2勝0敗としました。

次戦は、藤井七段は西尾明六段と、森下九段は日浦市郎八段と対局します。

藤井七段の今年度成績は11勝3敗(0.786)。対局数ランキング、勝数ランキング、勝率ランキング、連勝ランキングでトップ10にランクインしています。


写真左:森下卓九段/写真右:藤井聡太七段[名人戦棋譜速報より]

【C級2組】三枚堂達也六段が今泉健司四段に勝ち2勝0敗に

●今泉健司四段-○三枚堂達也六段

第77期C級2組順位戦で、今泉健司四段VS三枚堂達也六段の対局が7月19日に行われ、三枚堂六段が155手で今泉四段に勝ち、2勝0敗としました。

次戦は、三枚堂六段は長谷部浩平四段と、今泉四段は杉本和陽四段と対局します。

三枚堂六段は第73期より本棋戦に参加しており、対戦成績は29勝13敗(0.6905)です。今年度成績は9勝4敗(0.6923)で、対局数ランキング、勝数ランキングでトップ20にランクインしています。

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写真左:今泉健司四段/写真右:三枚堂達也六段[名人戦棋譜速報より]

第4期叡王戦

【予選七段戦】斎藤慎太郎七段が勝ち進む

●川上猛七段-○窪田義行七段
●窪田義行七段-○斎藤慎太郎七段

第4期叡王戦予選七段戦で、窪田義行七段VS川上猛七段の対局が7月14日に行われ、窪田七段が154手で川上七段に勝ちました。

また、同日に行われた、窪田義行七段VS斎藤慎太郎七段の対局では、斎藤七段が103手で窪田七段を破り、勝ち進みました。

斎藤七段は前期の七段戦で3回戦まで勝ち進み、本戦出場まであと1勝としましたが、惜しくも小林裕士七段に敗れました。

第44期棋王戦

【挑戦者決定トーナメント】羽生善治竜王が宮田敦史七段を破り勝ち進む

○羽生善治竜王-●宮田敦史六段

第44期棋王戦挑戦者決定トーナメントで、羽生善治竜王VS宮田敦史七段の対局が7月20日に行われ、羽生竜王が95手で宮田七段を破り、勝ち進みました。

次戦は、広瀬章人八段と対局します。

羽生竜王の本棋戦初参加は第12期。五番勝負登場は17回、タイトル獲得は13期で、永世称号の永世棋王の資格を持っています。

第89期ヒューリック杯棋聖戦

【五番勝負第5局】豊島将之八段が羽生善治棋聖に勝ち、初タイトル獲得

●羽生善治棋聖-○豊島将之八段

羽生善治棋聖に豊島将之八段が挑戦する、第89期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負の第5局が7月17日(火)に東京都千代田区「都市センターホテル」で行われ、豊島八段が108手で羽生棋聖に勝ち、3勝2敗として、タイトルを奪取しました。

豊島八段は、本棋戦が5回目のタイトル挑戦で、悲願の初タイトル獲得となりました。

また本局の結果により、タイトルを1つずつ分け合う群雄割拠の状態となりました。これは、七大タイトルの在位者が7人だった1987年以来31年ぶりとなります。

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写真左:羽生善治棋聖/写真右:豊島将之八段

第27期銀河戦

【予選】藤井聡太七段が藤原直哉七段に勝ち、本戦ブロック進出

○藤井聡太七段-●藤原直哉七段

第27期銀河戦予選、藤原直哉七段VS藤井聡太七段の対局が7月18日に行われ、藤井七段が80手で藤原七段に勝ちました。

藤井七段は10月より放送される本戦ブロック進出となります。

これで藤井七段の今年度成績は11勝3敗(0.786)。対局数ランキング、勝数ランキング、勝率ランキング、連勝ランキングでトップ20にランクインしています。

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