夏休みこそ将棋のはじめどき!初心者はこうやって将棋を学ぼう!【はじめての職団戦 vol.8】

夏休みこそ将棋のはじめどき!初心者はこうやって将棋を学ぼう!【はじめての職団戦 vol.8】

ライター: 津持大和  更新: 2019年08月09日

みなさん、夏休みのご予定はいかがでしょうか?海でスイカ割りをしたり、山でBBQをしたり、アウトドアもいいですが、まとまった時間を取りやすい夏休みは将棋を始めるのにピッタリかも?

今回の記事では、初めて将棋に触れるローソン将棋部員に密着。「ルールを覚えるために何をすればいいの?」「最初にすべき勉強は?」など初心者が抱える疑問点を遠山雄亮六段が解決してくれました!

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ローソン将棋部顧問の遠山雄亮六段 今回もよろしくお願いします!

記事後半では毎度お馴染みの部員対局を遠山六段の解説付きでお送りします。ぜひ最後までお楽しみください!

意外と簡単?将棋のルールの覚え方とは

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遠山六段からレクチャーを受けるのは、将棋に触れたことがないという女性3名。将棋のイメージを伺うと「かっこいいけど、ルールを覚えるのが難しそう。」とのこと。

まずはルールが難しいというイメージ払拭のために、駒の動かし方からレクチャー開始です。

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遠山六段が用意したのは、駒の動きを記入するプリント。最初は答えを見ながら駒の動ける範囲に印をつけていきます。慣れてきたら答えを見ずにやってみましょう。

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「学生に戻って宿題してるみたい〜。」と楽しそうに記入する3人。わからなかったら答えを見てもいいのでスイスイと問題を解いていきます。

ある程度解き終わったら次は将棋アプリ「ぴよ将棋」の入門対局に挑戦!果たして動かし方は身についたのでしょうか?

【入門向け】王vs飛角Lv1

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戦した対局で相手は王様1枚のみ。「これはすぐ捕まえられるだろう」と挑戦してみるものの意外と捕まえることができない3人。

ここで遠山六段が3つのヒントを教えてくれました。

1つ目は王様の逃げ場所を少なくしていくこと。例えば龍(飛車)を二段目に置くことができれば、王様はもう二段目に行くことができませんよね?

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このように一手で決めようと考えるのではなく、王様の行動範囲を狭めるような手を意識するといいとのことです。 2つ目は駒を取られても取り返せるようにすること。なんとなく難しくなってきたな、と思うかもしれませんが安心してください。要するに、駒と駒の連携を意識するだけ。下の画像を見てください。

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今、王様の前に馬(角の裏)を置いたところですが、「王様で取られそう」と思っちゃいますよね。でも取られても龍で取り返せるので大丈夫なんです!

このように取られても取り返せる配置を意識していきましょう。

3つ目はパターンを覚えること。将棋にはいろんな戦法や指し方がありますが、最終的に王様を詰ますという目的は変わりません。王様が詰む時の形はいくつかのパターンに分けることができるのでそのパターンを身につけてしまえばもう初心者卒業です!

【第1図】
有名なパターン「頭金」

パターンを覚えるには詰将棋がオススメ。アプリ「みんなの詰将棋」では初心者向けの簡単な詰将棋が豊富にあり、隙間時間にサクサクっと挑戦できるのでぜひやってみてください。

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入門問題や詰将棋を解いていくうちに自然と駒の動かし方を身につけていく3人。「王様捕まえられた!」と喜びの声も多くなってきました。レベルにあった問題に挑戦できるということでオススメの「ぴよ将棋」と「みんなの詰将棋」遠山六段のyoutubeチャンネルには初心者向けの動画が多数あるので参考にしてみてはいかがでしょうか。

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レクチャーを受けた3人に話を聞いてみると「1つ1つ駒の動きが違うので慣れるまでは難しいけど、王様を捕まえられて嬉しかった。これは続けられそうです!」と気に入ってくれた様子。ローソン将棋部の戦力になる日が待ち遠しいですね!

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流行りの三間飛車vs穴熊。遠山六段が注目した一手とは。

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ここからは、遠山六段が練習対局から参考にしてほしい指し回しをピックアップするコーナー。今回はコラムの取材も兼ねて将棋部に参加されたシンクロ社の齊藤さん(将棋ウォーズ二段)と原田さんの練習対局を取り上げます。

遠山六段 後手の齊藤さんが三間飛車藤井システムから、原田さんの穴熊に攻めかかってリードします。しかし原田さんも、持ち味の粘り強さで追い上げていきます。

そして迎えた図。△6七銀成は▲同金に△7九竜以下の詰みを狙った厳しい攻めです。

対する原田さんの一手が素晴らしかったのですが、みなさんなんだと思いますか?

【第2図は△6七銀成まで】

正解は▲5五銀!後手の角道を止めつつ、相手玉に迫っています。

実戦は△7八成銀▲6四香△7二玉▲6三金△8二玉に▲7八飛と手を戻し、以下は穴熊の遠さを生かして原田さんの勝ちとなりました。

終盤戦では▲5五銀のような攻防の一手が勝ちを呼び込みます。その好例でした。

おわりに

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最後に遠山六段から夏休みの宿題がローソン将棋部に課せられました。

初心者の方は「みんなの詰将棋」の1手詰に挑戦してみる。級位者は高橋道雄九段の「3手詰」、有段者は「5手詰」を全部解くようにとのことでした。

これをやれば確実に棋力はUP!この夏は将棋と向き合ってみてはいかがでしょうか。

はじめての職団戦

津持大和

ライター津持大和

1996年生まれの福井県出身。山本博志四段の影響を受けて居飛車党から三間飛車党に転身。ゲーム、カードゲーム、野球、カフェが好き。将棋イベントとゲーム大会によく出没します。

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遠山雄亮

監修遠山雄亮六段

東京都練馬区出身。1993年に奨励会に6級で入会。1997年に初段に昇段。2005年10月に四段に昇段。長らく、日本将棋連盟モバイルの編集長としてモバイル事業に携わり、現在は、棋士会副会長としてイベント等の企画、運営を行なっている。デビュー当初から、しばらくは振り飛車党だったが、ここ近年は居飛車中心に戦っている。

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