【王位戦七番勝負第４局ダイジェスト】豊島将之王位が王手をかけるか、木村一基九段がタイに戻すか？

第60期王位戦七番勝負、豊島将之王位２勝、木村一基九段３勝で迎えた第４局が８月20・21日に行われました。豊島王位が勝って防衛へ王手をかけるのか、木村九段がタイに戻すのか、注目の一戦をダイジェストで振り返ります。（参考：王位戦中継ブログ）

対局開始、戦型は相掛かりに

定刻通りの９時に対局が始まりました。木村九段の先手で始まった第４局は、第２局に続いて相掛かりへと進みました。

【図は28手目△４二玉まで】

対局開始の一礼

対局開始前の豊島王位

対局開始前の木村九段

豊島王位が自陣角を放ち、封じ手に

44手目で豊島王位は９二に角を設置し、本局のすべてをこの自陣角に託しました。１時間37分の長考の末、木村九段が45手目を封じました。消費時間は▲木村４時間42分、△豊島２時間49分でした

【図は44手目△９二角まで】

封じ手を立会人の久保利明九段に渡す木村九段

先手よしの中盤戦

封じ手の▲５六歩から2日目が再開。図は７五に桂を打った局面です。▲８三角成が受けにくく先手優勢になっています。

【図は83手目▲７五桂まで】

棋風と真逆の展開に

【図は124手目△３九銀まで】

豊島王位は入玉を目指しており、木村九段が寄せきれるかどうかという棋風とは真逆の展開に進んでいます。ここで木村九段は▲８三桂成の軽手を放ち、以下△同馬▲同馬に豊島王位は△２八銀成と飛車のほうを取りました。

豊島王位、最長手数を更新

【図は187手目△９七玉まで】

８八の玉を９七に上がった局面。相入玉にして、点数勝負での勝ちを狙う豊島王位。その後、先手玉も入玉を果たし、相入玉の状態になりました。239手を超え、両者の対局のなかで最長、また豊島王位自身の対局においても最長手数を更新しました。

木村九段が２勝目を挙げ、タイに持ち込む

【図285手目▲８三銀不成まで】

285手で木村九段の勝ちとなりました。終局時刻は21時12分。消費時間は▲木村７時間56分、△豊島７時間59分。木村九段は連勝で対戦成績を２勝２敗のタイとしました。木村九段は終局後のインタビューで「途中は持将棋になるように思いました。終盤に入って勝ちのある局面もあったように思いましたが、逃したと思います。それ以上のことはいまは分からないですね。」と対局を振り返りました。

終局後の様子

今回の将棋飯まとめ

【一日目】

午前のおやつ

豊島王位：フルーツの盛り合わせ

昼食

豊島王位：うなぎ重膳

木村九段：うなぎ重膳（ご飯少なめ）

午後のおやつ

豊島王位：フルーツ盛り合わせとパインジュース

木村九段：冷やしぜんざいとパインジュース

【二日目】

午前のおやつ

豊島王位：フルーツの盛り合わせ

昼食

両者とも松華堂

午後のおやつ

豊島王位：フルーツの盛り合わせとパインジュース（氷なし）

木村九段：フルーツヴェリーヌとアイスコーヒー

第５局の予定

第５局は８月27・28日（火・水）、徳島県徳島市「渭水苑」で行われます。対局の詳細は王位戦中継サイトでご覧ください。日本将棋連盟ライブ中継でもリアルタイムで対局を速報しています。

また、第５局でも現地大盤解説会を行います。詳細はこちらのページよりご覧ください。

日程：８月26日（月）午後６時から７時30分まで
会場：渭水苑祥雲閣・IRORIの間

第60期王位戦七番勝負日程

注目の一戦ダイジェスト