決勝進出チームが決定。第3回AbemaTVトーナメント ~4月25日放送、予選Aリーグ3回戦・チーム三浦VSチーム久保戦の振り返り~

決勝進出チームが決定。第3回AbemaTVトーナメント ~4月25日放送、予選Aリーグ3回戦・チーム三浦VSチーム久保戦の振り返り~

ライター: 相崎修司  更新: 2020年04月27日

*前回の記事:予選突破するのは...?第3回AbemaTVトーナメント ~4月25日放送、予選A組3回戦・チーム三浦VSチーム久保 事前特集~

4月25日(土)に放映された第3回AbemaTVトーナメントの予選Aリーグ3回戦、チーム三浦対チーム久保の団体戦の模様をお送りする。

先鋒、中堅、大将は以下の通り
先鋒 高野智史五段―今泉健司四段
中堅 本田奎五段―久保利明九段
大将 三浦弘行九段―菅井竜也八段

「チーム振り飛車」に対する「チームミレニアム」という構図だが、その名の通り、ミレニアム囲いを披露するかどうか。ちなみに同戦法で升田幸三賞を受賞した三浦は言うに及ばず、本田と高野の両者も公式戦における対振り飛車で、ミレニアム囲いを採用した経験はある。

先鋒戦 高野五段VS今泉四段

振り駒の結果、先鋒戦の第1局は今泉の先手となる。今泉の三間飛車に対して、髙野は急戦に出る。作戦勝ちから押しきる形で、まずは高野が先勝。

続く第2局は相穴熊の熱戦に。第1図の局面で、解説の阿久津主税八段は「居飛車が勝ちか千日手はあると思います」という。

【第1図は△6二銀まで】

実戦は▲6一飛△7一銀▲同飛成△8一金打と進み「穴熊戦らしいですね」と阿久津が言った通り死闘が続き、最後は210手で勝利した今泉がタイに持ち込んだ。

第1図では▲7二香と打つ手があった。△7一銀▲同香成は先手の待ち望むところで、以下△8一香でも▲5四角と詰めろを掛けて押し切れる。▲7二香には△同銀▲同成香△同金と清算するが、そこで▲6一銀や▲6四桂と絡めば、後手は中々先手の攻めを振りほどけない。実戦と異なり、小駒だけの攻めとなるが、大駒に当てられて先手を取られることがないのがメリットである。

第3局は今泉の先手三間飛車対高野の急戦という、第1局の再現ともいう構図に。高野がペースを握ったが、今泉が持ち味の粘りを見せて逆転勝ち。今泉は「初戦を取れてうれしいです」。高野は「ただただ悔しいです」とそれぞれコメント。

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中堅戦 本田五段VS久保九段

続いて中堅戦の本田―久保戦。第1局は先手の久保が四間飛車に振り、序盤から自ら仕掛ける積極策に出た。中盤でリードを奪った久保だが、本田も終盤で猛烈な追い込みを見せる。辛くも久保が逃げ切って先勝。

第2局は後手四間飛車からの相穴熊に。先鋒戦の第2局を彷彿とさせるような死闘となった。結果は196手で久保が勝ち2ポイントを獲得するのだが、途中は本田にも勝機があった。

「玉の寄せ合いで攻め切れない弱さが出た」と本田は振り返る。その一例として挙げたのが第2図の局面で「▲7三金と踏み込めば、読み切れてはいなかったが、勝っていたと思う」と語る。先手玉へ迫るには戦力不足なので△7二金打や△8二香と受けるくらいだが、▲6一飛で押し切れそうだ。

【第2図は△7九成香まで】

実戦は第2図から▲7九同銀△8二香▲9二成香△同金▲9八香△9三香▲9四歩△同香▲同香△9五香......。この進行でもまだ先手よしだが、最後は久保が百戦錬磨の貫禄を見せた。

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大将戦 三浦九段VS菅井八段

大将戦は三浦―菅井戦。中堅戦が終わった時点でのポイントはチーム三浦がマイナス2で、チーム豊島がマイナス4。大将戦で菅井が2連勝すればチーム豊島とチーム三浦のプレーオフが実現する。
そして、相穴熊となった第1局は後手の菅井が終盤で抜け出し制勝。3回戦開始時には「まさかそんなことはないだろう」と思われていた状況が現実味を帯びてきた。

大一番となった第2局。第3図はその中盤で、後手が桂跳ねに備えた局面だが。

【第3図は△6四歩まで】

「これは手がしなりますね」と聞き手の飯野愛女流初段が語った通り、△6四歩にも構わず▲6五桂が成立している。△同歩は▲7七角が王手飛車取りだ。桂跳ねに三浦は△5五歩と打ったが、▲7七角△8四飛▲5三歩成△同銀▲同桂成△同金▲5五銀と中央を制圧した菅井が優位に立ち、そのまま押し切った。

予選Aリーグ3回戦が終わった結果、チーム久保がプラス8ポイントで1位通過を決めた。「真剣勝負で充実した1日だった」と菅井は振り返った。

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そして残る1枠はチーム豊島とチーム三浦のプレーオフに。チームリーダー同士の1番勝負を行い、決勝進出チームを決める。

プレーオフ 豊島竜王・名人VS三浦九段

振り駒の結果、豊島の先手で相居飛車の力戦となる。

【第4図は△3二金まで】

第4図はその終盤だ。ここまでは豊島がリードを保っていたが、結果的には次の▲6四桂が指し過ぎだったか。以下△4二金右▲同成桂△同金▲5一馬△3四飛▲5二桂成△同金▲同馬の進行は後手玉が絶体絶命のようだが、△8七歩成▲同玉△8六歩▲7七玉を決めてから△3二玉と立った局面は後手玉の上部が広く、かつ先手は金を渡すと△8七金から自玉に即詰みが生じているので、逆転している。以下も豊島は懸命に後手玉を追うが、的確な手順で三浦が逃げ切った。

戻って第4図では▲8六歩と手を戻せば先手ペースが続いていた。△8七歩は▲同玉で後続がなく、また△3三銀▲同歩成△同金の清算は▲4五桂と打たれてしまう。そして先手からは▲2三歩が厳しい垂らしとなる。

薄氷の勝利で予選通過を果たした三浦は「最後の最後でリーダーとして、できることができたと思っています。本戦でも本田さんと高野さんの力が必要となりますので、カバーしてもらえれば」と語った。敗れた豊島は「内容云々よりはチームのために勝たないといけない将棋だったので、残念。若手二人の活躍の場がなくなってしまったので申し訳ないです」と語った。

予選Aリーグからはチーム久保とチーム三浦の両チームが決勝トーナメント進出。5月2日からは予選Bリーグの放映が始まるので、こちらもどうぞお楽しみに。

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本戦入り上位2チームが決定!予選Aリーグ第三試合<チーム久保 VS チーム三浦>
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トーナメントついに開幕!予選Aリーグ 第一試合<チーム豊島 VS チーム久保>
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相崎修司

ライター相崎修司

2000年から将棋専門誌・近代将棋の編集業務に従事、07年に独立しフリーライターとなる。2016年現在は竜王戦、王位戦・女流王位戦、叡王戦、女流名人戦で観戦記を執筆。将棋世界などにも寄稿。

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