予選Bリーグがスタート。第3回AbemaTVトーナメント ~5月2日放送、予選Bリーグ1回戦・チーム天彦VSチーム稲葉 事前特集~

予選Bリーグがスタート。第3回AbemaTVトーナメント ~5月2日放送、予選Bリーグ1回戦・チーム天彦VSチーム稲葉 事前特集~

ライター: 紋蛇  更新: 2020年05月02日

*前回の記事:決勝進出チームが決定。第3回AbemaTVトーナメント ~4月25日放送、予選Aリーグ3回戦・チーム三浦VSチーム久保戦の振り返り~

第3回AbemaTVトーナメントは、5月からBリーグが開始される。
2日に放映されるのは、「チーム天彦」と「チーム稲葉」の対戦。チーム天彦のメンバーは、佐藤天彦九段、斎藤慎太郎八段、阿部光瑠六段。チーム稲葉は稲葉陽八段、佐々木大地五段、山崎隆之八段だ。

まずは、各棋士の棋風、早指し棋戦の実績(今回は持ち時間が1時間未満の公式戦のみで、終了・休止棋戦はのぞく。該当するのは朝日杯将棋オープン戦、銀河戦、NHK杯、将棋日本シリーズJTプロ公式戦、YAMADAチャレンジ杯)を簡単に紹介しよう。

チーム天彦 棋風と早指し棋戦実績

佐藤九段 居飛車党で受け将棋だが、近年は序盤から積極的に仕掛けることが多い。優勝経験は2018年度の銀河戦。2015年度に銀河戦、2016年度にJTプロ公式戦で準優勝した。

斎藤八段 詰将棋で鍛えた終盤力を武器にする居飛車党で、丁寧な指し回しを得意にする。最高戦績は、2019年度のNHK杯ベスト4入り。

阿部六段 オールラウンダーの早見え早指し。朝日杯将棋オープン戦、銀河戦、NHK杯をあわせた勝率は6割4分5厘で、通算勝率より高い。最高戦績は2011年の第5回朝日杯将棋オープン戦でベスト8。

3abema_0502_02.jpg
写真左から:阿部六段、斎藤八段、佐藤九段

チーム稲葉 棋風と早指し棋戦実績

稲葉八段 居飛車党で、不安定な玉形でも指しこなすバランス感覚に長けている。2013年に銀河戦で優勝。2017、2019年度のNHK杯戦で準優勝。

佐々木五段 師匠の深浦康市九段譲りの粘り強い指し回しが持ち味。居飛車党で、得意戦法は相掛かり。最高戦績は2017年の銀河戦でベスト8。早指し棋戦の通算勝率は、6割6分7厘。AbemaTVトーナメントには、第1回から連続で3回目の出場。

山崎八段 独特な作戦を好むオールラウンダー。逆転術にも定評がある。2004、2017年度のNHK杯戦、2017年度のJTプロ公式戦で優勝。2010年にJTプロ公式戦で準優勝。AbemaTVトーナメントには第1回に続いて、2回目の参加。

3abema_0502_03.jpg
写真左から:稲葉八段、山崎八段、佐々木五段

実績やフィッシャールールの経験を考えると、チーム稲葉が一歩リードといったところ。次はチーム天彦、チーム稲葉のメンバー同士による対戦成績を紹介する。

対戦成績

佐藤―稲葉 佐藤の9勝3敗
佐藤―佐々木大 佐藤の2勝0敗
佐藤―山崎 山崎の4勝3敗
斎藤―稲葉 斎藤2勝、稲葉2勝
斎藤―佐々木大 斎藤の1勝0敗
斎藤―山崎 山崎の4勝3敗
阿部―稲葉 過去に対戦無し
阿部―佐々木大 佐々木の2勝0敗
阿部―山崎 山崎の1勝0敗

対戦成績で大きく差がついているのは佐藤―稲葉。山崎はすべての相手に勝ち越している。オーソドックスにオーダーを組むなら、先鋒に最も若い阿部と佐々木、中堅に斎藤と山崎、大将はチームリーダーの佐藤と稲葉が予想される。その場合、対戦成績だけで相性を考えると、分があるのはチーム稲葉だ。

もしオーダーに変化をつけるとすれば、チーム天彦でキーになるのは阿部。佐藤と斎藤は居飛車党で最新形を好むが、阿部はオールラウンダーなので作戦が読まれにくい。佐々木や稲葉のオーソドックスな居飛車党に当たれば、用意してきた作戦で積極的にペースを握りやすい。

チーム稲葉は山崎と佐々木をどう使うか。山崎は序盤から自分の土俵に引きずり込む力強さがあるので、斎藤や佐藤に当てれば力を発揮しやすい。若手強豪の佐々木は、ドラフトで佐藤が1巡目に指名しようとしたことからも、その実力は高く評価されている。相手チームのリーダー、佐藤が相手でも連勝する可能性は大いにある。

盤上の攻防もさることながら、どんなオーダーを組むのかにも注目したい。予選Bリーグ1回戦「チーム天彦VSチーム稲葉」戦は、AbemaTV将棋チャンネルで5月2日(土)19時から放送される。

3abema_0502_01.jpg

■ABEMAプレミアムで公開中(登録必要・初月無料)
ドラフトと予選の動画一覧はこちら>>

「将棋界初」ドラフト会議開催! 豊島竜王・名人、渡辺三冠ら11名首脳陣集結!
予選Aリーグ第一試合<チーム豊島 VS チーム久保>
予選Aリーグ第二試合<チーム豊島 VS チーム三浦>
予選Aリーグ第三試合<チーム久保 VS チーム三浦>

Abema_1.jpg

AbemaTV将棋チャンネル 第3回AbemaTVトーナメント>>

AbemaTVトーナメント

紋蛇

ライター紋蛇

2012年より、ネット中継に携わる。担当局で一番長い中継が2013年3月の第71期順位戦C級1組の森けい二九段-近藤正和六段戦で、持将棋の末指し直しとなり、終局時刻は翌日の朝5時40分。「中継は体力だ」と痛感している。

このライターの記事一覧

  • Facebookでシェア
  • はてなブックマーク
  • Pocketに保存
  • Google+でシェア

こちらから将棋コラムの更新情報を受け取れます。

Twitterで受け取る
facebookで受け取る
RSSで受け取る
RSS

こんな記事も読まれています