日課と詰将棋――藤倉勇樹五段

日課と詰将棋――藤倉勇樹五段

ライター: 藤倉勇樹  更新: 2021年01月11日

今回のコラムでは、日課について触れてみたいと思います。

毎日欠かさず行っていることは、ランニングと腕立て伏せです。
ランニングは2~3キロ、腕立て伏せは毎日20回と回数自体は多くないのですが、毎日続けることが大切だと思っています。ランニングは10年、腕立て伏せは3年になりますが、開始前と比べるとだいぶ体力がつきました。

考えていることの整理や、新しいアイデアが浮かんできたりするので、ランニングはとても役に立っています。逆に悩んでいる時などは、何も考えず走る事で、すっきりすることができます。
取り組み始めた当初は、すぐに結果(体重減)が出ていましたが、現在はキープがやっとの状態。太りやすい体質ということもあり、やらなくなるとすぐにスーツのベルトがきつくなるので、休めません。

体重維持で気を付けていることは、「毎日体重計に乗る」です。

現状を把握しておく意味でも鉄則としており、乗らなくなった時は危険信号です。
予定が立て込んでいる時などは、やりたくない日もありますが、「何も考えずやる」が大事かなと考えています。とりあえずやる習慣を身につければ、当たり前の感覚になってきます。
毎日取り組んだ結果をカレンダーに書き込むことで、達成感やモチベーションアップに繋がります。腕立て伏せは数日サボってしまうだけで、取り戻すのが大変です。

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(一ヶ月が埋まっていくことで、達成感が得られます。)

毎日取り組むと言って思い浮かぶのが詰将棋。(強引ですみません。)
棋力アップに繋がると言われていますが、最も人気のない勉強法と言えるでしょう。ただし、強くなるためには避けられない道でもあります。

毎日続けるコツとしては、

(1)簡単な詰将棋から解いていく(一日5~10分程度)
⇒自分が解く際に、ストレスを感じない手数から挑戦してみるのが良いでしょう。一週間から二週間ほど続けていくうちに、苦手意識は少し解消されるはずですし、一ヶ月も続ければ克服が可能です。

(2)慣れてきたところで、取り組む時間を増やす、もしくは少し難しめの問題を解く
⇒一日10分程度からその都度、5分ぐらいずつ増やしていき、20分~30分が確立できるようにとなれば理想の形です。難しめの問題に挑戦して解いていけると良いのですが、なかなか解けず嫌になるかもしれません。手数を変えずに難易度を上げる方法があります。

★反対側から解いてみる
⇒盤面をひっくり返して玉方(相手側)から解いてみましょう。
攻められる立場になるので、自分にとって嫌な筋を考えるようになり、逆転負けが減らせるようになるはず。ただし、通常より倍ぐらい難しくなるイメージです。
上記で詰将棋を克服できれば良いのですが、問題を見るのも嫌という方もいるかもしれません。そんな方には以下の方法がお勧めです。

★解答を見る
初めて見た方は驚かれたかもしれません。解かなくても大丈夫です。「詰みの形を覚える」のが大切です。正解手順を追いながら、基本手筋をインプットしていきます。何度も繰り返しているうちに、詰みの形が入っているはずです。
三手~五手の基本手筋を覚えるだけで終盤力を上げることができます。
上記でもカバーはできるのですが、読みの力をつけるには、地道に取り組むのが一番の近道とも言えます。

無理のない範囲で取り組んでみて下さい。

私のシリーズ

藤倉勇樹

ライター藤倉勇樹

1979年10月23日生まれ。東京都新宿区出身。桜井昇八段門下。
日本将棋連盟の「子供将棋スクール」で長らく講師を務めた経験から、現在は志木こども将棋教室東新宿こども将棋教室で将棋教室を開講中。元々は振り飛車党だったが、最近では矢倉など居飛車も多く指している。映画「聖の青春」やTVドラマ「やすらぎの郷」で将棋監修として携わっている。

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